※本記事はネットでよく言う所謂懐古厨、老害等と言われるような意見、文章が目立つかと思います。それでも良い方は読んでみてください。

 

 こんにちは。今回はちょっと趣向を変えてディズニーのことを書いていきます。私は幸運にも小さい頃から東京ディズニーリゾートに行く機会に恵まれていて、ディズニーに興味を持ち、いざ考えてみると今の自分の価値観の多くは東京ディズニーリゾートに作ってもらったと言っても過言ではないくらいお世話になっていました。私自身元々一度好きになったものはなかなか嫌いになれないタイプなので(良くも悪くもですが)、ディズニークラスのものであれば一生大好きで月に一度くらいは当たり前で行くのかなと思っていました。

 しかしながら、コロナ後に様子は一気に急変。年パスがなくなったのは勿論ですが、そもそもディズニーに行くモチベーションが低下し始めました。社会人になると一気にそれは悪化。1人で週5回行っていたイカれた時期がウソのようになり、もはや誰かに誘われないと行けないようになってしまいました。次は1年後でいいやなんて発言をするなんて小さい頃の自分からは到底想像もつきません。大学生後半あたりから純粋にパークを楽しみきれない感じは始まっていて、年を食って小さい頃のようにディズニーリゾートで特別な経験、自分の感性を揺るがしてくれるような経験ができないくらい自分の心が汚れてしまったのかなと思っていました。

 しかしながら、2023年2月に転機が訪れました。そう、アメリカのディズニー探訪です。正味向こうに着くまでの段階で一番の楽しみだったものは魅惑のチキルームでした。渡米後、もちろんチキルームのオリジナル・バージョンを観れたのはとても嬉しかったのですが、それ以上に他の所からの収穫の方が多く感じるレベル。初見のアトラクションやショー、多くの高いパフォーマンスに圧倒され、忘れてしまった?子供の心も取り戻すことができました。

 そして昨年、2度目のWDWを堪能しましたが、初見補正が抜けた状態でも凄いものを見ると子供の心を取り戻せることに気づきます。

 そしてこの2度のアメリカ探訪で気づいたのです。私は子供の頃の純粋な心を忘れてしまったのではなく、その心を思い出せる場所が身近な所から消えてしまったのだと。

 前置きが非常に長くなってしまいましたが、この記事では今の東京ディズニーランド(シーもってやると長すぎるのでランドに絞ります)が私にとって夢を見たり、子供の心を持ったりできない場所になってしまった理由をいくつかのコーナーにわけて考えていこうと思います。

 

  ①パーク独自の世界観の喪失

 私自身がディズニーパークに対して一番いいなと思っているのが、やはりパーク内の作り込みです。開拓時代のアメリカをイメージしたエリアや、999人の亡霊が1000人目を勧誘しようとする館、宇宙一の無能店長が与えられた最後のチャンスを活かすべく運営するピザ屋。ジャンルに関わらず専用のストーリーが深く設定されていて、それらの共同体として存在をしています。
 この点が他のテーマパークではあり得ないことだと思っていますし、東京とアメリカの両パークのとても良いところでもあると思っています。何が言いたいかというと、ミッキーや仲間たちがいなくても十二分に楽しめる場所であるということです。
 しかしながら、この頃の運営は当初のこの世界観の作り込みからは反したものになりつつあります。この点は日米ともにですが、日本は元々キャラ文化が浸透してる面から圧倒的に進行が早く見えます。
 ここ最近の追加アトラクションを見てみるとことごとく映画のキャラクターが主役となっています。さらにいうと、オリジナルストーリーと言うよりかは、乗り物に乗って映画のシーンを見ていくような内容が殆ど。
 更にいうと、かつてオリジナルの内容だったものに無理やりキャラクターを入れて集客を入れるというとんでもないリニューアルまで生まれるようになってしまいました。このあたりのバランスが崩れてしまっているのが個人的にはとても残念で仕方ありません。
 現在なんとか姿を守っているのはアドベンチャーランド。ほぼ手がついていないウエスタンリバー、目立たないようにジャック・スパロウが追加されたものの気にはならないカリブの海賊、BGMでディズニー曲が入ったものの内容自体はほぼ同じのジャングルクルーズ、そもそも変わっていないスイスファミリー・ツリーハウスとディズニーパークオリジナル要素に富んでいる他、ベースはみなウォルト時代のもので、彼の本物志向が強く感じられる内容になっています。素晴らしいエリアですね。
 また、隣のウエスタンランドも安全絡みの改良以外変更無しのマーク・トウェインとトムソーヤ島、不変のカントリーベアとシューティングギャラリー、中途参入ではあるものの作り込みが完璧なビッグサンダーとつわもの揃い。
 結果今はワンデーで入っても1日の多くをアドベンチャーランドとウエスタンランドで過ごすことが殆どになっています。一部の友人にはそれをいじられる始末。両エリア外でよく乗るアトラクションのホーンテッドマンション、スモールワールドも中心かやや左より。現行メンバーの右側でよく乗るのはハニーハント、(スペースマウンテン)くらいでしょうか。あとは大きなシアター2つが右にあるので見に行くときにはいきます。
 これが海を渡ったフロリダでは激変します。マジックキングダムのトゥモローランドは、レトロフューチャー化という再開発を受けたものの、ア同再開発でガラリと変わってしまったアナハイムと違ってアトラクションはほぼ据え置き。スペースマウンテンに加えてピープルムーバー、カルッセルオブプログレスとウォルトの世界観を感じることができるアトラクションが揃っており、滞在時間が一番長いエリアと化しています。元々トゥモローランドのテーマは大好きで、特にレトロフューチャー化される前。
 白基調の異型の建物が並ぶ中にヤシの木の緑が佇むこの雰囲気が大好きでした。この風景については画像のWDWのほうが先に、何なら自分が生まれる前に消えましたが、東京も7〜8年前まではこの雰囲気を味わうことができ、アドベンチャーランドの次に好きなエリアでした。
 それに比べると現在の東京のトゥモローランドのラインナップは全アトラクションがキャラクター絡み。辛うじて生き延びているトニー店長の肩身の狭さがうかがえます。
 また、かつてのスターツアーズ出口には、管制官のZzzzyxxxというキャラクターがいました。レストランでもアトラクションでも何でもないところにオーディオアニマトロニクスがいるという、、小さい頃自分にトラウマを植え付けた彼ですがリニューアルの際にクビになってしまいました。こういったプロップス(というのは彼に失礼な気もしますが)の現象もパーク独自の体験を少なくしてしまってる一因かなと思います。少し逸れたのと、この辺は別の項で主題にするので軽めに、、
 ベイマックスは遊園地的な乗り物なので置いておいて、ほかを見るとモンスターズインク、スティッチ、バズは映画の世界観を追体験するシリーズ。個人的には地球外生命体が絡む映画はトゥモローにぶん投げている、そんなように見えて仕方ありません。実際スティッチはSF的な要素が絡んでますが、3つとも基本は現代においてのストーリーだったりします。(スターツアーズが遥か昔なのにはツッコみません。テクノロジー的には未来なので)
 これらに置き換えられたアトラクションを振り返ると、日本の歴史を見ながら日本の未来を考えるミートザワールド、宇宙を平和にするストーリーのキャプテンEO、タイムマシンでジュール・ベルヌと旅をするビジョナリアム。ちょっと考えただけでロマンがいっぱいでいいなと思ってしまいました。入れ替わりが激しい施設も有りましたが、どれも丁寧に設定がなされたものと聞いています。(ミクロアドベンチャー以外は見たこと無いのでエライことはいえません)
 50〜60年代のアメリカ人が描いた未来。そんなテーマだったトゥモローランドも今やキャラクターだらけに。当時からあった植物も大半が削除され、スペースマウンテン付近に残っていたヤシの木たちもとうとうさよなら。
 自然と斬新なデザインの共存がみられるのはプラザ側のみに。逆にこちらはほぼ生きてる他、プラズマ・レイズ・ダイナー、トゥモローランドテラスは前の雰囲気を固持しているため、いつまでも残ってほしいところ。ここの景観は日米全パークの全エリアで見ても一番好きな所の一つ。タイルに透き通った水の綺麗さはほかじゃ見れない美しさです。
 後もう一つ未来への希望を考えるとすると、スペースマウンテンのリニューアル。アースライズの名を与えられた新スペースマウンテンは、UFO的な形状というコンセプトを極めたものに。また、イメージ図では周りに木々が。自然との調和がさらに進んだ日本独自のトゥモローランド像になりそうです。米両パークのトゥモローランド再開発が失敗した中でのこの路線変更は個人的にはとても楽しみにしています。
 さて、殆どトゥモローランドの話になりましたが、他にもワールドバザールのディズニー・ギャラリー&ドローイングクラス、アドベンチャーランドに存在した民芸品を揃えたショップ、ウエスタンランド写真館とまあ色々なくなっています。(写真館は施設は残ってますが、、)このあたりの思い出や、ふだん見れないものをみる経験は貴重かと思いますし、何よりパークのテーマ性を深めてくれる存在でした。個人的にはトゥモローランドのキャラ文化改変がトドメでしたが、このあたりの消失も積み重なる部分の一部なのかなと思っています。キャラに頼らず、パークのクオリティで勝負する。そんなディズニーになってもらいたいですね。
 

  ②ここでしか見れない凄いものを見せられているという感覚の消失

 第2章も東京ディズニーランドのみでしか味わえないものに関するものです。第一章と似通った部分もありますが、大きく違うのはこちらは外的要因も含まれていること。具体的にどうなのかということをつらつらとしていきます。
 
 私が幼少期の頃の東京ディズニーランドは、USJが死にかけ、東京ディズニーシーも赤字で(クオリティはキッズが見ても分かるくらいの高いものでしたが)全然元気が無く、日本テーマパーク界は東京ディズニーランドに席巻されている状況でした。リーマンショック位を期にその図は一気に変わっていくのですが、それまでの東京ディズニーランドはアトラクション、グリーティング、ショー、フード、どれをとってもずば抜けており(アトラクション以外は今と比べると勝負にならないレベル)well deservedな独走でした。
 
 しかしながら、後年になるにつれてディズニーのマネごとをする施設や、違った方向性で作り込んで集客をしてくる施設が出てき始め、技術的側面でも昔ディズニーにあったアドバンテージは埋まりつつあります。
 自分が見た中でもUSJのハリー・ポッターライドやフジQの戦慄迷宮、イマーシブフォートのシャーロックについては、東京ディズニーランドでは体験できない経験を提供してくれています。
 
 一方の東京ディズニーランド、というかこれについては東京のアトラクを手がけているディズニー社にもいえますが、2000年代に映画テーマのアトラクションを入れ始めて以降目新しいモノはなく、老朽化したアトラクションを映画のキャラが出るライドで置き換えているだけの状況が続いています。しかも殆どがトラックレス、3Dシアター、ボートと東京ディズニーシーが出来る以前に完成していた技術を使ったもの。目新しい体験とは程遠い状況です。中々動きの激しいアトラクションを東京に導入するのは難しいのでしょうが、こんな状況ではライバル達に先を越されてしまいます。というか既に越されています。
 例外でいうと、EPCOTのラタトゥイユアドベンチャーで使われた新しいライドは今までのトラックレスとは違った動きが可能で、シーのピーターパンの新アトラクションとは相性バッチリだったりして良かったのでこの辺りからまた新しくなっていけば良いのかなと。
 
 また、鳥や花が歌う魅惑の部屋、クマ達のカントリーコンサート、出たり消えたりを繰り返す亡霊たちと遭遇する館など、他の場所では絶対できない体験も、ウォルト時代からあったこの辺りの連中からアップデート出来ていない(この辺上手いのはEPCOTてすよね)ので、新しいイマーシブな体験を届けて欲しいなとも思ってたり。お台場にお株を奪われているようではダメですよ。
 

  ③テーマパーク→遊園地へと成り下がっている

 ②に通づる、というか②に組み込もうと思ってましたがあえて分けました。②では先に進めないという内的要因と、他社の躍進という外的要因が重なり特別感が無くなったと書いていました。が、それ以前に東京ディズニーランドの運営自体が、テーマに溢れた世界観への没入から遊園地として楽しめる場所を目指しているように思えます。
 例として挙げるのであれば①、②で上げたことが当てはまるほか、映えやSNSへの投稿を意識しすぎているのではないかというところもポイントです。
 
 この点については2つほどポイントがありますが順に。
 
 1つ目は販売しているグッズ。以前はぬいぐるみやお皿、キーホルダーそして衣服等々のいわゆるお土産的なものがグッズの主力として存在していました。特にシャツ類はパーク外でもペアルックにしてる人たちが多く非常にほほえましいなと今改めて思っています。何なら特別変な格好をしなくてもみんなでずぶぬれになった状態でスプラッシュマウンテンを背景に写真を撮るだけで楽しい思い出のできあがりでしたよね。しかしながら、最近は
 

こんな明らかに手で持って写真を撮る用のグッズが存在していたり、アイドルグッズ的なペンラやブロマイド、うちわなど以前はまるで見なかったようなグッズが台頭してきました。個人的にはディズニーまで来てわざわざすることか?とつい思ってしまいますが、最近のゲストにその考えはないようです。ディズニーランドは特別な体験を持たせてくれる夢と魔法の王国ではなく、アイドルのライブやその辺の遊園地などと同等の扱いなのでしょう。

 

 2つ目はそもそもオリエンタルランドがゲストの動きを映えメインの方向にシフトしていることです。

 

 

 ちょうど一年ほど前にオリエンタルランド公式が出したPR動画ですが、パーク自体を楽しんでいるより、パレードを見る自分たちをメインにしていることを肯定するような内容(ニュースで触れているのは学級会案件とはだいぶ離れた部分なのはさておき)をぶっこんできました。最初に見たときはえ?なんだこれ?という言葉しか出てきませんでした。

 正味、ディズニーが提供する物自体を楽しめるか楽しめないかについては本人たちの価値観に依存するので私がどうこう言うのは間違いですが、公式がこれを押していくのは違うだろ。と思ってしまいました。

 

 以上2点のどちらにおいても言えるのは②で書いていた絶対的な特別感やすごいものの提供をオリエンタルランド側があきらめている、もしくは鼻からクオリティで勝負する気がないとしか感じられないということです。

 例の学級会では、人々からパークを楽しむという価値観がなくなってしまったのが残念など、若者を揶揄するような発言も目立っていた記憶があります(実際私も思うところはあります)が、それ以上にオリエンタルランドがディズニーランドを「パークを味わって楽しめる」場所から、「ディズニーにいる私イケてる」という表面上でしか楽しめない場所に変えてしまったことが原因だと思っています。

 これが解消されないばかりには、いろんなところで悪く言われる、Tik Tok を撮りに来て、"テーマパーク自体は楽しめず"に帰っていく若者が増えていくのは仕方ないことだと思います。

これが解消されないばかりには、いろんなところで悪く言われる、Tik Tok を撮りに来て、"テーマパーク自体は楽しめず"に帰っていく若者が増えていくのは仕方ないというよりか必然的としか言いようがありません。

 

 ディズニーの豆知識として”時計がない”(厳密にいうと実は意外とあるのですが一旦置いておきます。)ことにより時間を忘れさせてくれるというものがよく言われています。時間をも忘れてしまうような魅力的な場所であり、ゲストを日常の社会から離脱させるための一工夫です。それを裏切るかのように人々がスマホを片手にインスタやTik Tokを開き続け(最近はBe Realなんてのもあるようですね)、SNS映えのことばかりを考え続けるような状況に。。一番悲しいことはオリエンタルランドにこの流れを止める雰囲気は全くなく、むしろ新たなマーケットと捉えてしまっている点です。

 後の章でまた書きますが、東京ディズニーランドというテーマパークとして世界最強ともいえるハードを持っているにもかかわらず、人々を魅了しきれず終わってしまっている。そんな状況からは脱出してもらいたいものですね。理想はSNSやカメラを一日封印しても満足できる、そんな場所に戻ることです。

 

   ④エンターテイメントクオリティ低下

 さて、ダイレクトにズタボロにしていくコーナーが始まりました。具体的なところで一番気になるのは、ファンから揶揄され続けているエンターテイメントの魅力・クオリティ、数の低下です。

 2000年代後半から一気にエンタメの終了が続き、コロナショックを境にさらに目も当てられない状況になってしまいました。(シーに比べれば全然いいんですがね)

 

 現在のショーパレード演目を見てみると

シアターオーリンズ:ジャンボリミッキー

ポリネシアンレストラン:ミッキーのレインボウルアウ

フォレストシアター:マジカルミュージックワールド

ダイヤモンドHS:  バラエティマスター

ショーベース:   クラブマウスビート

デイパレード:   ハーモニーインカラー+季節もの1回ずつ

ナイトパレード:  ドリームライツ

キャッスル:    Reach for the Star

 2010年半ばのひどい時と比べれば良いですが、生歌or生演奏を含むショーは0。オーリンズも本来の働きはできていないのが現状です。では、20年前の2005年を見てみましょう。

 

シアターオーリンズ:ミニーオーミニー

ポリネシアンレストラン:昼リロのルアウ&ファン夜ポリネシアンパラダイスジ

ダイヤモンドHS:   昼HSラウンドアップ夜ぺコスグーフィー

プラザパビリオン:  スーパードゥーパー

ショーベース:    ワンマンズドリームⅡ

デイパレード:   ドリームスオンパレード+季節もの2~3回

ナイトパレード:  ドリームライツ+季節もの

キャッスル:    季節でローテーション

 

 ほかにも夏にはトゥモローランドテラスステージで生歌生演奏ショーがあったほか、ミニオは生歌メイン、Ⅰをオマージュしながらも完全新作のワンマンズドリームⅡ、キッズ向けながら30分やっていたスーパードゥーパーと抜かりない体制。

 季節ショーは概ね2~3あり、それぞれ複数回の開催がデフォルトでした。

 んで、ちゃっかりレストランショーもランチとディナーで違う気合の入りっぷりでした。

 ちなみにこちらは2005年春のある日のスケジュール。これでも少ない方というのが恐ろしいところ。

 

 また、シー開演前にはプラザパビリオンスタンドで生歌生演奏ジャズ、トゥモローランドテラスでロックの生演奏。スモールワールド、ラッキーナゲット(現ウッドチャック)でのステージショーととんでもないスケールでエンタメ提供をしていました。

 

 今パークで生演奏を聴こうとすると、不定期のディズニーランドバンドしかなく、正規ショーで生歌生演奏が一切ないのは痛いですね。この辺りはそろそろ復活してほしいところ。また、当時のショーはどれもテーマランドやステージに合わせた世界観がありました。このあたりもパークでの体験の差になっているのではないかと考察しています。


 テーマパークに来たついでに、奥深いテーマの本物のエンターテインメントを鑑賞できる環境という少なくとも日本では唯一無二の場所であっただけに、ショー関係が寂しいのは残念でなりません。

 

  ⑤パークフードのクオリティ低下

 これは正直私以外の人からのコメントのほうが痛々しいのですが、私の場合は低下という書き方をします。最近ディズニーを好きになった人や、ディズニーあまり行かない人から聞くのは、ディズニーのご飯はおいしくない、テーマパーク飯だから期待していないけどやっぱそこまでといったマイナスなコメントがほとんどです。中には夜ご飯はディズニーを出てマックやサイゼに行く人も多くいました。

 高校の年パ時代からパークのフードを楽しんでいた自分からするとショックですが、冷静に昨今のフード事情を見ていると仕方ないのかなと思います。

 以前と異なったと思う点は大きく三点あります。順に。

 

 一つ目はメニューの種類の減少です。現代表の吉田氏が2017年にパークフード部門のトップに立ってからパークフードメニューの刷新(もとい大改悪)が推し進められました。私は当時から彼のアンチをしています。何なら彼が代表になった際に一番ブーブー言っていた自身すらあり、その辺の湧いて出たオリエンタルランドアンチとは格が違います。

 そんな彼の愚行の中で一番象徴的だったのは、トムソーヤ島にあったキャンティーンの廃止ではないでしょうか。知らない人にこの話をするのはかわいそうですが、以前はトムソーヤ島でミルクシェイクが買えました。トムソーヤ島に行っていたほとんどの人が買っていたといっても過言ではないほどの看板商品でしたが、そもそもトムソーヤ島に行く人が少ないのもあってか売れ行きは良くないようで惜しまれつつも終了。その後は自販機に変えられる悲惨な終わり方となりました。また、プラザパビリオンでは独自メニューの煮込みハンバーグを汎用のものに変更、バフェテリア式レストランでのミルクのグラス提供終了。とまあランドでぱっと出るだけこれだけ(しかもこの点に関しては現在進行形でシーのほうが重症)あります。

 正直当時はチャイナボイジャー、ブルーバイユー、トゥモローランドプラザ等々露骨な外れがいじられる状況でしたが現在はそんな雰囲気もなくなってきました。(決してこの辺が良くなったわけでは無いのがミソ)

 また、彼が代表となった後もパークフード部門の愚行は止まらず、(なんで一概に彼が悪いとも、、、)ハンバーガーはランドとシーで同一メニューの提供(これでランドからはミッキーバーガー、シーからは魚介系バーガーが消滅)になり、ワッフルは単純化のためソースを一種類に。またワッフルバーガーやクレープ、トルティーヤといった独自の主食を用いたメニューも一気に削減され、どの店に行っても見覚えのあるものが出てくるようになりました。鉱石と掛けてナゲットを出していたラッキーナゲットや、ジャングルで売っていたカットフルーツなどのテーマ性あるメニューがあった時代が信じられないレベルです。その線でいくと外れ枠だったチャイナボイジャーはキャラを誇示しているので一周回ってかなりいい感じなんでしょうか。ちなみにこれも大昔から言っていますが、チャイナボイジャーのラーメンを食べるなら、絶対その辺のおいしいラーメン屋にいたほうが良いです。逆にチャイナボイジャーがパーク内でもあたりと思っている人はかなり損をしていると思うので他のところに行ってみましょう。

 

 二つ目は期間限定スペシャルメニューの異常な推しっぷりです。以前から各レストランでイベントに合った特別メニューが提供されていました。では何が変わったのかというと、期間限定メニューたちが通常メニューをリプレイスし始めたことです。例としてはセンターストリートコーヒーハウスのステーキはここ数年ずっとイベント仕様に。また、かつては立派なバフェテリアレストランだったプラザパビリオンも、それらしいメニューは消滅(しいて言うならコーンチャウダーが生き残っているくらい)し、イベントモノの軽食を提供する店に変化。かつてのメニューの設定はシーでいうホライズンベイレストランクラスだったのにどうしてこんなことに、、、

 また、各種デザート、特にアイス系もイベントモノに変えられてしまうケースが多く、わずかしかないプレーンモードの間にいかないと通常メニューを食べれない状況になってしまっています。混んでて待つわ、食べたいものもないわじゃ行く気にならないですよね。

 

 三点目はボリュームダウンです。世間的な問題なので、メニューの値上げに文句を言うつもりは1ミリもありません。しかしながら、夢と魔法の王国でも値上げと同時にしれっと一回り小さくしていたり、はたまた新メニューの内容量が明らかに少なかったりと気にするとあちこち小さくなっています。ランドで自分が気づいたのは照り焼きチキンレッグですね。行くたびに食べてますが、この間の値上げのタイミングで小さくなっています。実はその前にシーのニューヨークデリのルーベンホットサンドが小さくなっている気がしていて、気になっていたところですが、見慣れたもので実感すると悲しくなりましたね。また、ハングリーベアのカレーも値上げのついでに大盛りを廃止。福神漬けもなくなりましたよね。小さいものでもこういったクオリティの低下が重なってくるとトータルでは大きく体験価値の低下に寄与してしまいます。

(FSの3500円のセットですが、昔の1200円位のランチセットにしか見えません)

 少なくとも自分が学生の頃はディズニーのご飯が美味しくないという人はあまりいませんでしたが、今や形成大逆転。悲しいですね。

 また、自分のこの間の経験ですが、例の小さくなったチキンレッグを食べた翌日にKFCのチキン、バレル(チキンレッグ的な細い部位)を食べたのですが、これが310円で、チキンレッグは650円か、、、と思っていませんでした。長年にわたり両者を食べてきた自分でしたがこんなせこい比較をしてしまったのは人生初。そもそも比較の対象にすらならなかったのにまさか同じ土俵に乗せてしまうとは。まあ次に来ましょう。

 

 

  日本におけるキャラ、推し文化の影響の受けすぎ

 オリエンタルランドフルボッコタイムはいったんここまで。ここからは日本独自の文化の存在について。

 昭和のマンガや、アニメを発端に日本ではキャラクター文化が発達し、サンリオがキャラクターブランドを確立しました。また、同じ頃から2010年代にかけて秋元康氏がアイドルビジネスを成功させ、特定の誰かを"推す"文化が確立。音楽にしろテーマパークにしろ、内容や本質よりかはこの人がいるからという理由で物事に触れることが極めて一般的になりました。

 特にテーマパークという遊びメインで行く場所においては、映画のキャラクターなどがでていたほうが分かりやすい側面も多く顕著に現れるように。

 パークのアトラクションをみても混んでいるアトラクションの大半は絶叫系、映画絡み、設計の都合で流れが悪いのどれかに傾き、元来のウォルトが作り出した世界観をメインにしたアトラクション達は集客に困る状況になりました。

 となればガラガラのアトラクションの改善で手っ取り早い手段はとりあえずキャラクターを出しておく、ということになり2000年代に入ってからガラガラだったアトラクションには次々とテコ入れがされていきました。(まあこれに関してはパーク自体がガラガラで存続の危機状態だった西の方が酷いのですが)

 やり方としては、ガラガラの施設をキャラメインのアトラクションに置き換えるor新規で作る。リニューアルして既存の施設にディズニーキャラクターを追加する。この2種類です。

 前者はトゥモローランドにおいて顕著に行われ、前の章でも触れたようにトゥモローランドのコンセプトとは?となってしまうような状態にしてしまいました。また、キャラが出るという理由以外に新規施設という理由でも人が殺到するようになり、「人が多い=良いものと」思う人が大量に発生。ベイマックスで踊ってSNSに投稿するのを目的に来る人々や、シーの話になりますが画面に向かって紐を引き続けるだけの乗り物に2時間以上待つ憐れ人々が出る結果になってしまいました。

 この辺がウォルトディズニーらしい歴史観や教育的、ロマン溢れるコンセプトも入ったアトラクションを置き換えた結果、元々いたアトラクションたちが少数派となってしまい、初見のゲストからは「これつまらなそう。美女と野獣行こう!」という思考に向かわせてしまう理由になってしまいました。

 自分だって全く知らないところに行って、同じシチュエーションにあったらその選択をすると思います。そらそうですよね。

 

 また、既存のアトラクションにキャラを追加するパターンもたちが悪くなってしまいました。今回は3パターンを紹介します。

 

ケース1: カリブの海賊

 一番軽症なのはこのアトラクションです。大筋は同じなので。今回は日本の話なので海外で行われた改変については置いておきます。

 2007年に映画「カリブの海賊」の内容を逆輸入するような形でリニューアルが行われました。変更部としては下記の通り

 

①冒頭滝の前の骸骨のセリフ変更(海賊の親玉→デイヴィー・ジョーンズ)

②洞窟の出口にデイヴィー・ジョーンズのウォータースクリーン設置

③洞窟を出たあとの海賊船の船長がキャプテン・バルボッサに変更

④ジャック・スパロウが3回登場。伴って一部キャラのセリフが変更

 この辺です。正味セリフについては骸骨を除き英語なので大半の日本人はそもそも理解できず、バルボッサについてもこちらからの距離が遠くほんとに変えてるかもよくわかりません笑

 そんな状況なので殆どの人は、なんかタコがいる、というのとジャック・スパロウだ!というところにしか目がいかないと思います。そのためアトラクションの概要としては変わってないと言っても問題無いレベルですが、一番の問題はウォルトの「カリブの海賊」では完結できなくなってしまったこと。

 映画見てない人からすると骸骨の所でデイヴィー・ジョーンズって誰?、洞窟の出口でこのタコは何?となるでしょう。(実際私はそうでした)

 この中途半端な干渉が世界観への没入を阻んでしまい、ゲストの目をカリブの海賊からジャック・スパロウに向けてしまう状態にしてしまいました。主役は誰?なのかというところですね。

 カリブの海賊(ウォルト)自体の内容はそれ自体で完璧に作られており、十分なものでしたが余計なものを足してよくわからなくしてしまった。そんな例でした。これについては世界共通なんですがね。

 

ケース2 スターツアーズ:ザ・アドベンチャーズ・コンティニュー

 

 続いてはスターツアーズです。ん?もともと映画系では?と思うかもしれませんが、当初のスターツアーズはスターツアーズの世界観を踏襲しつつも宇宙旅行に行くという独自のストーリーを確立していました。

 ストーリーを振り返ると、新人パイロットレックスの危なっかしいガイドでエンドアに向かうも、通り過ぎて彗星の間をくぐり抜け、最後はデス・スターで撃ち合うというもの。世界観がしっかりしている他、キャラ設定もしっかりされているため、映画を見て無くても楽しめる内容でした。Qラインもドロイドたちがうごめく近未来の世界観を再現していました。


 一方のリニューアル後は完全に映画に沿った内容で、行き先がランダムに分かれるタイプとなりました。いきなりダース・ベイダーが出てくる会も、、、

 ストーリーはパイロットが降りてC3POが調整している状態で乗客を乗せ、パイロットが戻ることなくスターツアーズ1401便が出発。途中反乱軍のスパイを指定のエリアへ送り届けるという内容。登場人物も追い出されたパイロット以外は皆映画のキャラのため、見ていないと何だコイツ、唐突にでてきて。となります。

 先程ダース・ベイダーと書きましたが、聞く限りでは最近のに出てくるのはダース・ベイダーでは無く新しいキャラのようですがスター・ウォーズを全く見てない自分には違いがわかりません。おそらく乗客の大半がその状況でしょう。

 完全に映画を見ている体で話が進んでいるため、知らないと内容が掴めずあわあわしたまま終わってしまう。そんなアトラクションになってしまいました。前項で触れた出口のキャラ削除も寂しいですね。

 ディズニーらしい世界観と茶番を楽しめるものが、映画メインの内容になってしまい、個人的には寂しいなと思いここにリストアップしました。


ケース3 魅惑のチキルーム

スティッチプレゼンツ アロハ・エコモマイ


 さあ、満を持しての登場です。私のフェイバリットアトラクション、魅惑のチキルーム。残念ながら東京はここに挙げられる状態です。

 集客不振から2008年に2度目のリニューアルを迎えたチキルーム。しかしその姿はウォルト・ディズニーと当時のイマジニア達が精魂かけて創りだした魅惑の空間を台無しにした内容でした。

 問題は大きく分けて2つ。ソフト面とハード面。要するに全部ですね。この2点について書いていきます。


 まずはソフト面。多くの批判を招く一番のとなったのはテーマソング、Tiki Tiki Tiki Roomの削除です。シャーマン兄弟作曲でお馴染みのキャッチーなフレーズで、アメリカではみんなに親しまれてる名曲が削除されました。いわゆる寿司屋に行ってマグロがない状態ですね。

 2018年の35周年記念プロジェクションマッピング、Celebrate! Tokyo Disneylandで復活を果たしましたが、ファンダフルディズニーの冊子には、同ショーの担当イマジニアからのコメントとして「チキルームやカムアゲインなどパークで聞いた曲を、、、」という嫌味なのか本当に知らないのかどちらでも悲しくなる言葉がありました。因みにチキルームはオリジナル、ゲットザフィーバー、アンダーニューマネジメントと合わせて計4種類がありますが、同曲がないのはスティッチのみです。全く残念でならない。

 ソフト面2つ目の大問題は、鳥や花が歌うショーと言いつつまともに終える曲が少なすぎることです。ショーでの楽曲は5曲(スティッチ登場除く)ですが、きちんと終わるのはアロハ・エ・コモ・マイの2回のみ。他は途中で終了したり、スティッチが終始邪魔して演奏になってなかったりと散々です。ショーの流れ自体はフロリダの問題作、アンダーニューマネジメントのものを踏襲していますが、アンダーryでも途中で物切れになるは頭のチキチキチキルームのみです。(これは演出上仕方ないのでまあ)

 鳥や花を楽しむ場所から青くてちっちゃいワンちゃんのにいたずらされる可哀想な鳥たちを憐れむ場所となり、ゆっくりできる施設では無くなってしまいました。それで良いのかと思う方もいらっしゃると思いますが、元々チキルームはレストランとして構想されていた施設でした。そのため、癒したりゆったりできたりというのは逆に重要なステータスだったりします。

 せっかくのシアター施設でオーディオも素晴らしいものが付いているのに、ボートの汽笛なりペンキの音なり、クラクションなりで音楽が台無しになるという本末転倒(しかもそのSEもなかなかうるさい)状態です。鳥や花、チキの神様による魅惑のショーを返してほしいところ。

 ソフト面3点目はプレショーの削除です。待合スペースの池の中心の建物の中には2羽の鳥がおり、開演5分前からプレショーをしてくれてますがあえなく削除。鳥がいた所の扉にはLAのチキにいるタンガロア(チキの大ボス)の絵が飾られ何も言われなければ開くなんて思わない状態。これによりゲストは入場後最悪15分近く魅惑の庭園で待つだけになります。まあ、日本の庭園は屋根付き溶岩シートのアメリカ両パークのいいとこ取り+BGMも癒し系ハワイアンなので待つのが苦にならないのが不幸中の幸いですね。自分もなんだかんだでいつも15分しっかり寛いでます。

 ソフト面の3点で言えることは、本来のチキルームのあるべき内容からは完璧に逸脱していて、取り敢えず最後にスティッチ出しとけば良いだろうという内容となってしまった点ですね。初見の時はドキドキ感あって面白い面もありますが、1回行ったらもう行かなくていいやとなってしまっても何も言えない状況です。


 ソフト面の欠陥につきあわされる形で、ハード面にも大幅な改悪、というか使えるものを使ってない感がモロに出ていて、チキルームの魅力を消し去ってしまいました。

 先に言っておきますが、(先程庭園の所で触れた通り)日本のチキルームはアメリカの両パークのチキルームをいいとこ取りした設計となっています。庭園のほかに、アナハイムでは1965年当時技術的に無理でWDWにて採用となった窓の外の雨の演出、そしてWDWでは消されてしまった噴水の水道がまだ生きています。

 よって3パーク全てでオリジナルのチキルームをすると東京が一番良くなるポテンシャルを持っていますが、残念ながらこのショーでは殆どを使い余しています。

 まずは中央の水源です。スティッチを出す都合で、かなり上まで一直線に水が伸びる魔法の泉は廃止となり、代わりにゲストに水を掛ける用の小さな発射口が追加されました。まあ、1列目にいなければ掛かることは無いのですが、、、あの噴水はチキルームがレストランとして計画されていた頃の名残と言われていて、癒しの空間を創り出す1つの演出となっていましたが残念ながら削除に。寛ぎの空間からは一歩後退です。

 そして、花達が陽の目を浴びるシーンも少くなりました。上から吊り下がるタイプの花とトーテムポールの横の花が存在しますが、特に後者をきちんと見た人は何の位いるのでしょうか。初代ではハワイアンウォーチャントの男性パートをトーテム横の花が担当していたので目が移るはずですが、現行ではそんなシーンありません。また吊り下げるタイプの花も、スティッチのイタズラの引き立て役となってしまい、メインで歌うパートは極わずか(ウォーチャントのあーうぇーの所)です。これじゃ初見のゲストは歌う花を見ようとはならないですよね。

 また、花だけでなくチキの神様も。動くポイントはアロハ・エ・コモ・マイの後半のコーラスを除くと、冒頭の鳥紹介時のバックコーラス、2曲目アロハ・エ・コモ・マイのイントロ、スティッチ登場時(みんなスティッチを見る部分)。のみです。要するに目立つ所は2曲目のイントロの10秒位しかありません。チキルームなのに。

 過去2バージョン共に序盤は柱に擬態し、終盤に隠し玉として出て一曲(ゲトフィに至っては2曲)丸々チキ用に用意されてましたが、それと比べると扱いの酷さがよく分かりますよね。チキルームなんだからチキ達が歌うシーンをもっと見たいわけです。

 更にひどい扱いを受けているのは上部にいるドラマー達。初代ではチキのシーンに移る時にドラムソロで雰囲気を一変させる重大任務を担当、ゲトフィでもチキが暴れるシーンで照明を浴びて盛り上げ役を買っていました。が、果たして今バージョンで動くシーンを知る人は何人いるのでしょうか?

 答えを言うと、スティッチ登場時の真っ暗の所です。当然照明なんてほぼありませんし、そもそもゲストは皆スティッチを観ています。ショーを盛り上げ続けたドラマー達にこの仕打ちはいくらなんでも可哀想ではないでしょうか?普通に見てたらこんなん気づかないです。アメリカに行った際は元気に動く彼らを見て涙しました。(ガチです)


 魅惑のチキルームは天井全体を使うショーなので、真ん中やや後ろ寄りが本来はベストなのですが、上述の通りあるものを尽く使いこなせていないため、前でも鑑賞には問題が出にくくなりました。

 しかし、ゲットザフィーバーをみて育った私からするとつまらなすぎます。

 他バージョンは、ショー中あちこち見回すと何かしら動いていて楽しめる内容になっています。んで、今回これ見れなかった!次これ見ようになる訳ですね。ウォルトがパーク全体に求めてたことがチキルームだけでも起きていたのです。

 それが、殆どの人にとってはスティッチカワイイ!で終わるものとなってしまい、チキルーム好きとしては非常に残念です。

 もし仮に上記の指定した部分を全て解決できたら、スティッチが出たとてあんまり文句は言わないと思いますが、残念ながら現実は厳しいものとなってしまいました。

 とはいえ、ポテンシャルとしては世界一に戻れるものを持っています。いつか初代へのスローバックが起こることを祈り続けましょう。


 チキルームへのコメントだらけになってしまいましたが、話を元に戻します。今回触れたケースはごく一部で、キャラ重視の運営はどんどん進行を続けています。美女と野獣やモンスターズインクも映画の内容を体験する系ですしね。

 まあ、このへんはディズニーが作り出したキャラで、パークにいる権利は当然持っている存在なので1000歩譲って置いておきます。


手下、海賊

 正直触れるかどうか迷いましたが、ここも触れておきましょう。ここまで話をしなかったシーにおいて、2010年後半ハロウィンのヴィランズ、夏のジャック・スパロウのイベント中ヴィランズの手下や海賊がアトモスフィアを行うことがありました。当時から東京ディズニーリゾート版アイドルユニットのような異端な存在でした。とはいえ今のパークを見てると、彼らはイベントの味を出してくているメンバーだったなと思います。一部ゲストと運営、どちらもが足を踏み外すまでは。

 海賊、手下共に単独でピンマイクをつけてのパフォーマンスが大半。勿論1人だけではなく何人かで配役があってのパフォーマンスでしたが、これが日本のアイドル推し文化に刺さってしまいました。

 ショー本編や、キャラクター達を差し置いて手下や海賊を目当てに(そして一部は中の人を追跡するように)パークに来るようになり、ディズニーパークの主役とはなんぞや?という状況になってしまいました。本来パークはキャラクター抜きでも楽しめる場所というのは前の所で書いてましたが、もはやキャラクターでもなくオリエンタルランドが作り出したただの人間、、というかある意味では秋元康式アイドルユニット、、はぁという感じです。

 まあ正直ダンサーさんなどでも追っかけなどは存在してるのでここまではまだ良いですが、問題はこれに味を占めた運営側です。

 海賊や手下をはじめとしたパフォーマンスは2020年のコロナ禍をもって一旦終了。両パーク共に以降アトモスフィアがまともに行えない状況となり、彼らの役目も一旦終わることとなりました。が、しかし、事件は2022年に東京ディズニーランドにて発生しました。

 コロナ禍から抜け出す1つのアクションとして再開したハロウィンのパレード、スプーキーBoo!復活に皆が歓喜しましたが、始まるとフロートには見慣れない人間が、、、そう、どういう訳か手下たちが各フロートに乗ってる上よく分からないことをほざいていました。主役のミッキーや上司のヴィランズ達を差し置いて目立っていました。もはや主役は誰なのか?というレベル。
 流石にこれは学級会の対象に。が、文句を言う人たちはそもそもインしませんし、逆に推しの復活に賭ける人達は続々とパークへ通うようになり、オリエンタルランドの思惑通り儲かる結果になりました。日本におけるアイドルの効果恐るべしというところです。

 ディズニーの世界観メインでやってけているWDWを見てると、こんな事をしなくても良いのにと思ってしまいますが、やはり日本においてリピーターを作るには残念ながら「非日常を味わえる超ハイクオリティのエンターテイメントの集合体」より「推しアイドルしか勝たん!」が効くようですね。。。。。

 経営としては間違いではないですが、将来をみる限りどうなんでしょうか。


  今後はどうなってしまうのか

 ここまで長々ときてしまいましたが、この辺でまとめにしたいと思います。

 本記事で触れてきたことの大半は、日本に於いてのキャラクター、推し文化に負けてしまったディズニーパークと、偉大なリーダーであるウォルトを失った後のディズニー全般の無力さを描いたものになりました。

 クオリティを求める姿勢はリーマンショック頃を境に一気に減退し、以降は如何に低コストで利益を出すかというところに注力、コロナ禍というリーマンクラスの経済危機を経てその路線は更に拡大していきました。

 結果、クオリティにおいては20年前を未だに超えられない他、わざわざディズニーまで来なくても見れるようなものを見せられるようになってしまいました。

 生歌生演奏や数多くのダンサー達が場を盛り上げる優れたエンターテイメントはほぼ消失し、火や花火を多用したショーもなくなってしまいました。また、ディズニーが手を抜いている間に他社もプロジェクションマッピングの多用や昔のディズニーを真似た演出をするようになり、相対的にも東京ディズニーリゾートのアドバンテージは絶対的なものではなくなりました。

 また、今のショーを見たゲストから前と違ってショボいという口コミが出てしまうと、他のゲストのインパークへの意欲も減衰させてしまいます。

 現在はファンタジースプリングスをはじめ新しいものを使って入園者を稼いでいますが、このクオリティを続ける限りは明るい未来は無いでしょう。


 東京ディズニーランドを創り出したレジェンドの高橋氏は「金に糸目はつけず、本物を造る」「目先のコストを惜しめば、貧弱なものしかできない」といったことをモットーにディズニーランド建設を進めましたが、今まさに一番この発言を受け入れるべきなのはオリエンタルランドの経営陣なのではないでしょうか?

 高橋氏らの作り出した夢と魔法の王国に乗っかっているだけではいつか破綻のタイミングが来てしまうと思います。

 

 儲かっているうちに、基本の基から見直してクオリティ第一の、そして前のほうがよかったなんて言われないパークづくりをしていって欲しい。それが私の切な願いです。文字数制限がヤバいらしいのでこの辺で終わりにします。


ここまでありがとうございました。また気が向いたら書きます。

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