異世界転生したけどチートなかった   作:名枕(ナマクラ)

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第三十三話

 

「……ふむ。我々の行ないが正義であり、君の言うそれらがその正当なる犠牲だったとしても?」

「自分の目的も話せない奴の正義なんて信じられるわけないだろ! なにより『正当な犠牲』なんて言うお前の言葉は軽すぎる!」

 

 剣先を向けられたエルロンはそれでも余裕を崩す気配はない。この状況を窮地だと思っていないようだ。

 

「……仕方ない。勧誘は一旦諦めるとしよう。君達も力持つものであれば時間を空け、冷静になれば考えを改めるかもしれないしな」

 

 空ける時間があるとでも? 

 

「そうだな。確かに────君達がここから生きて帰れると決まったわけではなかったな」

 

 そのエルロンの言葉とともに────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ────急激な振動に襲われた。

 

「きゃああっ!?」

「な、なんだこの揺れ!?」

 

 部屋が、いや……この塔全体が揺れている!? 

 

「……っ! エルロンはッ!? どこにいった!?」

 

 

 

「────では私はこの辺りでお暇させてもらおう。生きていればまた会おう」

 

 

 

 俺達が揺れによって一瞬目を離した隙にエルロンは部屋の奥にあった扉の向こう側へと姿を消した。

 

 ……って嘘だろ、おい! あんな啖呵切っておいて逃げんのかよ!? 

 

「くそ、逃がすか!! ────貫け、雷光────!!」

 

 塔全体が揺れ続ける中でアルはクリスを支えながら雷光を放って扉を破壊した。

 

「追うぞ!!」

 

 アルが破壊する前から走り出していたミラに続くように俺達は扉の向こう側へと足を踏み出したのだが……

 

「なっ、外だと!?」

「風、つよ……っ!?」

「エルロンはどこだ……っ!?」

 

 そこは室内ではなく屋外であり、巻き付く樹木の隙間から塔の外が見える辺りおそらく飛空船などの発着場だと思われる。かなりの高高度であるはずだが不思議とそこまで寒くなく何らかの塔の機能が働いているのかもしれないが、そんなことより今重要なのはエルロンがどこにいったのかだ。

 同じ出入口からそう時間を置かずにここに来た以上、近くにいるはずだが……

 

「いたぞ! あの船だ!」

 

 ミラの指さした先を見れば、王国から奪われた物とはまた少し違う形の飛空船がエルロンらしき人物を乗せてこの塔から離れていこうとしていた。

 

「逃がさん……ッ!」

「────撃ち抜け、雷光────!!」

 

 アルの雷撃とミラの矢が飛空船へと放たれたが、それは飛空船を覆うように現れた光の障壁に防がれた。

 あの飛空船、バリア機能まであるのか……! あるいはそういう天恵持ちがいるのか……! 

 どちらにしても確かなのは俺達はまたしてもエルロンに逃げられたということだ。

 

「くそ、逃げ足の早い……!!」

「あ、あの、私たちここにいて大丈夫なんでしょうか……!?」

 

 いまだに揺れ続ける塔にクリスは歩くのでやっとな様子だ。まあ歩けるだけでも十分すごいし全力疾走できてるアルとミラがおかしいんだが。

 

「どうする、来た道を戻るか!?」

 

 いや……この塔が崩れてもおかしくない揺れだ。道が塞がっていたり装置が動かない可能性もある。

 

「ならどうする!?」

 

 下の部屋でここまでの順路を調べた時に、さっきのコントロールルームの近くに発着場があると書いてあったのを見た。多分ここがそうなんだろう。

 あのエルロンが乗っていっただろう飛空船がここにあったんなら他にも空飛ぶ乗り物があってもおかしくない。それを探しての脱出を提案する。

 

「なるほど! じゃあ操縦は任せたぜ!」

 

 ぬわーっ! じ、自動操縦機能とかついてませんかね……? 

 

「そんな心配よりまずその船とやらを探せ阿呆!!」

 

 それもそうだ。まずその乗り物自体がなければ取らぬ狸の皮算用でしかない。

 

 ということで周囲を見渡し、それらしき物体を見つけることに成功したので三人を先導して乗り込んだのだが……

 

「おい、これは本当に空を飛ぶのか……?」

 

 形状的に間違いない、と思う。

 この高高度に配置されていて、馬車と同程度の横幅と塔内で使うには取り回しが悪く、搭乗可能人数が無理して6人前後、その上で移動用の車輪がついておらず、機体の横に折りたたまれた翼のような機構があることから、小型の飛行機体である可能性が高い……はず。

 というかこの形状で他の用途の乗り物が思いつかないから消去法で考えても合ってるし……たぶん。

 何かのシミュレーターという可能性も無きにしも非ずだがそれよりかは飛行機体である可能性の方が高い…………きっと。

 

「どんどん自信なくしていくのやめてもらってもいいですか!?」

 

 いやまさか、タイムマシーンという可能性も……!? 

 

「それはないだろ」

「というかもう乗り込んでいる以上迷っている暇はない」

「それで動かせそうですか……?」

 

 ちょっと待てよ…………なるほどなるほ、ど……? これなら……うん…………何、とか…………うん。

 

「歯切れが悪すぎないですか……!?」

 

 大丈夫、大丈夫……シド工房で乗った魔導車に操作感は近そうだから……その時は事故ったけど。

 両翼の展開をして浮遊してから推力を入れたらいけるはずだ……操作方法書いてないけど。

 

「不安にしかならない要素追加しないでくれない?」

「ええい、グダグダしている場合か! もうなるようにしかならんのだからさっさと腹を括れ!」

「ミラさん、すごい男前……」

 

 ミラの思い切りの良さに思わずトゥンクしそうになるが、それどころではないのも確かなので起動させる。

 まあいろいろと言ったが、このフォルムを一目見た時不思議とコイツは飛べるって確信したんだ。

 名前を付けるならこれだっていうのもすっと浮かんできたくらいだ。

 

「いいからさっさと飛べ!」

 

 今やっている。折り畳まれていた翼部が展開され、エネルギーの充填も完了した。

 

 

 

 それでは────発進! スカイ・アルフォン・ギョクーザ!! 

 

 

 

「すか、あるふぉ……なんだって?」

「どうしてアルの名前を……?」

「せめて自らの名を使え」

 

 それらの意見を無視してスカイ・アルフォン・ギョクーザ(仮名)は大空へと飛び立った。

 

 

 ◆

 

 

 スカイ・アルフォン・ギョクーザ(仮)によって脱出を果たした俺達は、あの振動の原因がなんだったのかを確認すべく今俺達がいた塔、ひいては世界樹へと目を向けたが……

 

「なっ……!?」

「あれは、まさか……!?」

「【呪霧】……!?」

 

 そこにあったのは世界樹すら覆わんとする尋常ではないほどの量の【穢れの瘴気】であった。

 

 瘴気に纏わりつかれた世界樹は、汚染に抵抗してなのか、あるいは汚染された結果なのかはわからないが自身が巻き付く塔へと更なる力を加え、今上空へと逃れた俺達の元へも聞こえるほどの音を立てて締め上げていた。

 あの塔の揺れは世界樹の道連れにされそうになっていた塔の断末魔のようなものだったようだ。

 

「でもあの樹って龍の遺体なんだろ? 【穢れの瘴気】は死んだ後でも汚染できるもんなのか?」

 

 できるかできないかで言えば可能だろう。俺達がアンナを助けた遺跡で見た兵士のゾンビはおそらくだが生きた兵士じゃなくて死んだ兵士が汚染されたものだ。死体全てが同じ変質をするのかはわからんがその後生きたまま【瘴気】に呑まれたクチーダの変貌との違いを見るに間違いないと思う。

 

「おのれ……! 彼奴等、聖地を踏み荒らすに留まらず神樹様すらも穢そうというかッ!!」

「いや、というか……その理屈でいくと奴ら、世界樹を【瘴気】漬けにして手駒にするつもりなのか!? 」

 

 もしそうなったら天を衝くとも見間違う高さを誇る質量の世界樹の残骸が世界中を暴れまわる可能性も十分にあるわけだ。考えただけでぞっとする。

 

 

「────お師匠! この船を世界樹の傍へつけてください!」

 

 

 と、ここまであまり喋っていなかったクリスが急に声を荒げ始めた。一体どうしたというのか。

 

「どうしたクリス?」

「あの樹、今も生きています! 助けないと……!」

「生きてって……あの樹って龍の遺体なんだろ?」

「エルフの方々は龍神の聖骸と仰っていましたが、おそらく命を落としたわけではなく、その姿を変えただけなんです。きっとあの塔と【瘴気】を封じて浄化するのに特化した形に」

 

 ……確かに、本当に完全に死んでいるのなら今も青々と枝葉を付けているのも森に溢れた瘴気を浄化しているのもおかしな話なのだ。

 少なくとも樹木としては生命活動を行っているのは間違いない。

 

「今も【瘴気】の汚染に対して抵抗している……でもそれは自分ごと壊してしまうような行為で、このままだと本当に死んでしまう……そんな気がするんです……!」

 

 まるで世界樹の悲鳴でも聞こえているかのような様子だ。教会の聖女として治療活動や浄化活動にも従事してきた経験からだろうか。クリスの必死さがこちらにも十二分に伝わってきた。

 

「私の【天恵】ならその負担を少しでも減らせます……! だから……!!」

 

 …………いいだろう。どっちにしろエルロンの目論見をこのまま何もせず指を咥えて見えているだけというのも癪だった。

 操縦にも慣れてきたことだし、今からこの機体で瘴気に突っ込むぞ。

 アルとミラもそれでいいか? 

 

「もちろん!」

「当然だ!」

 

 よし、ならクリスは天恵の発動に集中してくれ。ただし世界樹に気を取られすぎて俺達が汚染されたなんてことにならないように。

 

「もちろんです!」

 

 アルは無理な運転になるだろうからクリスが揺られないように支えてやってくれ。

 

「わかったぜ!」

「え、あ、はい。お願いします」

 

 ミラは周囲の警戒を。機体の中からだから目視だけで厳しいとは思うが、俺だけだと気付けないこともある。何かあったら遠慮なく言ってくれ。

 

「任された」

 

 さぁーってと…………じゃあ行くぞ! 今から俺に変態的操縦技術が覚醒する事を信じて────! 

 

「今からって時に不穏なこと言わないでくんない!?」

 

 

 

 ◆

 

 

 

「────お師匠! もっとゆっくり飛べませんか!?」

 

 ────無理だ! 操縦技術的にも安全確保的にも! 

 

 クリスの要求に対して俺はそれだけ返して意識を再び操縦へと集中させる。

 それだけ今の俺には余裕がなかった。

 

 さきほどのクリスの『世界樹は痛みの中で抵抗している』という言葉が正しいのであれば、今世界樹は激痛で所構わずのた打ち回っている状態だ。枝葉(手足)をぶん回しても何らおかしなことではない。

 さらにたまに瘴気に抵抗した結果なのか木片が世界樹から弾け飛ぶのだが、木片と言いつつも当たればシャレにならない大きさなんでそちらにも注意を割かなければならない。

 

 つまり今俺達は瘴気の真っ只中を無造作に振り回される巨木のような太さの枝葉と無秩序に飛来してくる木片を躱しながら感覚で操縦している機体で空を飛んでいるわけだ。

 

 そんな状況でスピードなど落とせるはずもない。ついでにブレーキの掛け方がわからないのだが……それは言わなくてもいいだろう。

 

 もちろんクリスも無茶苦茶な運転に参ってこんなことを言っているわけではない。

 

 今もクリスは天恵で【瘴気】を浄化しているが、機体のスピードが速すぎて浄化し切る前にその場を移動してしまうのだ。

 

 とはいえクリスの行為は全くの無駄に終わっているわけでもなく、世界樹を覆っていた膨大な量の瘴気を消し去ることに成功した。これ以上世界樹が瘴気に侵されることはなくなったのは確かな功績だろう。

 

 しかしすでに少なくない瘴気に汚染されたせいか、俺達がいた塔の上部はそのほとんどが締め付けと木部の破裂によって崩壊してしまっていた。ただ世界樹が破裂した方向の関係か不思議と周囲への被害は少ないように思える。これも神様として崇められていたモノの矜持なのかもしれない。

 ……というか瘴気に抵抗するために塔を締め付けるのはともかく木片が破裂するのはどういうことなのか……

 

「神樹様は破壊することによって呪霧を祓う。おそらく森で侵されたモノを浄化する時と同様自身の侵された部位ごと破壊していったのだろう」

「それは……浄化って言うのか……?」

 

 確かに病巣を排除するのは間違ってないが、なんというか……世界樹は脳筋だった……? 

 

「あ、そういえばエルフに瘴気を緩和できる薬があるって言ってたけどそれって世界樹に使えたりしないのか?」

「いや、我らの秘薬は神樹様より賜った御神体の一部を磨り潰した粉末だ。神樹様に使用するのは難しいだろう」

 

 ……世界樹の浄化方法が破壊することで、エルフの浄化の薬が世界樹の一部ってことは、その薬ってさっきの世界樹みたく瘴気に反応して破裂するんじゃ……? 

 

「ああ。だから運が良ければ呪霧だけを破壊して生き延びれるし、運が悪ければそれ以外も破壊して死ぬ可能性がある」

 

 あ、運が良ければって『効く』か『効かない』かの二択じゃなかったのか……

 

「とりあえず下に降りないか? クリスもだいぶ無理してしんどそうだし休ませたい」

「わ、私は……まだ、大丈夫……です……」

 

 いや声の感じからして大丈夫じゃない。あれだけ超広範囲に広がっていた瘴気を浄化するために絶やすことなく天恵を使用し続けたのだ。少し休んでいろ。

 しかし塔の崩壊自体は治まりつつあるが、上部が崩れた影響は当然下部にも出ているようだ。完全に落ち着くまで上空で旋回しておいた方がよさそうだ。

 

 それにしてもこの塔全体を覆えるほどの瘴気は一体どこにあったのだろうか? この塔に隠されてたとして何のためにそれだけの量が保管されていたのか? というか保管だけで済む量とは思えないのだが、まさか……? 

 …………俺も疲れているようで碌でもない考えばかり浮かんでくる。考えるのは後にした方がよさそうだ。今は操縦に集中していよう。

 

 

「待て! 神樹様が何かおかしい!!」

 

 

 何かに気付いたようなミラの声に外へ目を向けると、まだ残っていた塔の下部に巻き付いている世界樹が大きく鳴動していたかと思えば、今までの炸裂とは比にならないほどの規模で爆発を起こし、締め付けていた塔とともに煙を上げて崩壊した。

 

 その煙の中から何かが上空へと飛び出してきた。

 

 それは、樹皮のような皮膚を持ち、巨木の幹のような胴体から無数に生えた枝木がそれぞれ絡み合い四肢や尾、翼を象られており、目の様な洞がある頭部には杭の様な牙がずらりと並んでいた。

 

 その姿はまさしく『樹木の龍』と言い表すにふさわしかっただろう。

 

 ……その体が腐敗したかのように毒々しい色をして溶けかけていたり、頭部に洞のように空いた眼窩に光が灯っていないことを除けば、だが。

 

 現状をみれば、『ドラゴンゾンビ』と言ったところだろうか……! 

 

「……ってアレこっちに来てないか!? このままじゃマズイぞ!! 迎え撃てるか!?」

 

 この機体に武器は……あるかわからん! あっても操作方法がわからん! なのでこの機体で迎え撃つのは無理だ! 

 

「ならこの蓋を開けろ! 生身で迎撃する!」

 

 いくらか高度が下がったとはいえこの高さでか!? 俺達じゃ空中戦は分が悪すぎるでしょ……! 

 

「じゃあどうしろっていうんだよ!? なんか策でもあるのか!?」

 

 …………ああ、あるぜ。たった一つだけ残った策がな……! 

 

「たった一つの策……!? それは……!?」

 

 それはな……逃げるんだよぉ~~!! 

 

「やっぱりか!!」

 

 こんなところにいられるか、俺は帰らせてもらう! と、言わんばかりに脱兎のごとく離脱すべく出力のレバーを全開にした! 

 

 ▽ しかし なにもおきなかった

 

 …………うん? 間違えたかな? もう一度レバーを全開にする。

 

 ▽ しかし なにもおきなかった

 

 ………………あれれ~、おかしいぞ~??? 

 

「ふざけてる場合か! 逃げるんならさっさとしろよ!」

 

 ふざけているわけではない。だがどうして出力が上がらない? 迫る危機と湧き出る疑問によって焦りが増長される中で俺は表示されている画面を確認する。表示されているのは記号ばかりでわからないことだらけだが、それでも可能性の高い要因に思い当たった。

 

 まさか……エネルギーが、切れた……? 

 

「は?」

 

 今すぐ墜落はしないが、加速するためのエネルギーがないからもう慣性でしか進めず、これ以上のスピードが出せない。

 

 だが何で切れた? さっきの飛行で使いすぎたか? それともそもそも少なかった? 

 

「それよりもう彼奴が来るぞ!!」

 

 しまった! そう思ったときにはすでにドラゴンゾンビはその牙の届く距離までこちらに詰めていた。

 

 まず……避、無理……! 受け止める? 否、死……! 

 

 

 

 

 

 

「──── イ ン フ ェ ル ノ ────」

 

 

 

 

 

 ────その時、ドラゴンゾンビの横っ面を襲い掛かるように()()()()()が激突し、そのまま炎に巻かれて落ちていった。

 

「い、今の炎は……どこから飛んできた……!?」

 

 炎が飛んできた先に目を向けてみれば、そこにいたのは一艇の飛空船であった。

 

「また空飛ぶ船!? エルロンとやらの一派か!?」

 

 いや、エルロンが乗っていった船や王国から奪われた船とはまた意匠が違う。なんと言うかデザインに先史文明っぽさではなくて現代っぽさを感じる。こいつは……

 

『────そこの空飛ぶ機体、大人しくしてろよ!』

 

 ────ッ! 拡声器から放たれたであろうこの声は……! 

 とか思っていたら飛空船が慣性飛行している俺達に並走するかのように移動したかと思えば、そのまま甲板に収まるように位置を調整してきた。向こうの操縦ものすごく巧いな。

 だがさすがにこのまま着地したらいろいろとマズイ気がするんだが……

 

「────大気よ渦巻け────蜷局巻き受け止めよ────ウォールテンペスト────!!」

 

 ……なんて思っていたら突如俺達の機体と甲板の間に吹き込んできた風がクッションのような役目を果たし、互いに傷一つなさそうなくらいに静かな着地に成功していた。

 

「一体、何が起きているのだ……?」

「これって、やっぱり……」

 

 ああ。先程の黒い炎といい、今のこの変態的な魔術といい、こんな頭おかしいことができる奴なんて俺は一人しか知らない。

 さらに言えば、先史文明の産物であるはずなのに現代っぽい意匠をした飛空船がここに存在する原因なんて一人しか思い浮かばない。

 

「────全く……相変わらず無茶してるわね」

「────成程。これはちょうどよかったみたいだ」

 

 スカイ・アルフォン・ギョクーザ()から俺達を迎えたのはやはりというべきか、王国や魔導都市で忙しくしているはずの赤髪の天災魔術師アンナと大鎧を纏った天災技師シドニアであった。

 

 

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