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大切な人を「災害関連死」から守る9つのポイント

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「災害関連死」は30年前の阪神・淡路大震災以降、幾度となく繰り返されてきました。もし被災してしまったとき、私たちひとりひとりにもできることがあります。その1つが、周りの人たちの様子を見守り、体調を崩す前に現れるわずかな異変を見過ごさないことです。ポイントは9つ。大切な人の命を守るために活用してください。
(クローズアップ現代 取材班)

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異変に気づくための9つのポイント

災害のショックを抱えたまま、慣れない厳しい環境に身を置く中で、限界まで我慢や無理を強いられる人、強いストレスを受ける人、周りから取り残されてしまう人たちがいます。NPOやボランティア団体などで作る全国組織「震災がつなぐ全国ネットワーク」は、こうした人たちを、災害関連死の危険が高い「ハイリスク予備軍」として、一刻も早い支援が必要だと訴えています。
「ハイリスク予備軍」には、わずかな異変が現れるといいます。この団体は、それらを“見える化”し、災害関連死の防止につなげようと、2016年にポスターを作成しました。避難所を例に、周囲の人の目線で、9つのポイントを挙げています。

震災がつなぐ全国ネットワーク「災害関連死防止ポスター」より

▽「トイレに行けてないみたい…」
▽「食べものがそのまま残ってる…」
▽「あの人、ずっと同じ服を着ている」
▽「今日も1人でぼうっとして動かない」
▽「炊き出しや物資配布に気づいていないのかな?」
▽「あの子、こんなに乱暴だった?甘えん坊だった?」
▽「なんだか物資を取りにくそうにしている」
▽「あのお母さん、どこで授乳しているんだろう?」
▽「いつ休んでいるんだろう?」

▶「トイレに行けてないみたい…」
例えばトイレを我慢している人――避難所のトイレが汚れていたり、和式しかなかったりすることで用を足すことができず、便秘や脱水症状、高血圧などの健康被害につながってしまいます。

▶「食べものがそのまま残ってる…」
▶「炊き出しや物資配布に気づいていないのかな?」
食べ物を残していたり、炊き出しに気づいていなかったりしたら、衰弱するおそれがあります。飲み込む力も弱まり、食べ物を喉に詰まらせて命を落とす危険があります。

▶「あの人、ずっと同じ服を着ている」
▶「今日も1人でぼうっとして動かない」
▶「なんだか物資を取りにくそうにしている」

買い物に行ったり、近所の人と話したりといった日常生活が失われることで、動くことがほとんどなくなる人もいます。そのことで認知症が進行したり、筋力が低下して歩くこともままならなくなったりして衰弱する可能性があります。

物資を取りにくそうにしている人や同じ服装のままの人がいたら、必要な支援が届いていない可能性があります。そのままの状態が続くと、やがてストレスがたまり体調を崩すことにもつながります。

▶「いつ休んでいるんだろう?」
物資の仕分けや配布など、被災者の支援で休まず動いている人がいたら、疲労が蓄積している可能性があります。その人自身も被災していたら、過労や心労で体調の悪化を招くおそれがあります。

「震災がつなぐ全国ネットワーク」の浦野愛さんは、災害関連死を防ぐためには、周囲の人たちの気づきが欠かせないと訴えています。

もし異変に気づいたら…

震災がつなぐ全国ネットワーク 浦野愛さん
震災がつなぐ全国ネットワーク 浦野愛さん

「一見、元気そうに見えても災害関連死のリスクが高まっている人たちが『ハイリスク予備軍』です。こういった人たちに気づくために、どういう目で身近な人の状態を見ておけばいいか知ることで、一般の人も異変に気づくことができると思ってポスターを作成しました。災害時には皆さんが大変な中で、なかなかしんどさを口に出すのは、はばかられると思います。しかし、誰かが少しの異変に気づいてくれれば本当にしんどいと思っている人が助けを求めやすくなります。その最初の発見が災害関連死の防止にとって重要な役割になるのです」。

もし、あなたが異変に気づいたら、避難所では運営責任者やボランティアなどに知らせてください。命の危険があると感じた場合には、専門的な知識を持つ人を頼ることが重要です。体調が悪そうであれば、医師や看護師。福祉の支援が必要だと感じれば、「地域包括支援センター」や「社会福祉協議会」などが相談に応じてくれます。

能登半島地震の災害関連死でも

9つのポイントは、能登半島地震にも当てはまります。
能登半島地震で災害関連死に認定された276人のうち、NHKは、公表された資料に加え、遺族や関係者への取材で把握できた216人について、亡くなるまでのいきさつを詳しく分析しました。

その結果、災害関連死の認定理由に「食事量の低下」が挙げられていたのは32人にのぼりました。食事の量が減るとともに、日々の活動量が少なくなるなど体力が低下し、肺炎や心筋梗塞などで亡くなった人もいました。
トイレに行くのが難しいことで水分摂取を控えるなどした結果亡くなったケースもあり、災害関連死の認定に「トイレの環境」が関わっているとされたのは8人でした。
また、体調を崩す前の様子について、いつもより口数が少なくなったとか、歩くことが少なくなったと証言した遺族もいました。
さらに、地域の区長として、仕事のかたわら被災した人たちの支援も行う中、心身に負荷がかかったとして災害関連死に認定されたケースもありました。

分析でわかった注意すべきポイント

今回の分析で、ほかにも注意が必要なポイントが見えてきました。
災害関連死で亡くなった人を年齢別に見ると、70代以上の高齢者は90%を超えました。高齢者は、若い世代に比べて環境の変化の影響を受けやすく、いったん体調を崩すと、一気にリスクが高まることを示しています。
過去にかかった病気やけが、持病が災害で悪化した人も多いことがわかりました。少なくとも133人が高血圧や認知症、糖尿病といった持病を抱えていて、60%以上にのぼりました。

金沢医科大学 大黒正志教授
高齢者の医療が専門 金沢医科大学・大黒正志教授

「避難所などでの生活でほぼ 横になって1日を過ごしたり、人との会話もなかったりする状態が続くことでサルコペニア(全般的な筋力の低下)が起きて、一気に体力が失われる状態になる可能性があります。特に高齢者の場合、1度寝たきりになると、その後ほぼ歩くことが難しくなってしまいます。また、アルファ化米など、ふだん食べないものは口に合わず食が細くなってしまうおそれがあるほか、カップラーメンなど塩分の多いものをとることによって、栄養面でも問題が生じてきてしまい、より体力が落ちてしまうリスクがあります」

また、亡くなった時期を分析したところ、地震発生10日後までが43人と全体の20%でした。一方、地震から3か月以上が過ぎた去年4月から6月にかけて亡くなった人は31人にのぼりました。中には、地震直後の生活環境が尾を引いた人もいました。
能登半島地震から1年がたちましたが、災害関連死のリスクは無くなったわけではありません。過去の災害では1年後に認定されたケースもあります。声をあげることができない本人に代わって、周りの私たちが気づくことができるか、正念場は続きます。

【関連番組】NHKプラスで1/14(火) 夜7:57 まで見逃し配信👇

みんなのコメント(15件)

提言
チピチピさん
19歳以下 男性
2025年1月14日
事実を述べるのはいいかもしれませんが、今後どのように改善していくか、改善方法なども記事に書いていてほしかったです。
感想
住宅問題
2025年1月11日
現地での取材でとても気になったのは、仮設住宅に二年しか住めないので、安心して中高年や、子育て世代が住めなくて、地元が大好きで戻りたくても、地区の被害が甚大すぎて、住むところが安定して決まらないので戻りたくても戻れない。衣食住の住環境改善の費用負担、インフラの整備の遅れと心労は大きすぎる。県内の都市部や他県に移住してしまった人が増えた現実が辛い。自治体からの住宅の被害査定の人材不足も国が指導して増やすべき。困りごとをできるだけ解決するのが政治。市民に寄り添わない議員は不要。
感想
女性やマイノリティ
その他
2025年1月11日
自治会や自治体の災害対策の場になると、様々な事を決めるのが男性が殆ど。女性の被災者や子供、様々な身障者、外国人等のマイノリティの事は置き去りにされている。ある若い女性地方議員さんの動画では、生理用のナプキンの種類が一種類しか備蓄が無く、夜用を追加したそうだ。着替えや授乳、入浴、トイレや睡眠時の安全確保を望む。災害時の盗難や性被害もいろいろ聞くし、周りにDVやキレる人等が多いので心配。都市部や地方も強盗事件が増えているので、避難場所にもレンタルで防犯カメラが取り付けられると良い。女性や子供用の携帯防犯グッズの開発をしてほしい。
提言
50代 男性
2025年1月10日
災害関連死の前に予備軍となる人達を認知する為に重要なのはある程度の知識を学んだ多くの人達の目なんですよね
今回の能登半島地震では震災当初のボランティア『来ないで宣言』の影響でボランティアが被災地に入らなかった事でその目が減った印象がありますね
コレからは仮設住宅での孤独死や自死の問題がありますが元々少ないボランティアで
今の被災地で活動されているの団体の殆どが重機系やガテン系のボランティアなので仮設住宅支援でなく
地元で立ち上がった団体も復興支援系なので仮設住宅での目となる人達が少ない事を危惧しますね
提言
モモンガ
50代 男性
2025年1月9日
被災者の厳しい環境が伝わってくる内容でした。
放送の中で阪神大震災以降いくつもの震災を経験してしてきたにも関わらす、避難所での課題が改善していないことに触れられていました。
NHKさんは震災ごとに取材班を編成して、被災地で起きている課題を取材し、分析して来ているのですが、なぜか分析結果を報道したり、行政は課題に取り組んでほしいという感想のようなところで番組を閉じてしまっている。
折角、膨大な事実やデータ、専門家からの見解をいただいておきながら、課題解決への提言にまとめられていないように感じます。
受信料を納めている方々が被災し、今後、被災するかもしれないのだから、もっと国会や国へ政策提言するような仕組みを整えてほしいと思います。
提言
あいちゃん
50代 女性
2025年1月9日
毎回災害が起きる毎に災害が起こっている地域の役場のせいにするが、何処に避難者がいるのか、避難者が何を個人個人で求めているのかをリアルタイムで掴む事自体が難しい。また、個人情報開示の壁もある。各自治体で災害が起こった時の個人への対応と情報共有をどうするのか住民と共に共有しておく必要がある。被災しても個人情報を知られたく無い人は、個人の責任とするなど。何か身に起こった後に誰かのせいにするのは、行動の遅れにつながる。地震国なのだから、被災後の行動シミュレーションは個人の責任で行い、市町村での共有をする
提言
クロちゃん2015
60代 男性
2025年1月7日
災害関連死が発生するのは悲しいことです。少しでもそれを減らすための9のポイントを広める必要があると感じました。また、ポスターのチラシ版なども良いかと思います。
避難所開設・運営訓練は、実施している自治体は少ないかと思います。避難所に必要な物はある程度そろっていますが、運営をするノウハウは共有されてないように思います。
フロチャート図の公開もお願いします。
体験談
60代 女性
2025年1月7日
防災は他人事ではありません。各町内で、防災ツアーで、福岡、防府、熊本と行きました。もっと、身近で、勉強します。ありがとう。
提言
地元くん
60代 男性
2025年1月7日
検証 市 県 逃げ回ってます
責任の擦り合い 今も道路は
波に取られて有りません 
通行止め 何かあればの対応は全く無しが 現状です
提言
こうちゃん
70歳以上 男性
2025年1月7日
都内下町生まれで町会の防災部長をしていた者ですが区の災害対策課のメンバーが二年毎に変わって申し送りが殆どされてなかった。

担当 #クロ現 取材ノートの
これも読んでほしい!

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