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リハビリ科で行われた施術は、マッサージ、ストレッチング、電気刺激、赤外線、テーピングといった、これまで整骨院などで受けてきたものとなんら変わらないものだった。
目新しい事と言えば、水とお湯に交互に腕を浸ける交代浴くらいのものだった。
毎日、施術の仕上げに、スティックでベッドの角を叩いて、症状の出方を観察したが、状態はまるで変化無しだった。
薬の方もまるで効いてる様子は無い。
正直、薬は飲むと眠くなって、生活に支障があるので、あまり飲みたくは無かったが、わずかでも望みがあるかもという気持ちで、飲み続けた。
☆
リハビリ科に通い始めた頃には、発病から5か月が経過しており、季節は夏の真っ盛り。
学生は夏休みに入り、浮かれたムードが漂っていたが、私はとてもそういう気分にはなれなかった。
毎日毎日、病院に通っては、ひたすらリハビリを受けた。
夜はバイト。
この時期、毎日の睡眠時間を削ってリハビリを受けに行ってたので、慢性的に心身が疲れた状態で、リハビリを受けることが病気にとってはむしろ悪かったんじゃ無いかとさえ思われる。
このリハビリは、おそらくこの病気に対して的を得たものでは無かったと思われるから、まさに本末転倒だ。
☆
しかし1つだけ、私にとってリハビリの期間を通して得るものがあった。
それは、私の病気が精神的な要因に拠るものかどうか・・・という疑問に答えを得た事だった。
私は、リハビリ科の担当医の安藤先生に、この疑問について相談していた。
リハビリに通い始めてから1ヶ月が過ぎた頃、先生は答えを返してくれた。
☆
もし、精神的なものである場合は、日によって、また気分によって、症状の出方が極端に変わるという。
ところが私の症状は、多少の強弱はあるものの、スティックを握って振れば筋肉が痙縮して手が固まるという点では、安定しているのだ。
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