「獅童は無事に立件された。俺の証言と冴さん経由で提出した認知訶学に関する資料が証拠として認められてね。代わりに、俺が人の心を簡単に操れてしまうこともそれなりの信憑性を帯びて伝わったわけだけど」
穴の空いたアクリル板越しに、明智君はそう言って口の端を歪めた。皮肉気な物言いだけど、彼の表情を見ればどこか晴れやかな顔をしているのも確かだ。
「君がここから出るのは、相当先のことになるのかな」
「明智吾郎という人間は、二度と日の目を見ることは無い」
問いに返ってきた答えは、僕の予想を遥かに越える重たいものだった。
「考えてみれば当然だろ? 人の心を、本人にそうとは知られず簡単に変えてしまえる。場合によっては命だって。そんなことが出来る人間が、のうのうと社会に出ていくことなんて無理だって」
「……例えば僕や冴さんが」
「ストップだ、徹」
僕の言葉を遮るように明智君が右手を上げた。
「俺は君に負けたんだ。正しい手段で正しい結果を得ようとした君に。そんな君が、自分で勝ち取った結果を歪めようなんてしてくれるな。俺の助手が、最高の友人がそんな格好悪いことをする人間だなんて思わせてくれるなよ」
「……そう、そうだね」
「正しいことが常に優しい結果に繋がるわけじゃない。君が求めた正しさが、誰かを追い詰めることだってある。それでも、君の信念は曲がらない。俺はそんな君を尊敬してるんだ。そんな君に負けたから、俺はここに居られる。俺のクソッタレな人生で得られた唯一無二の敗北だ」
アクリル越しに見つめ合う僕と明智君。捕まっているのは彼の方なのに、どうしてか僕の方が彼に慰め、諭されているように感じてしまう。いや、事実として今、僕は明智君に諭されているのだけど。
「なら、名探偵に一度でも勝ったことを誇りに思うことにするよ」
「それで良い。……さて、貴重な面会時間なんだ。君の近況なんかを知らせて欲しいけどね。卒業式も終わって春休みだろう?」
その言葉と共に、明智君の表情が穏やかなものに変わる。そこからは他愛の無い雑談だった。3月という残された僅かな期間を高校生として過ごす男子二人の、未来への展望とほんの少しのバカげた会話。
「君のことだ。バレンタインにはさぞやモテたんだろうね」
「ありがたいことにね。バイト先の店長や大宅さんにも貰ったよ」
蓮達から貰ったということは少し口に出すことが憚られたので濁すことにした。バレンタインの翌日、大宅さんや店長からもチョコを貰ったことは確かなのだし、嘘をついてはいない。
「へえ、新島姉妹や芳澤、蓮だけじゃなかったか」
「……彼女達にも貰ったことを君に話したかな?」
「いいや、聞いてないさ。でも気付かない訳無いだろ? 君のことも、アイツらのことも、両方見てきたんだから」
けれど目の前の名探偵にはお見通しだったらしく、明智君はクスクスと笑いながら僕の方へと身を乗り出してくる。
「それで、君は誰を選んだのかな。君のことだ、ちゃんとホワイトデーには決着を付けたんだろう?」
「…………今まで見てきた中で一番生き生きとしてるね、名探偵」
「人のこういう話が嫌いな人間なんていないさ。それとも、君が選んだ相手まで推理してあげようか?」
「そういうことすると友達を失くすよ、ホームズ」
「君以外にこういうことはしないさ、ワトソン君」
それは光栄だと返すべきなのか、僕だったら許すだろうなんて甘えられているのか、判断に迷ったことを言い訳にして僕は少しの間沈黙を貫いた。流石にこういうことを友達に言うのは少し気恥ずかしい気持ちもあるのだ。
「────」
「……へぇ、なるほどね」
僕の答えを聞いた明智君は、楽しいおもちゃを見つけたと言わんばかりの笑みを顔いっぱいに広げていた。
「いやらしい笑い方してるよ」
「元からこんな笑い方だから気にするなよ。彼女を選んだんだね。ま、半ば予想通りだけど。君がそうやって少し恥ずかしそうにしているのは新鮮だから十分楽しめたよ」
「楽しみ方がゲスなおっさんみたいだ」
僕はため息を吐いて少し大袈裟に肩を落としてみせる。そしてその後、僕と明智君どちらからともなく笑い声を上げた。
面会時間はあっという間に過ぎてしまった。僕も明智君も、最初以外はずっと他愛のない会話に興じてしまい、時間が過ぎるのを忘れてしまっていた。
「それじゃあね、また来るよ」
「甲斐甲斐しいね。俺よりも彼女に構ってあげても良いと思うけどね」
「こうやって軽口を叩ける友人が顔を見せないと君が拗ねるかもしれないだろう?」
鞄を肩に掛けながらそう言えば、明智君はアクリル板越しに可笑しそうに口を開けて笑う。それに釣られて僕の口からも笑い声が漏れた。
「ま、そんなに意識しなくともすぐに会うことになるさ」
「え?」
「言ったろ? 明智吾郎という人間は二度と日の目を見ることは無い」
「……それは」
明智君の言わんとすることを薄らと察した僕が何かを言おうとする前に、明智君が人差し指を立てて自身の唇に添える。
「俺のような人間は、意外にいるみたいだよヒル・バートン君?」
「……それなら、君はアルタモントだね」
明智君との面会を終えた僕は、スマホに入っていたメッセージに従って渋谷はセントラル街を目指していた。思ったよりも早く指定された場所に着きそうだったため、その道中でバイト先のファミレスへと顔を出してみれば、顔を合わせて早々に店長に泣きつかれてしまった。
「春からシフト入れないってどういうことだい!?」
「いや、色々とバタバタしそうなのでシフト減らそうかと」
「せっかく高校卒業して閉店までバイト出来るようになるのに!」
そう言って僕の腰に縋りついておいおいとすすり泣く店長。どうしたんだろう、大学を卒業して辞めていった戦力がまだ補充出来ていないんだろうか。
「バレンタインだってあげたのにぃ……」
「食べかけの板チョコをバレンタインと言い張ります……? しかもバレンタインの翌日でしたし」
貰っておいてあまり言うべきじゃないのかもしれないけれど、出勤したときに偶々手元にあったからという理由で食べていた板チョコを半分に割って差し出されたら大抵の人は怒ると思う。
「その後ちゃんとしたのもあげたじゃんか!」
「板チョコでしたけどね」
「あはー。しっかりお返し貰ったから流石に申し訳ないと思ってたり……」
ちゃんとしたもの、といっても店長が普段からおやつとして食べる用にストックしていたものだ。いや、貰ったのは確かだからちゃんとお返しはしたのだけど。それに、店長にはそれとは別にきちんとお返しをしておきたい理由もあった。
「あの時に止めてもらってありがとうございました。あれが無ければ、僕は丸喜先生の前に立つことは出来なかったと思います」
「……君も律儀だねぇ」
あの時、という言葉だけで店長の表情は先ほどまでの苦笑いから、普段目にすることの無い心の底の読めない笑みに変わった。
「イグとも知り合いだったんですか?」
「それを聞いて、私に何かして欲しいことでもあるのかい?」
「いいえ、ただ知り合いだったのなら感謝を伝えておいて欲しいなと」
「感謝?」
僕の言葉が予想外だったのか、眼鏡の奥の店長の目が丸くなった。
「ええ、どのような意図があれど、イグも店長も僕を気遣ってくれていたことは確かですから。校長のときも、僕があれを目にしないようにしてくれていたのかも、なんて」
「──私の親友はともかく、私はただ人手が足りなくて君に頼ってただけだよん。ま、感謝というのなら有り難く受け取っておくけど」
「そうですか、ありがとうございます」
「どういたしまして、愛し子ちゃん。ということで春からのシフトもよろしくね?」
「それはちょっと……」
「私を見捨てるのかい!?」
先ほどまでの神妙な気配を一瞬で霧散させた店長が再び僕の腰に縋りつき、それを他のバイトがいつものことだとスルーしていく。多分だけど、この光景は僕がここでのバイトを続ける限りは繰り返されるんだろうと何となく思ってしまった。
その後、店長からのヘルプ要請を振り切った僕は、結局待ち合わせ場所に時間ギリギリに辿り着くことになってしまった。メッセージをくれた人物は、既に到着していたようで、僕を見ると右手を上げて手招きをしてくれる。
「すまないね、急に呼び出したりなんかして」
「いえ、僕の方こそ遅れてすみません」
僕を呼びだしたメッセージの主は、申し訳なさそうに右手で後頭部を掻いていたが、気を取り直すように咳払いを一つ挟むと、懐から一枚の名刺を取り出して僕に差し出した。
「これは?」
「僕のクリニックの住所だよ。君が言ったんだよ? 僕からまだまだ教わりたいことがあるって。だから君には僕がこれまで培ってきたカウンセラーとしての技術と理論をしっかり身に付けてもらおうと思ってね。嘆くべきか喜ぶべきか、今の僕はしがない一カウンセラーでしかないからね、いや、今までもずっとそうだったかな」
そう言って丸喜先生は笑う。僕も同じように笑みを浮かべて、丸喜先生の差し出す名刺を受け取った。あれから、丸喜先生は最初からやり直すと言って一人のカウンセラーに戻った。これまで使っていた認知改変の力を失くし、それでも今まで積み重ねてきたカウンセラーとしての技術は多くの人を助けられるものだと信じて。
「認知訶学は人に寄り添って救える術だと、僕のやり方を否定した君となら、新しい可能性を見られると信じているよ。それが僕なりの、この世界に対する新しい反逆の仕方だ。君の言い方を借りれば、正しい手段になるのかな」
「勉強させてもらいます。僕としても認知訶学については知りたいことがたくさんありますから」
「ああ、期待しているよ。……留美を本当に救う術を見つけたいからね」
付け足すように呟かれた丸喜先生の言葉に、浮かべていた笑みが引っ込んだ。丸喜先生が怪盗団に敗北し、認知改変の力を失った結果は、今まで彼が行ってきた認知改変が元に戻るという形で現れた。それは、芳澤さんだけでなく、初めて丸喜先生がその力を自覚した瞬間も例外では無かったらしい。
「留美は今も古いトラウマに苦しんでる。苦しむようになってしまった。だから今度こそ、僕は彼女を救いたい。彼女の認知を捻じ曲げるんじゃなく、君が言ったように寄り添って」
「……はい、僕にも出来る限りのお手伝いをさせてください」
「うん、頼んだよ、海藤君」
そう言って差し出された丸喜先生の右手を僕も握り返す。ともすれば顔を顰めてしまいそうなくらいに強く握り締められた右手は、丸喜先生がこれから向き合うことになる困難を、そして向き合うことを決めた覚悟の強さを示していた。それに応えるように、僕も強く握り返せば、丸喜先生は満足そうな顔で頷く。
「さて、これ以上引き留めるのも良くないかな。今日は彼女の見送りだろう?」
丸喜先生はそう言うと、駅前の広場を示す。そこには、一台のバンが停まっており、見慣れた面々が集まっているのが目に映る。
「丸喜先生は良いんですか?」
「僕はさっき話してきたよ。だから君だけで行っておいで。また連絡するから」
そう促され、僕は駅前へと歩を進める。その途中で皆も僕が歩いて来るのに気付いたのか、僕に向かって手を振ってくれるので自然と歩くペースも速くなり、彼女達のもとへと向かう。
「センパイ! おせーっすよ!」
「もう出発しようかと思っていたところだ」
「ごめんね、坂本くん、喜多川くん。ちょっと用事があってね」
「後で昼飯を奢ってくれたらそれで良い」
「なんでオイナリがタカってんだ! ちょっとは遠慮しろ!」
しれっとお昼をご馳走になろうとした喜多川君を、双葉さんが窘める。それをクスクスと微笑ましそうに見ている奥村さんと高巻さんにも、申し訳ないと頭を下げる。
「僕の為に出発が遅れたならごめん」
「大丈夫ですって!」
「うん、まだモナちゃんも戻って来てないし」
二人は気にしないでと言ってくれたので、僕は今日の主役へと視線を向ける。その相手は、眼鏡の奥から僕をじっと見上げていた。
「お待たせ、蓮」
「ん、待ってた」
僕が声を掛ければ、その言葉と共に蓮が小さく笑みを浮かべる。素朴な笑顔を見せる彼女が、実は世間を騒がせた心の怪盗団のリーダーであり、人知れず世界を左右するような戦いに身を投じていただなんて誰が信じられるだろう。
「地元に戻るんだね」
「うん。皆のお陰で、私の冤罪も証明されて保護観察処分も終わり」
怪盗団の面々は、丸喜先生との決着がついてからこっち、蓮の風評回復の為にずっと奔走していた。蓮の地元での聞き込みに始まり、獅童議員に連れ込まれそうになっていた被害女性まで見つけてきたのだから彼らの行動力には驚かされる。
「徹の調べてくれた情報があって助かった」
「僕、というよりはお酒好きなジャーナリストさんの力だけどね」
「でもきっかけは徹。だからありがとう」
そこまで言われて固辞するのもどうかと思ったので、僕は曖昧に笑って彼女のお礼を受け取った。獅童議員にまつわる過去のトラブル関係を大宅さんを通じて洗い直してもらっただけなので、僕としてはあまり蓮の風評回復に貢献できているつもりは無いのだけど。
「ところで、徹も一緒に来てくれないの?」
僕がそんな考えを巡らせていると、蓮が僕の右手を取って言う。僕を見上げる表情が少し寂しそうに見えるのは、僕の自惚れではないと思う。とはいえ、バンの定員もあることだし、僕の見送りはここまでだ。
「蓮を送り届けるのは、怪盗団の皆に任せるよ。頼んだよ、真」
僕はそう言うと運転席に座ってこちらを見ていた真へと視線を移す。
「ええ、任せておいて」
「免許取ったばかりだと思うけど、大丈夫?」
「あんまり大きな声じゃ言えないけど、運転には慣れっこになっちゃったから大丈夫よ」
僕の心配をよそに、真はそう言って笑う。どこかで運転をする機会でもあったのだろうか。
「センパーイ!」
僕が蓮と真の二人と少し雑談をしていると、遠くからそんな声と共にこちらに駆けてくる足音。足音の方向を見れば、トレードマークとなった黒い大きなリボンを揺らしながらこっちに手を振って走って来る芳澤さんがいた。
「すみれ……!」
「ギリギリになっちゃってすみません!」
蓮の言葉にそう返しながら、芳澤さんは額に浮かぶ汗を拭った。その様子を見るに、かなり急いで来たんだろう。
「先輩には絶対にお礼を言わなくちゃと思って。本当にありがとうございました!」
「うん、すみれにも沢山助けてもらった。……手強いライバルでもあったけど」
「あはは……、それはお互い様といいますか……」
芳澤さんと蓮はそう言葉を交わしながら、何故か僕の方へと視線をチラチラと送る。何故か、と言いつつも思い当たることがある僕としては、何も言えずに苦笑するしかなかったのだけど。
「今日は練習だと言っていたから来れないと思っていた」
「私もちょっと間に合わないかもと思ったんですけど、ありがたいことに送ってもらえたので何とか間に合いました」
「送って?」
「ちょうど信号待ちで焦っているところを見掛けたから、もしかしたらと思ったのよ」
一体誰が、という疑問は直後に聞こえた声で氷解した。
「お姉ちゃん!?」
「私もお世話になったから、見送らせてちょうだい」
そう言って現れた冴さんは、柔らかな笑みを蓮へと向けた。
「あなたにも助けてもらった」
「過去の記録を探したことかしら? これくらい大したこと無いわ。あなた達に助けられたことを思えばね。それにこれからはあなたのように困っている人に寄り添うのが私の仕事よ」
蓮の言葉にそう返した冴さんは懐から名刺を取り出す。そこに書かれているのは、新島弁護士事務所の文字。
「色々と手間取ったけれど、ようやく事務所を開くことが出来たわ。これからは一人の弁護士として、困っている誰かを助けていくつもりよ。あなたも何か困ったことがあればいつでも頼ってちょうだい。そんな機会は中々無いかもしれないけれど」
冴さんはそう言って蓮に名刺を渡す。そしてもう一枚取り出したかと思うと、今度は僕に向かってそれを差し出した。
「僕もですか?」
「あなたにも助けられたもの。後は勧誘かしら」
「勧誘?」
「ええ、事務所を開いたばかりで人手が、特に信頼できる助手が欲しかったところなのよ。今度は堂々と雇うことが出来るわね、相棒として」
「お、お姉ちゃん……?」
これまた随分と高く買われたものだと思っていると、真の震えたような声がする。名刺に落としていた視線を上げれば、真が随分と引き攣った表情で冴さんの方をじっと見ていた。そして何かを言おうと真が口を開いた直後、間の抜けたような猫の鳴き声が足下から聞こえた。鳴き声の主は、いつも蓮と一緒にいた黒猫、モルガナだ。何故かドライバーに尻尾を巻きつけてユラユラと揺らしながら、僕をじいっと見上げていた。
「や、モルガナ」
「……ナァ~」
挨拶をすれば、しばらく僕と視線を合わせた後に一声鳴いてバンへと乗り込んでいく。何を言っていたのかは僕には分からないけれど、嫌われているような感じはしなかった。
「準備が出来たみたい、もう行かなきゃ」
モルガナの言葉を理解している蓮は、彼から何かの合図を受け取ったのだろう。名残惜しそうな顔でそう言うと、バンに乗り込んでいく。真もまだ何か言いたそうにしていたが、結局は諦めて車のエンジンを掛け始めた。
「徹、今度は私の地元にも来て欲しい。案内する」
窓から顔を出した蓮が僕に向かって手を振りながらそう言うので、僕も手を振り返しながら頷いた。
「遊びに行くよ、美味しいコーヒーが飲めるお店があると嬉しいな」
「ん、探しておく」
その言葉と共にバンは走り出し、僕と芳澤さん、冴さんを残して進んで行く。少し離れたところでは、黒塗りの車に乗ったスーツ姿の男たちが、焦ったように車から降りて何かを確認しているのが目に入った。
「公安の監視をああやって振り切るだなんて、相変わらず滅茶苦茶ね」
それを見ていた冴さんが呆れたように笑う。
「でも先輩達らしいと思います。どんな困難だって理不尽だって、絶対に諦めないで解決していく。それが先輩達ですから」
芳澤さんも釣られたように笑って続けた。
「そうだね、彼女達なら理不尽な現実にだって、きっと負けないと思うよ」
春に出会ったときの、前途が絶たれて不安で一杯だった蓮。きっとこれからも蓮だけじゃなく皆がそういった不安に苛まれるときが来るのだと思う。けれど、彼女達なら大丈夫だと僕は思えた。大衆の無責任な願いに潰されず、優しい理想の夢に溺れなかった彼女達なら、どんなことだって乗り越えていけるのだと。
自分達の意思で選んだ未来を掴みとった彼女達なら。
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「もしもし。はい、すみません、今日は丸喜先生の講義を受けていたので電話が取れなくて。この後事務所の方に向かう予定でしたけど。……はい、はい。ああ、夏休みですもんね、それで今全国を回っていると? 認知訶学に関係しそうでまた蓮達が動く必要があるんですね。え、手伝いですか? 場所は……札幌? それに認知訶学というと、……分かりました彼と二人で向かいます。嬉しいか? ……否定はしませんよ。お土産、買って帰りますね」
今話にて本編は完結となります。第一話の掲載から2年以上に渡る長期連載になりましたが、最後までお付き合い頂きありがとうございました。
ホワイトデーはどうなったんや!という方もいらっしゃるかと思いますが、ホワイトデーや彼らのその後のチラ見せ等については、この後の番外編集として更新していく予定としています(個別ルート的な感じで)。
次話はあとがきという名の脳内設定置き場となります。番外編ネタ候補なんかのアンケートもあったりします。