この記事へのコメント

mm
高校生です。中学2年生の頃から昼休みの教室内や部活中(吹奏楽部)、また電車内などの人混みなどで耳が悪くなったと感じました。
これまで、たくさん転職をしてきました。いつもなぜかうまくいかず、退職をしてしまい、自分の責任だと思っていました。原因を考えて、書き出してみると、言われたことがわからないということにたどり着きました。
ゆい子
部活に入っているのですが、見ているものは覚えられます。だけど、聞こえて入るんですけど、聞き取れなくて何を言ってるのかが覚えられなくてどうすればいいでしょうか。

「雑音の中では話が聞き取れない」
「早口や小さな声が聞き取りにくい」

こうした症状、APD=聴覚情報処理障害といいます。
聴力は正常でも、人混みなど雑音の多い場所では必要な音や話を選び取れず理解できなくなってしまう症状で、いま、こうした悩みを訴える人が増えています。

あまり知られていない症状のため周囲に理解されず、仕事や対人関係につまづくことも多いことから、当事者たちが苦しい現状を知ってほしいと、ネットを通じて発信する動きが広がり始めています。

異変感じた高校時代「話聞いてないよね」

笑歩さん

症状に悩む笑歩さん(23)です。

異変を感じたのは高校生のころ、友人からの思いがけない言葉がきっかけでした。

話を聞いてないよね。
たまに変なところであいづちするよね。


当時、聴覚情報処理障害の症状を知らなかった笑歩さんは、うまく聞き取れないことを友人に説明してもわかってもらえず、戸惑ったといいます。

近所の耳鼻科など、複数の医療機関をまわって聴力検査を受けましたが、正常だと言われました。医師に違和感を訴えたものの「そういうこともある」、「気にしすぎ」と言われ、明確な診断はつきませんでした。

悩んだ笑歩さんが、インターネットなどで調べたところ、出てきたのがAPD=聴覚情報処理障害という初めて聞くことばでした。

APDの聞こえ方って?

周囲に理解されにくい症状を知ってほしいと去年始めたのが、動画投稿サイトの配信です。
笑歩さんには、実際どのように聞こえているのか投稿した動画で再現しています。

笑歩さんのYouTubeより

例えばこのようなアナウンス、

携帯電話はマナーモードにしていただくか、電源をお切りください

にぎやかなレストランでは人の話し声や食器の音にまぎれてしまい、

携帯電話は・・・にしていただくか、・・・切りください

このように一部の音しかわからないというのです。

笑歩さん
「コンビニやスーパーなど、買い物の時が大変です。
いろいろな音が入って、耳に入ってくる情報が多いし、色々な音が入るので、頭がパンクしてしまいます。苦手なことはいっぱいあります」

ポンコツだと自分を責めた  仕事を失った

症状に悩み、仕事を失った人もいます。
ことし7月、自分の経験を漫画にした、きょこさん(39)です。

きょこさんが描いた漫画

「このあいだ日曜日さー家族で水族館に行ったんだけどね」という何気ない会話も、会話の音は聞こえていても、雑音にまぎれて、もやがかかったようになり、内容が理解できないといいます。

症状に気づいたのは、2年半前、工場でパートの仕事を始めた時でした。上司の指示は全て口頭でしたが、機械の大きな音で聞き取れず、何をすればよいのかがわからなかったといいます。

さらに状況を悪化させたのが、仕事で着用するマスクでした。
上司の声がこもって聞き取りづらくなるうえ、口元が見えず話の内容がわかりづらくなってしまい、思うように仕事をこなすことができませんでした。

当時は育児のストレスも重なり、落ち込んだというきょこさん。
結局、仕事を辞めざるを得なくなったといいます。

きょこさん
「みんなふつうにできているのに何で自分はできないんだろう。
まさか聞こえのせいなんて思っていなかったので、ただただ自分がポンコツなんだ、自分ってできないんだと思ってしまって、それがつらかったです」

実態つかめていない日本 支援体制も不十分

聴覚情報処理障害は、脳の神経機能の問題などが原因とも指摘されていますが、詳しい原因はわかっておらず、明確な治療法もありません。

海外では学齢期の子どもの約3%に症状があるなど、さまざまな研究報告もありますが、日本では詳しい実態がつかめていないのが現状です。

長年、聴覚情報処理障害の研究をしている国際医療福祉大学の小渕千絵教授は、日本では支援体制が整っていないと指摘しています。

国際医療福祉大学 小渕千絵教授
「いろいろな研究を見ると、日本でも海外と同じ位の割合の人がAPDの症状を持っていると考えられます。

ところが、日本では海外のように幼い頃に症状を発見し、支援する体制が整っていません。このため、大人になってアルバイトや就職をしたあと、仕事でミスを繰り返して初めて症状に気付くケースが多いのが特徴です。

症状は個人差が大きく、症状を疑った場合は、専門の医療機関を受診して、自分の症状の特性や対処法を知って欲しい」

症状に悩む人たちが当事者会を作って生活の悩みや医療に関する情報を発信しています。

「APD当事者会」webサイトはこちらです。(NHKサイトを離れます)

APD=聴覚情報処理障害の取材や「首都圏ナビ」の編集をしていました。2004年から首都圏局やネットワーク報道部を経て今は仙台放送局にいます。
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みなさんの声

mm
高校生です。中学2年生の頃から昼休みの教室内や部活中(吹奏楽部)、また電車内などの人混みなどで耳が悪くなったと感じました。
友達に何度も聞き返して耳を近づけてやっと分かって、返事をしてもまた友達が何て言ってるかわからなくて、会話が続かないことが多くありました。部活中も指示が聞こえず何度も先輩に聞き返して苦笑いされながら教えてもらっています。(優しい方ばかりなのでなんとかなってます)
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これまで、たくさん転職をしてきました。いつもなぜかうまくいかず、退職をしてしまい、自分の責任だと思っていました。原因を考えて、書き出してみると、言われたことがわからないということにたどり着きました。
・上司からの口頭の指示が、なにを言っているのかわからない
・電話対応で先方が何を言っているのかわからない
・上司と会話していて的外れな回答をしてしまう
上記についてインターネットで検索すると、聴覚処理障害という症状に近いことを知りました。
早速医療機関に相談しようと思い、「〇〇(地元の地名)、聴覚処理障害」と調べましたが、専門にしている医療機関がなく、途方に暮れています。
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ゆい子
部活に入っているのですが、見ているものは覚えられます。だけど、聞こえて入るんですけど、聞き取れなくて何を言ってるのかが覚えられなくてどうすればいいでしょうか。
あい
APD=聴覚情報処理障害の番組を見ました。人の話が聞き取れなくて困っています。中学生の頃は「難聴」とあだ名がついて、聴覚検査も行ったのですが異常なしでした。
ずっとモヤモヤしています。他にも発達障害の検査ではワーキングメモリーが低すぎると出ました。ADHDの疑いも有り。でも障害とまでは言えない範囲で、「まあ今までなんとか社会生活できているんでしょ」と、どこにも取り合ってもらえません。仕事も満足にできない状態で、自費カウンセリングは経済的にきつい。グレーゾーンで「健常者と同じ様にやれ」と求められるのはつらいです。周りの理解を求めるのもかえって変な目で見られそうで難しいです。
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耳鳴り
難聴になってわかったことは字幕って大切。
無視じゃないのよ聞こえないのよ。
食でアレルギーを問われても聞こえないからメニューに書いてあると助かりますね。
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海月
最近、というか、前々からあったのですが「言葉も意味も理解できるのに音になって入ってきているのもわかるのに、その人の発している内容が分からない」という状況です。
仕事上、人との関わりが密なので、聞いていないものと勘違いされていて、しっかり聞こうとするほどわからなくなってしまって。泣きそうになるのを耐えながら過ごしてます。
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まうす
私もこの症状じゃないかと思うような出来事が多々ありました。
いつどういう風に起こるのか確認しようと適当な動画を見ていたら、私の場合は「字幕を目で追う」か「聞き流して次の展開を目で追う」かどっちかして解決しているのだと気づきました。
なので、聞き取れない問題は人との会話の時にしか起こらないみたいです。
そういえば最近のテレビや動画は、字幕や視覚情報がすごく多いです。
私も若い頃からずっと字幕つきバラエティや文字だけのSNSに親しんでいて、会話はBGMみたいに適当に聞き流しています。
ここで、私は自分の症状にある仮説をたてました。
本来なら、人の話が聞き取りにくい時はもっと聴覚に意識を集中するべきでしょう。当然です。
ところが、字幕や聞き流しに慣れ親しんだ私は、聞き取りにくかったときに無意識に視覚情報に頼って理解しようとしているのです。
その結果、会話の途中なのに聴覚情報を遮断してしまい、相手の言葉をほとんど認識できないのではないか、と考えました。
リハビリのために、とりあえずラジオを聴くことにしました。
ただ聞き流すのではなく、言葉の意味をひとつひとつ理解しようとしながら聞くようにし、視覚情報に頼る癖を矯正します。
脳の障害かどうか確認するためにも、ラジオは有効だと思います。
それに、わりと聞き取れてけっこう自信がつくのでおすすめします。
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なみ
難聴検査を受け異常がないとわかりAPD検査が出来る病院を紹介して欲しいとお願いする場所する場所
耳の問題では無いのでできません、精神科の方へ行ってくださいと断られました。もう嫌になります、、、
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みちよ
ずっと聞こえの悪さで悩んできました。耳鼻科に行っても難聴ではなく。一文のなか、虫食いみたいにところどころフッと言葉が消えてしまう。まるでジャミングが入るみたいに。
会社の事務をしていたころは本当に電話が嫌でした。なんで電話なんだ。メールでいいじゃない、チャットでいいじゃない。電話なんかこの世からなくなってしまえばいいのに、と。
仕事の指示もよくわからなくて、聞こえない。私は頭が悪いのかな、と悩んできました。
いまの悩みは「夫に何度訴えても、「APD」って名前つければ、なんでもかんでも障害ってことにすれば楽でいいよね、聞く気がないだけでしょ、と。
聞き返せば、一度言った、なんで聞いてないの、こんなことで聞き返すとか頭が悪いとなじられ。最終的に、腹を立てられます。
テレビがついている。換気扇が回っている。そんななかで私には、言葉なんてまったく聞こえない。ふつうでもジャミングがあるのに。
ASDの子どもがおりますが、やはり同じ悩みを抱えています。
彼女は「パパの言葉が長くて、聞こえなくなって。どうせわからないからって聞き流している」と。まだ中一で、これからなので、どうすればいいのか、この子の状況についても悩んでいます。
APD、どうしたらわかってもらえるんだろう。どうしたら打開できるんだろう。
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たびきちのやっちん
人の話がよく聞きとれない、雑音はよく聞こえるんだけど。
紅の豚
自分も友達と会話する時、別の音が鳴っていると声が聞こえずらくなり、その度に聞き返して、話の通じないやつと思われてる。
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