やざわ・えいきち/1949年9月14日生まれ、広島県出身。ロックミュージシャン。「(ライブの)会場に来たらわかると思うんですけど、年齢層が本当にバラバラ。親子で来て、ライブ帰りに一緒に飲んでライブを語り合った、という話をきくとうれしいですね」[写真:蜷川実花/hair & make up 谷森正規(M TANIMORI LABO)/styling 黒田領/costume ブルネロ クチネリ、モスコット]
やざわ・えいきち/1949年9月14日生まれ、広島県出身。ロックミュージシャン。「(ライブの)会場に来たらわかると思うんですけど、年齢層が本当にバラバラ。親子で来て、ライブ帰りに一緒に飲んでライブを語り合った、という話をきくとうれしいですね」[写真:蜷川実花/hair & make up 谷森正規(M TANIMORI LABO)/styling 黒田領/costume ブルネロ クチネリ、モスコット]
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 矢沢永吉、その人の歩みが時代に与えた影響は計り知れない。ソロデビュー50周年を迎えたいまも「テッペン」に生き続ける思いを語った。AERA 2025年9月29日号より。

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──70代半ばになるいまも、ロックフェスに積極的に出演している。きっかけは2006年、国内最大級の野外フェス「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」に出演したことだった。

 フェスに出るという発想がなかった頃、ロッキング・オンの渋谷(陽一)さんが言ったんですよ。「永ちゃん、矢沢永吉の名前は知っていても、矢沢のライブを見たことがない層が主流の時代だよ。日本のキッズに本物のロックを見せた方がいいんじゃない?」。殺し文句ですよ、そう言われたら出るしかないよね(笑)。彼は長い間インタビューをしてくれていて、矢沢がどういう人間か知っている。本物のロックって言われたら、「わかった、俺がやるよ!」ってなるじゃない。

 フェス後のアンケートで、「缶コーヒーのおじさんのイメージしかなかったけど、気付いたら拳を上げていて、4~5曲目では涙が出ていた」っていうような声がたくさんあった。うれしいのとありがたいのと、ああ、そういうことか、と。もっといろいろな世代に、いろいろな人にアプローチをしないといけないなと思いましたね。

──8月にリリースした6年ぶりの新曲「真実」は、28年ぶりに連ドラの主題歌になった。美しいメロディーが際立つバラードだ。この曲をきっかけに「矢沢永吉」を知った若いファンもいるという。

新曲捨てようとした

 笑い話ですけど、作っている最中にだんだん曲が気に入らなくなって。俺はほら、作り手ですから。バースとコーラスのラインが喧嘩していて、バランスが良くない。でもどうにもアイデアが浮かばないから、諦めて捨てようとしたの。すると、エンジニアが「とんでもない、こんないい泣きのメロディーがあるのに」と。でもあるとき、新しい、抑えたバースのメロディーが降りてきたわけですよ。「これだ!」と。

 50年以上曲を書いてきましたけど、曲作りはやっぱり面白いですね。

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