日本全体の外国人割合は「3%」でも「20代は10人に1人が外国人」という真実 「特定技能2号」で永住者が増えれば外国人人口はさらに増加へ
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「外国人=外国からやって来る人」だけではない
他方、外国人住民の増加要因としては小さい自然増加だが、これについても注目すべき点がある。2024年の外国人住民の出生数は2万2738人と初めて2万人台となったのだ。死亡数は9073人だ。 2013年の外国人住民の出生数は1万2730人だったので、パイペースで増えていることが分かる。参考までに、国立社会保障・人口問題研究所(社人研)の「人口統計資料集」で父母の国籍別出生数を確認すると、調査年は1年早い2023年だが、この年の出生数74万7002人のうち「父母とも外国人」は1万9714人、「父は日本人、母は外国人」6658人、「父は外国人、母は日本人」8462人だ。 日本人住民の出生数は減少に歯止めがかからないため、2024年は68万7689人にとどまった。外国人住民の出生数2万2738人とは、すでに全体(71万427人)の3.2%を占める数字となっているのである。 日本で生まれる外国人の増加に加えて家族帯同者の子ども数も増えるとなれば、子どもの人口全体に占める外国人の割合は高まる。外国人を大規模に受け入れ、しかも長期滞在や永住権付与の対象を広げていけば、日本で出産する外国人はさらに増えよう。今後は日本国内での出生数も人数を押し上げることとなる。一般的に、外国人と言えば「外国からやって来る人」をイメージしがちだが、今後その認識は改める必要が出てきそうである。 2024年時点において、0~4歳の住民総数に占める同年齢の外国人住民の割合は2.7%だ。0~19歳で再計算しても2.2%でしかない。しかしながら、すでに教育現場では変化が現れている。文部科学省の調査(2023年5月1日現在)によれば、学齢相当の外国人の子ども数(住民基本台帳上の人数)は15万695 人だが、公立学校における日本語指導が必要な児童生徒数は6万9123人にも上っているのだ。 入国者数が増える中で、永住者や長期滞在で日本から出国するケースが減り、さらに日本生まれの外国人が増えて行けば、総人口占める外国人の割合が1割に達する時期は現在想定される2045年よりもさらに早くなる。 政府は、外国人政策の基本方針を策定するにあたって外国人の実情をよく理解しなければならない。足元の人手不足の解消だけを優先していたのでは、逆戻り出来ないほどに日本社会は変質する。 ■後編記事につづく:「東京は20人に1人が外国人」日本の外国人住民の6割が三大都市圏に集中、外国人の大規模受け入れが人口減少に苦しむ地方をさらに疲弊させるジレンマ 【プロフィール】 河合雅司(かわい・まさし)/1963年、名古屋市生まれの作家・ジャーナリスト。人口減少対策総合研究所理事長、高知大学客員教授、大正大学客員教授、産経新聞社客員論説委員のほか、厚生労働省や人事院など政府の有識者会議委員も務める。中央大学卒業。ベストセラー『未来の年表』シリーズ(講談社現代新書)など著書多数。小学館新書『縮んで勝つ 人口減少日本の活路』が話題。
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