【考察】「look at the sea」という曲
やませです。
おいしくるメロンパンというバンドをご存知でしょうか。
歌う文芸作家と称される彼らの曲ですが、「look at the sea」という曲からおいしくるメロンパンを知ったという方も多いのではないのでしょうか。
ファンからは「ルカザ」の愛称でも親しまれ、ライブでも何度も演奏されている人気の楽曲です。
音色と共に流れ出る爽やかな歌声が印象的な曲ですが、この曲にはどのようなストーリーが隠されているのでしょうか。
今回は、この「look at the sea」の歌詞の考察の1つを、わたしの妄想を交えて書いていきたいと思います。
猫と女性について
この曲のMVには、1人の女性と1匹の猫が登場します。
そしてこの女性は、いなくなった猫を探しにあらゆる場所へ走ります。
ですが、もし猫がいなくなったら家の中や近場を探し、このMVのように遠くまで行くことは少ないと思います。
つまり、この女性は猫に対して普通の愛以上の感情を抱いているのです。
そしてこの愛は、本当に猫に向けられた愛なのでしょうか。
きっと、この女性は猫にかつての恋人を重ねているのではないのでしょうか。
ですが、この曲の語り部はこの女性ではありません。
タイトルの「look at the sea」。
seaの読み方をカタカナに起こすと、シー。そして同じ読みの「she」という単語。この女性を「彼女」と呼ぶ人こそがこの曲の語り部なのです。
今回はこのことを前提に書いていきたいと思います。
あなたの涙を呑んで あなたの吐息を吸って
あなたの言葉を噛んでいたい
この歌詞からは、顔と顔が近くに寄っている映像が想像できます。
あなたの頬に流れる涙が呑めるほど、吐息が吸えるほど、顔同士が密着しているのです。
言葉を噛む、というのはきっとキスをしていることを指しているのでしょう。
ですが「あなた」はなぜ、涙を流しているのでしょうか。
綺麗な髪を数えて 歪な痣をなぞって
静かな瞳にすんでいたい
髪、痣(=皮膚)、瞳、全て顔の周りについているものです。
この語り部が愛していたのは女性そのものではなく、女性の顔、外見だけだったのかもしれません。
また「歪な痣」という歌詞からは、DVなどの相手を傷つける行為が想像できます。
傷つけられてもなお、静かな瞳。それを語り部の男性は「その瞳が澄んでいて、心が痛くなる」というふうに感じたのではないでしょうか。
Look at the sea Look at the flower
Look at the bird 醒めないでいてね
先程の歌詞では「あなた」と呼んでいたものから「彼女」へと、二人称から三人称へ変わったのがわかるでしょうか。
先程までの歌詞は一緒にいたときの情景で、この歌詞はきっと今、女性と男性が離れ離れになってしまった状態を示しているのではないでしょうか。
また、flower(=花)bird(=鳥)は必ず終わりが来るという共通点があります。
それと並列したsea=she、これは彼女にも終わりが来ることを暗喩しているのではないでしょうか。そしてそのことを語り部の男性は知っていた。そして、相手の女性と自分の関係を、限りある花や鳥と重ねていたのかもしれません。
自分はその終わりを知っていたけれど、相手には知ってほしくなかった、知らないままの夢を見ていてほしい。その夢から醒めないでいてね。という意味が込められていたのかもしれませんね。
Look at the sea Look at the sky
Look at the moon 醒めないでいてね
そして直後には同じような歌詞が続きます。
ここで、sea以外のものが「flower」「bird」「sky」「moon」と花鳥風月であることがわかります。
これはおいしくるメロンパンのギターボーカルであるナカシマさんもX(旧Twitter)にて言及されています。
よく気付きましたね!サビに出てくるflower bird sky moonは花鳥風月の順番に並べています(風は見ることができないので空にしました)
— ナカシマ (@nksm_sea) November 9, 2021
花鳥風月は美しいものを意味します。つまり、彼女には美しいものだけを見てほしい。醜い自分のことは見ないでほしい、と願っているようにも捉えられるのではないでしょうか。
あなたの憂いに酔って あなたの重さを愛し
あなたの嘘なら信じていたい
ここからは、女性視点の歌詞のように思えます。
女性は、男性がなぜ自分から離れていったのかを本当は知っていたのではないでしょうか。
あなたの抑えきれない感情や、重すぎる愛すらも愛し、別れるときにつかれた嘘ですらも信じていたい。女性はそう考えていたのでしょう。
いっそ嫉妬に酔って いっそ悪意も愛し
全部嘘でも信じていたい
男性は今、他の人と生活を送っているのかもしれない。それを考えるだけで湧き出る嫉妬。それに酔ってしまいたいくらいの嫉妬。
男性が今、自分に向けているかもしれない悪意ですらも愛していたい。
2人で過ごしていたときの言動全てが嘘でも、女性は男性のことを愛していたのです。
きっと女性は、男性のことを愛しすぎていたゆえ、不安な気持ちでいっぱいだったのでしょう。
汚れないで 触らないで
死ぬまで知らずにいようよ
これは男性視点の歌詞に思えます。
自分の抑えきれない感情によって、あなたが汚れてしまうのは嫌だ。
だから、あなたは自分に触らないで。汚れた自分に触らないで。
しかし、そんなことを思っていることは、恥ずかしくて知られたくなかったのでしょう。
それでも、死ぬまではあなたと一緒に過ごしていたい、という欲望の矛盾があるのです。
求めないで 目を塞いで
気付かないふりでもいいよ
自分のことを求めないで。それなら自分の存在を、目を塞いで女性から隠すほうがマシだ。
自分の存在に、気付いていないふりでもいいから、関わらないようにしよう。あなたを傷つけないために。
おそれないで 変わらないで
世界に二人でいいよ
それでも女性は、そんな男性を愛していた。
傷付けてしまうことをおそれないで。そのままのあなたが好きだから。
だからまた、2人でいよう。
そんな気持ちがこの歌詞から読み取れます。
手を繋いで 離さないで
醒めないでいてね
この歌詞は、男性と女性、どちらの視点でもあるように思えます。
きっと男性と女性は、よりを戻したのでしょう。
もう離れないように、離さないように、手を繋いでいよう。
今、この夢のようなひととき。この夢は、2人にとって醒めてほしくない夢なのでしょう。
あなたの髪を数えていたい
髪を数えていたいだけ
髪を数えるという動作。序盤の歌詞と同じように女性の視界に入ることはないでしょう。
それでも、髪をずっと数えていたい。ずっと2人でいるだけでいい。
そんな愛の感情が読み取れます。
Look at the sea Look at the flower
Look at the bird 醒めないでいてね
ここでまた、同じ歌詞が登場します。
男性は「おそれないで 変わらないで」と言われてもなお、女性を傷付けてしまうことが怖いのではないのでしょうか。自分なんかよりも、もっと美しいものを見ていてほしいと願ってしまうのでしょうか。
また、全く同じ歌詞のあとに「醒めないでいてね」ともう1回だけ繰り返しているのは、変わらない状況の中でも2人の関係が一歩進んだようにも感じます。
いかがでしたでしょうか?
人間的で、生々しい感情が描かれた「look at the sea」という曲。聴いているだけで思わず感傷的になってしまうのではないのでしょうか。
おいしくるメロンパンの楽曲には、他にもストーリーが読み取れる楽曲がたくさんあります。そちらもまた考察をしていけたらなと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
それでは。



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