「ボディーパズル」で世界的ブレイク
転機となったのは「ボディーパズル」という動画シリーズだ。画面上から自分の体のパーツが降ってきて、それに合わせて踊るという、ダンスと編集を組み合わせたユニークなコンテンツ。
「このシリーズが爆発的にバズって、1本で登録者が100万人増えることもありました。再生数は数千万回、中には8000万回を超えた動画も。X(旧Twitter)でも拡散されて、『ISSEI=あの自由に踊る人』と認識されるようになりました」
フォロワーは一気に200万人へ。しかし急成長の裏には、“伸びが止まる停滞期”もあった。再生数は半減し、「このまま埋もれてしまうのか」と焦りも感じたという。
「再生数が低迷した時期は正直しんどかったです。でも、そこで諦めるんじゃなくて“動画の質をどう高めるか”を考えました」
彼が出した答えは、情報密度を極限まで高めることだった。
「検証動画や再現ネタをやりつつ、普通なら1企画1チャレンジのところを、僕は“1本に4つ詰め込む”ようにしました。視聴者が『お得感』を感じるようにする狙いです。構成も緻密にして、無駄なカットはすべて削りました」
その戦略が奏功し、半年間で500〜600万人のフォロワー増を記録。SNSで世界的な存在感を確立した。
お金にならない時期を耐え抜く
驚くべきは、この時点ではまだほとんど収益がなかったことだ。
「TikTokは当時、収益化の仕組みがなかったんです。だからいくらバズっても“1円も入らない”。『なんでお金にならないのにそんな頑張るの?』とよく言われました」
※ちなみに、TikTokでは2024年3月から「Creator Rewards Program」が本格導入され、1分以上のオリジナル動画の再生数に応じて報酬が支払われる仕組みが始まっている。
それでもISSEIが見ていたのは“未来”だった。
「目の前のお金よりも、将来の可能性を信じてました。『ここでやり切れば、必ず花が開く』と。だから赤字覚悟でも走り続けたんです」
実際、アルバイトで得た収入はほとんど活動費に消えた。カメラやPCなど機材投資に数十万円単位をかけ、撮影に必要な小道具も惜しまず購入した。GUで働いたバイト代は、すべて未来への先行投資だった。