トランプ氏、ステファニク議員の国連大使指名を撤回 議席維持のため

ワシントン=下司佳代子
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 トランプ米大統領は27日、エリス・ステファニク下院議員(40)の国連大使の指名を撤回すると発表した。「米国第一主義の政策を進めるにあたり、連邦議会における共和党の全議席を維持することが不可欠だ」とSNSに投稿し、僅差(きんさ)で共和党が多数派を握る下院での議席を守るためだと説明した。

 現在の下院の構成は、共和党218議席、民主党213議席、辞職や死亡による空席が4議席。共和党は補欠選挙での議席維持に不安が残るほか、民主党が反対する減税法案を早く確実に可決するにはステファニク氏の議席が必要だという声が出ていた。

 トランプ氏は2期目の返り咲きを決めた昨年11月の大統領選の直後、ステファニク氏を新政権の国連大使に指名すると発表。今年1月には上院外交委員会で承認され、本会議での承認待ちとなっていた。トランプ氏は、ステファニク氏の代わりに誰を指名するかは明かしていない。

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この記事を書いた人
下司佳代子
アメリカ総局|米国の外交・防衛
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国際報道
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    鈴木一人
    (東京大学大学院教授・地経学研究所長)
    2025年3月28日13時5分 投稿
    【解説】

    トランプ大統領とすれば、不本意であろうが、僅差で多数を維持する下院で議席を失うことは望ましくないことは間違いなく、今後予算など、議会の協力が必要な場合、少しでもトランプに忠誠を誓う議員がいてくれる方が望ましい、という計算が働いたのであろう。

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