203.第6章「平成の東映」
第9節 東映のイベント事業 ③「映像事業部」から「事業推進部」へ
⑱「映像事業部」組織改編と全国催事
1990年6月、「関東支社長兼北海道支社長兼俳優センター営業部長」で取締役の草薙修平が「映像事業部長」を兼務します。
草薙は、精力的に活動し「映像事業部」の売り上げを拡大して行きました。
〇 国立カイロ博物館所蔵「ナイルが伝える悠久の遺産 黄金のエジプト王朝展」
7月から、石川芳彰が企画製作した国立カイロ博物館所蔵「ナイルが伝える悠久の遺産 黄金のエジプト王朝展」が東京池袋「セゾン美術館」にて開催されます。
この催事は全国9会場で開催され、およそ95万人を動員しました。
1990年10月、「本社映像事業部」の各部門を整理統合、新組織に組み替えました。
〇 「秋田ふるさと村」
「本社映像事業部」は、これまで進めてきた地域開発事業の集大成として秋田県横手市で大型プロジェクト「秋田ふるさと村」の展示運営基本計画調査と映像ソフト企画を受託します。
1994年4月、この計画に沿って作られたテーマパーク「秋田ふるさと村~かまくらんど~」がオープンし、館内映像制作や各種イベントを受注しました。
〇 「大まんが博覧会」
1991年7月31日から「本社映像事業部」が「東映ビデオ」と共同で企画製作した「大まんが博覧会」が「池袋サンシャインシティ」にて始まります。
8月30日に終了後、「関西支社映像事業部」の営業で9月から11月まで大阪の「エキスポランド」にて開催されました。
1994年6月1日、「本社映像事業部」は組織を一部改正し、各室の下にそれぞれ課を設置しました。
1994年6月29日、「映像事業部長」の草薙修平は常務取締役に昇進します。
常務となった草薙は、強烈なリーダーシップを発揮し、これまで独自の動きをしていた「支社映像事業部」を「本社映像事業部」の指揮の下に置きました。
1994年から「エジプト展」を始めとする国際文化催事が数多く開催されました。
〇 「国立カイロ博物館所蔵 古代エジプト文明と女王展」
まずは、1月から「江戸東京博物館」にて「国立カイロ博物館所蔵 古代エジプト文明と女王展」が始まります。
この展示会は全国7会場で開催され、およそ84万人の動員がありました。
〇 「フランス国立博物館展 ナポレオンとジョゼフィーヌ」
翌1995年6月からは「フランス国立博物館展 ナポレオンとジョゼフィーヌ」が「石川県立美術館」にてスタートします。
ヨーロッパの博物館から初めて展示品を借りて製作したこの催事は、全国3会場で開催されおよそ15万人の動員でした。
1995年6月、草薙は、これまで国際文化催事やツアーイベントを企画してきた石川芳彰を「映像事業部長」兼「イベント推進室長」兼「俳優センター部長」とし、全国「支社映像事業部」に「本社映像事業部」が企画した催事の会場選定や前売り券動員に協力させます。
〇 「パリ市立博物館展 ヴェルサイユの栄光と終焉 王妃マリー・アントワネット」
1996年5月、北海道札幌市の「五番館西武」にて「パリ市立博物館展 ヴェルサイユの栄光と終焉 王妃マリー・アントワネット」が行われます。
この催事は、福岡市博物館など全国5会場で開催され、およそ33万人が訪れました。
1996年6月、国際文化催事で実績を上げた石川芳彰と博覧会や遊園地、百貨店催事で堅実に事業を拡大する「関西支社長兼関西映像事業部長」の足立精宏が役員待遇に昇格します。
この年7月からは2つの国際文化催事が始まりました。
〇 「スウェーデン王室コレクション スウェーデン国立博物館所蔵 バイキング海の王国の秘宝展」
7月18日、「石川県立美術館」にて「スウェーデン王室コレクション スウェーデン国立博物館所蔵 バイキング海の王国の秘宝展」がスタートします。
この催事は全国10会場で開催され、およそ35万人を集めました。
〇 「コロンビア金博物館所蔵 黄金伝説 エル・ドラードの秘宝展」
もう一つの催事「コロンビア金博物館所蔵 黄金伝説 エル・ドラードの秘宝展」は、7月20日から東京「上野の森美術館」で始まります。
この催事は、全国9会場で開催されおよそ25万人の観客を集めました。
〇 スイス サン・クロワ博物館所蔵「世界のオートマタ展」
1997年2月、東京渋谷の「Bunkamura ザ・ミュージアム」にてスイス サン・クロワ博物館所蔵「世界のオートマタ展」が開催されます。
この催事は、全国8会場およそ12万人を動員しました。
〇 「オーストリア建国1000年記念展 ハプスブルク・帝国の栄光と遺宝」
3月には、「横浜そごう美術館」にて「オーストリア建国1000年記念展 ハプスブルク・帝国の栄光と遺宝」が開催されます。
この催事は全国4会場で開催され、およそ36万人を集客しました。
⑲「映像本部 映像事業部門」から「事業推進部門」として独立
1997年4月1日、東映は組織機構を全面改正。「映像事業部門」は「事業推進部門」と名称を変更し、「映像本部」から独立した単独部門となります。
「俳優センター」も「事業推進部」に組み込まれました。
また、各「支社映像事業部」も「事業推進室」に代わり、「関西事業推進室長」は「関西映像事業部長」だった足立精宏支社長が兼務します。
1997年7月発行の社内報『とうえい』では、「事業推進部」の国際文化催事が特集されました。
草薙常務は、「コロンビア金博物館所蔵 黄金伝説 エル・ドラードの秘宝展」の功績でコロンビアの大統領エルネスト・サンペールより国家勲章を授与されます。
1998年3月発行の社内報『とうえい』で、再び国際文化催事をはじめ「事業推進部」の今後開催予定の催事が特集されました。
1998年6月には「事業推進部長」の石川芳彰と「関西支社長」の足立精宏が取締役に就任します。
また、これまで「事業推進部門担当」だった常務取締役草薙修平は、「ビデオ営業部門」も兼務し「事業推進部門統括兼ビデオ営業部門統括」となります。
〇 「パリ市立博物館展 悲劇の王妃マリー・アントワネット」
7月、「石川県立美術館」で再び「パリ市立博物館展 悲劇の王妃マリー・アントワネット」が始まりました。
全国5会場で開催されたこの催事は、およそ19万人を集めます。
〇 「ウクライナ国立歴史宝物博物館所蔵 黄金のシルクロード展 東西文明の交差を訪ねて」
1998年11月からは「岡崎市立美術館」にて「ウクライナ国立歴史宝物博物館所蔵 黄金のシルクロード展 東西文明の交差を訪ねて」が開催されました。
この催事は全国4会場でおよそ10万人を集客します。
〇 3D映像「レオマワールド 地球遺産3Dの旅 メッセージフロムガラパゴス」制作
「関西支社事業推進室」は、1991年4月のオープン以来、香川県綾歌郡綾歌町(現・丸亀市綾歌町)のテーマパーク「レオマワールド」で「インドの大道芸」他、様々なイベントやアトラクション映像制作を実施してきました。
そのひとつとして3D映像「レオマワールド 地球遺産3Dの旅 メッセージフロムガラパゴス」を制作します。
1998年7月15日、東京プリンスホテルにて高円宮妃やエクアドル駐日大使を招き完成披露試写会を挙行しました。
試写会で好評を博した後、7月18日から「レオマワールド」にて一般公開します。
この映像は、文部省選定作品に選ばれ多数の入園者にご覧いただきました。
〇 「ペルー移民100周年記念 悠久の大インカ展」
1997年、東映「本社事業推進部」は、来たるべき1999年の「ペルー日本人移民100周年」にむけて「ペルー文化庁」とアンデス山中から冷凍状態で発見された少女のミイラ「ファニータ」他インカ帝国の各種遺物の初海外展示契約を調印します。
そして、1999年4月、新宿の「東京三越美術館」で「ペルー移民100周年記念 悠久の大インカ展」が始まりました。
少女のミイラ「ファニータ」は、冷凍状態のまま透明ケース内で展示され、多くのマスコミから注目されます。
この展示会には、紀宮殿下や当時の小渕内閣総理大臣もご訪問されました。
全国11会場で開催された今回の展示は、各会場とも話題を集めおよそ70万人の動員を集めます。
〇 「ロシア国立東洋美術館所蔵 首藤コレクション 幻の日本画名品展」
1999年6月からは、「横浜 そごう美術館」にて「ロシア国立東洋美術館所蔵 首藤コレクション 幻の日本画名品展」がスタートしました。
この展示会は全国10会場で開催され、およそ23万人を集めます。
〇 草薙常務、事業推進部初映画『ナイル』(和泉聖治監督・渡瀬恒彦主演)製作公開
1999年2月、草薙常務は、「東京プリンスホテル」にて「事業推進部」初映画『ナイル』(和泉聖治監督・渡瀬恒彦主演)の製作を発表しました。
この映画は11月13日から東映洋画系で公開する予定で、2001年夏から1年間全国の主要都市で巡回開催する予定の「古代エジプト文明展~歴史に君臨した偉大なる王たち~」とともに「エジプトキャンペーン」の一翼を担うプロジェクトとして企画された映画です。
草薙常務自ら陣頭指揮を執り、エジプトロケも行いました。
「東映俳優センター」所属の渡瀬恒彦を主演に、相手役にはエジプトの女優ラニア・S・ユーセフを抜擢。子役として故三浦春馬も出演しています。
9月20日、完成披露試写会が「丸の内シャンゼリゼ」で開催。舞台で草薙常務は主演の渡瀬に感謝の花束を贈呈しました。
11月13日に初日を迎え、「丸の内シャンゼリゼ」にて同作の原作者で出演もされている吉村作治早稲田大学教授が舞台挨拶を行います。
『ナイル』は、11月24日から12月7日までエジプトで開催された「第23回カイロ国際映画祭」に招待作品として上映され、映画祭4日目の記者会見で草薙常務とラニア・S・ユーセフが記者からの質問に答えました。
また、エジプト観光省のアジス長官から草薙常務に感謝状と記念トロフィーが贈られます。
ただ、当初2001年夏から予定されていた「古代エジプト文明展~歴史に君臨した偉大なる王たち~」は、開催されることなく企画が消えました。
「ビデオ営業部門」も統括する草薙常務は、「事業推進部門」を率いて映像製作に進出して行きます。
〇 草薙常務、事業推進部第2弾映画『週刊バビロン』(山城新伍監督・三宅裕司主演)製作公開
草薙常務は、『ナイル』に引き続き第2弾映画『週刊バビロン』を企画。1999年7月12日、「東京プリンスホテル」にて製作発表しました。
この映画は俳優山城新伍が初監督したコメディ作品で、「劇団スーパー・エキセントリック・シアター(SET)」主宰の三宅裕司が主演します。
11月10日に「丸の内東映」にて完成披露試写会が行われ、舞台上で草薙常務から山城新伍監督に花束が贈呈されました。
2000年1月22日、東映洋画系にて公開されます。
2000年6月29日、草薙常務は専務取締役に昇進。「関西支社長」の足立精宏が取締役を退任し参与となり、「関西支社長」には支社長代理だった宮林和好が昇進し役員待遇に昇格しました。
同時に7月1日付で各「支社」を「映画営業部門」に移管。「事業推進地区統括部」を新設し各「支社事業推進室」をその傘下に置きます。
取締役の石川が「事業推進地区統括部長」を委嘱され、これまで「九州支社長」だった橋本芳久が「事業推進地区統括部部長兼九州営業室長」となり、「九州支社長」には「本社映画宣伝部長」だった首藤昇悟が就任しました。
「事業推進部次長兼イベント推進室長」だった堀田耕二が「事業推進部地区統括部次長兼関西営業室長兼中部営業室長」を兼務します。
また、「北海道支社長」の多田憲之は、本社映画宣伝部長兼宣伝業務室長兼宣伝業室長」を兼務したことで東京本社に異動し「事業推進地区統括部北海道営業室長」には牛迫俊機が就任します。
ここから「事業推進部門」内での各地への人事異動が活発化し、全国での事業情報の共有が進みました。
国際文化催事は仕込みの期間に入り、2002年まで開催は見送られます。


コメント