群馬 元草津町議に猶予付き有罪判決 町長の名誉毀損などの罪

うその証言を基にした電子書籍の出版で、群馬県草津町の町長の名誉を傷つけた罪などに問われた元町議会議員に対し、前橋地方裁判所は「被害者の社会的評価を低下させる内容で悪質だ」として執行猶予の付いた有罪判決を言い渡しました。

群馬県草津町の元町議会議員の新井祥子被告(56)は6年前、フリーライターと共謀して「町長室で性交渉をした」といううその証言を基にした電子書籍を出版し黒岩信忠町長の名誉を傷つけたとして、名誉毀損の罪に問われました。

また町長からわいせつ行為をされたとするうその刑事告訴をしたとして、虚偽告訴の罪にも問われていました。

これまでの裁判で弁護側は虚偽告訴について認める一方、名誉毀損の罪については「書籍の詳しい内容は出版後に初めて知った」として無罪を主張していました。

29日の判決で前橋地方裁判所の山下博司裁判長は「電子書籍の内容について文書を送ったうえで、著者に『本のことは全て任せる』と連絡しており、共謀が認められる」と指摘しました。

そのうえで「被害者の社会的評価を低下させる内容で悪質だ」として、懲役2年執行猶予5年の有罪判決を言い渡しました。

判決の後に開かれた記者会見の中で群馬県草津町の黒岩信忠町長は「私の主張が全て認められた形となり感謝している。名誉を回復することが草津町の信頼を回復させることだと信じて戦ってきた。民事訴訟と刑事訴訟の判決が出るまで6年もかかり、長い戦いだった」と話していました。

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