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罰金10万円も…「バカ」の代償は 「これをやると侮辱罪」事例公開【#みんなのギモン】

日テレNEWS NNN / 2025年9月25日 18時54分

日テレNEWS NNN

ネット上で飛び交う「誹謗中傷」に関わる事例集が公開されました。そこで今回の#みんなのギモンでは、「侮辱罪厳罰化『バカ』の代償は?」をテーマに解説します。

■「バカ」投稿で罰金10万円? 法務省が事例公開

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今月、法務省は2022年に「侮辱罪」が厳罰化されてから初めて、侮辱罪で刑が確定した「これをやると侮辱罪になった」という事例集を公開しました。次の事例はその一部です。

●SNSに「なかなか手強いですよ? ○○はバカなので」などと掲載した 罰金10万円

●インターネット上の掲示板に「最低最悪 根深い根っからの犯罪者」などと書き込んだ 罰金30万円

このように、具体的な文言や罰金の金額が公開されたのです。なぜ今なのか、経緯を見ていきます。

侮辱罪は、2020年に亡くなったプロレスラーの木村花さんがインターネット上で誹謗中傷されていたことを受けて、見直しの議論が進み、2022年に厳罰化された改正法が施行されました。

この法改正では3年後に、この厳罰化がインターネット上の誹謗中傷に適切に対処できているかなどを検証することが定められていて、3年後にあたる今年、その有識者検討会の資料として、事例集が公開されたのです。

どのようなケースで侮辱罪に問われるのか、インターネット上の誹謗中傷などに詳しい清水陽平弁護士に聞きました。

侮辱罪は「公然と」つまり、不特定多数の人が見られる状態で、社会的評価の低下を招くような「バカ、クズ」といった表現を行った場合などに適用されます。違反した場合、1年以下の拘禁刑もしくは30万円以下の罰金などに問われる可能性があります。

■「バカ」と言い科料…“リアル”の事例も

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侮辱罪は、インターネット上だけで適用されるものではなく、事例集には現実世界のものもあります。

●駐車場において被害者に対し「バカ」と言った 科料9900円

●会議場において被害者に対し「おいゴミ」「ゴミ野郎」「ゴミ帰れ」などと言った 科料9000円

●4人で共謀し被害者の車庫や玄関ドアに「給料払え」「ドロボー」などと記載した紙を貼り付けた 罰金10万円

「科料」とは1万円未満の刑罰のことで、「罰金」は1万円以上です。どちらも「有罪」であることにかわりはありません。

■罰金の額はどう決まる?

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厳罰化後、有罪になった事例のうち、インターネット上の侮辱が全体の半数以上を占めています。

●インターネットの掲示板に、ある会社の社長について「金に汚い、お客様を金としか見ていない」と掲載した 科料9000円

●被害者が使用するSNSアカウントに「うるせえだまれ人殺し」と掲載した 罰金10万円

●SNSに「見た目からしてバケモノかよ」と、被害者の容姿が映し出された画像とともに掲載した 罰金30万円

清水弁護士に罰金額がどう決まるのか聞きました。金額は「悪質性」や本人の「反省の程度」を踏まえて、検察官が請求する場合が多いといいます。

「悪質性」についてはあくまでもケース・バイ・ケースですが、表現の内容や投稿などを行った「回数」などが考慮されることになる、ということでした。

さらに、清水弁護士はSNSなどは不特定多数の前に「形」として残るので、より重い罰金になる傾向が見られるといいます。

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対面でバカなどと叫んだりすることもダメですが、形には残らずあくまで一過性のもので「科料」になりがちだといいます。SNSに残るとたくさんの人に何度も見られることから、被害の程度が大きいと判断され、より重くなることがあるそうです。

清水弁護士によると、侮辱罪は親告罪なので、被害者が警察署に行って告訴することが基本になります。証拠が必要になり、「いつ」「どこで」「どのような表現」がされたのかが分かる資料が必要だということです。

怒りなどにまかせて書き込んだ多くの投稿が侮辱罪に問われています。SNSなどに投稿する前に、その向こう側に「生身の人間」がいることを忘れないでほしいです。

(2025年9月25日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)

【#みんなのギモン】
身の回りの「怒り」や「ギモン」「不正」や「不祥事」。寄せられた情報などをもとに、日本テレビ報道局が「みんなのギモン」に応えるべく調査・取材してお伝えします。(日テレ調査報道プロジェクト

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