ばくはつすんぜん
前回の続きで、アーニャの嫉妬が爆発するお話です。書いてみたくて書いちゃいました笑
なんか設定弄りまくっててすみませんorz
ロイドもヨルもなんだかキツいです怖いです^^;
ロイドとヨルの間に赤ん坊が産まれました。
赤ん坊はなにげにめちゃくちゃ寝て何されても気づかないタイプ(?)の赤ちゃんです笑
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ロイドとヨルの間に出来た赤ん坊が産まれて早1ヶ月。
ふたりは赤ん坊につきっきりだった。
「ふっやぁぁぁぁぁ!!!んぎゃぁぁ!!」
「わわっ!ロイドさんどうしましょう!!全然泣き止みませんっ!!」
「ヨッ、ヨルさんっ!落ち着いて!!こういうときは…」
ふたりとも1から育児をするのはこれが初めて。
だから毎日がてんやわんやで騒がしい毎日だった。
だけどひとりだけ、この家の中で今まで一番うるさかった人が、今では一番大人しかった。
その名も、アーニャ。
「んん…、あさからなに、、」
家族の中で一番起きるのが遅いアーニャは、
今では赤ん坊の泣き声で一番に目覚めることが多かった。
だけど耳を塞いで聞こえないふりをする毎日。
アーニャにとって睡眠を妨害する怪獣みたいな存在だった。
「ちち、ごはんは?」
ふたりは赤ん坊につきっきりなため、アーニャの声など届くはずもなく、アーニャの声は泣き声に消されてしまう。
無視されてしまったアーニャは、負けじと大きな声で叫んだ。
「ちちぃぃぃ!!アーニャおなかすいたあ"ぁっ!!
ごはんたべたい"い"い"ぃぃぃっ!!!」
一瞬シーンと静まる中、直ぐに沈黙を裂いたのは赤ん坊だった。
「んぎゃぁぁっ!!!おんぎゃぁぁっ!!!」
さっきよりもでかい声で泣き叫ぶ赤ん坊に、ふたりはアーニャを見た。
「ひぃっ」
「こらアーニャ!!」
「アーニャさんっ!!」
こっぴどく叱られたアーニャは泣きながら自部屋へと戻った。
アーニャには悩みがあった。
ガチャっとドアを開けて入ってきたのは愛犬のボンド。
「ぼふぼふ」
「ぼんど~きいておくれ。アーニャのさいきんのなやみぃ」
最近って言ってもあの赤ん坊がお家に来てからというものの、私は除け者扱いなのだ。とつらつらとボンドに打ち明けていた。
ぐぅぅぅとお腹は鳴り止まない。
朝ごはん、、というかもうお昼前なのに、
ご飯を出してはくれない。
「もしかして、ほんとうにアーニャいらなくなったの?」
「ぼふぅ?」
だってご飯出してくれないし、
ご飯って言ったら睨まれたし、
それだけじゃないの。
ちちもははも、遊んでくれなくなったの。
ひとりで遊んでこい、とか、お姉ちゃんなんだから我慢しろって。
「…あ、れ…?あれ?なんで?…えぐっ、…ひぐ…っ、」
なみだ…、とまらない…
「ぼふぼふ…、」
ペロッと涙を舐めとってくれるボンド。
「ぼんどだけだよ、、あーにゃにやさしぃの…、ぐすん…っ、」
(よしっ!!)
アーニャは決意した。
またまた家出してやる、と。
そうと決まれば二言はなし!!!ボンドを連れて家を出た。
ふたりは赤ん坊につきっきりだから、アーニャ達のことが見えていなかった。
「よしっ!ボンドきょうはどこいこっか!!」
「ぼふぼふっ!!ぼーふっ!」
ボンドとならどこにでも行ける!
・・・・・なんて思ってたのも束の間。
ぐぅぅぅ、、
「ぅぅそうだった、、、あさごはんも、ひるも、たべてない、、」
ボンドに身体を預けて動けなくなるアーニャ。
仕方なくボンドは家に帰るしか他なかった。
数十分の家出は終了、ボンドは背中にアーニャを乗せて家に戻った。
家に入ると、あたりは静かだった。
お昼寝か??
「ぼふぼふ」
「んん?おうち、、?」
ボンドの背中から降りたアーニャは、ちちとははを探し出した。
「ちち…、はは?」
ひとつめのドアを開けて居ない。
ふたつめのドアを開けても居ない。
みっつめ。ここはアーニャのおへや。
「っ、まさか、、」
ドアを開けるとそのまさかだった。
アーニャのベッドの上に赤ん坊が居て、
両サイドにちちとははが赤ん坊に寄り添いながら眠っていたのだ。
「な、んで…?ねえなんで?」
ここ、アーニャのおへやだよ?
なんでおまえがいるんだよ、、。
そこにはアーニャがねてるはずなのに、
ふたりのあいだにはアーニャがてきにん…なのにっ!!
アーニャの嫉妬は爆発寸前だった。
そんなアーニャの傍にはボンドが引っ付いていた。
「ぼーふ、ぼーふ?」
「ぼんど、どうしよ。アーニャ…ばくはつする…」
頭を傾げたボンドはアーニャの言ってる意味が分からなかった。
だけど次の瞬間、
ベッドの近くにあるキメラさんのもふもふのぬいぐるみを取って赤ん坊にぶつけたのだ。
それも何回も。
「おまえなんか…おまえなんか!!」
赤ん坊は全く起きない。
ボンドは目を大きくさせて、アーニャの服を噛んで引っ張った。
「ぼふっぼふっ!!!」
「こらボンドっ!!はなせっ!!アーニャこいつのせいでおこられるのもうこりごり!!
すきでこいつのあねになったんじゃない!!」
目に涙を溜めながら、キメラさんをぶつけるアーニャ。
それでも赤ん坊は起きない。
すると、
「うぅ…ん?アーニャ…さん?」
キメラさんで何度も叩くアーニャを目の前にして、顔が真っ青になっていくヨルがいた。
「何をやっているのですかっ!!!」
「ひぃ!!!」
「ぼふっ?!」
ははのこんな張り詰めた声をアーニャは初めて聞いた。
アーニャとボンドはその場で固まってしまった。
ヨルの声に赤ん坊は泣き出しそうになったが、再び眠りにつくのだった。
ヨルは小さな声でロイドを起こして、赤ん坊を残して3人でリビングに移動した。
「どうかしたんですか?ヨルさん」
「ロイドさん、実はさっき」
さっきあった出来事をロイドに話している間、
アーニャはそっぽを向いていた。
「なっ、そんなことが?」
とても信じ難いが、アーニャのこの感じは…わかる。
「アーニャさん、どうしてあんなことしたんですか?」
「アーニャ、おまえなんで」
「…」
アーニャは無言を貫いた。
「そうやって一生黙ってるつもりか?
それで許されると思ってるのか、お姉さんになる自覚あるのか?そんなことをしてっ!怪我でもしたらどうするんだっ!!!」
「ひっ!!」
「おいこらアーニャ。なんで何も言わない?
俺がここまで怒ってるのは中々無いからビビってんのか?」
「ちょっ、ちょっとロイドさんっ、さすがにアーニャさん、怖がって…」
「こわくない、、こわくない!!!ぜんぜんこわくないっ!!!」
「は?その感じおまえ全く反省してないだろっ!!」
バッ!!と、反射的に身体が動いてしまうロイドに、それを止めに入ろうとするヨル。
だけどその光景を避けもせず、じっと見つめるアーニャが居た。
「おい、なんだその目は。」
「ロイドさん!落ち着いてっ、」
じっと見つめて、見つめて。
アーニャの中の真っ黒なナニカが、次第に大きくなっていた。
そして、プツン。と、切れる音。
「あいつ、、アーニャのいばしょ、うばったの。
あいつのせいで、ちちも、ははもアーニャのことみえなくなった。
あいついると、せかいはへいわにならない。。」
「あいつって赤ん坊のことか?なんだその言い方はっ!」
「アーニャさん言葉遣いは気をつけてと何度も言って」
「ちちもははもっ!!!!あいつのことばっかりでっ!!
アーニャがおなかすいたっていってもなんにもくれない!!
おなかすいてるだけなのにおこられて、、
あーにゃのみかたっ、ぼんどしかっ…いないのっ、!!
だからっ、…だから、」
アーニャの目に、光は差していなかった。
「ちちも、ははも、いっしょにあそんでくれないし、ごはんもたべれない。ふたりともあいつのことばっかりみて、、ちっともアーニャのことみてくれないっ!!!
さいしょのころはがまんしてた…。」
我慢して、がまんして、がまんしてがまんして。
だけど、もう、だめなんだ。
我慢できなくなるくらいにまで、この黒いの大きくなってるの。
もう、知らないよ?
「アーニャばくはつしちゃうよ、?」
「アーニャ…?」
「アーニャさん、、?」
溢れそうになる涙を拭って、ひとりで真っ暗な街に飛び出した。
その後をロイドが追いかけた。
走って、走って、はしって、はしって。
3人で通った道も、3人で行った海も。
3人だった頃にはもう戻れない。
あいつのせいで。
あいつなんか、
いや、自分がいるから。
3人でいらないはずのもうひとりは赤ん坊じゃなくて、自分なんじゃないかと。そう思うようになった。
だから今こうしてみんなから逃げてるんだ。
自分の感情が爆発したところで、ふたりには関係ないこと。
だって、血なんて繋がってないんだから。
真っ暗で細い道の影にアーニャは隠れた。
誰にも見つかりたくないんだ。
「あぁ、アーニャわるいこだなぁ…。」
「全くだ。」
「えっ?」
見上げるとそこにはロイドが居た。
え?なんでここが分かったの?
どこに居ても見つけてくれる、ね。
孤児院から出て新しい家に行った時も、この遊びしたね。
ロイドと遊ぶのはそれ以来だった。
「ほら、帰るぞ」
手を差し伸べてくるが、その手を一切無視する。
「アーニャばくはつした。もういえかえらない。」
「はぁ、何言ってんのかさっぱりだが。
まず謝らせてくれ。さっきはすまなかった。
酷いことをたくさん言っておまえを傷つけてしまった。」
腰を下ろしてアーニャと同じ目線で、謝罪をするロイド。
「……あやまられてもむり。」
「どうして?」
「……だ、だってアーニャあんなひどいこと…した、
かえってもいないのとおなじなら…かえるいみない…。」
そう言って差し出されたロイドの手を弾いた。
「おい、どこ行くんだ。」
「アーニャ、いらないんでしょ。」
だったらもうこのまま、
齢4歳にしてアーニャはひとり、
闇の中に消えていくのだった。
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