第7話 MRI

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鍼灸院での出来事は、私にはとてもショックで、しばらく立ち直れなかった。 どこに行けばいいか当てを見失ったこともあるが、何より医者が信じられないという気持が強くなってしまい、次の病院を探す気力が沸かなかった。 これまでかかった医者は、皆が皆、言う事がバラバラで、正直誰の言うことを信じて良いのか分からなくなっていた。 自分で調べると言っても、何をどう調べていいのか、見当も付かない。 焦りと不安だけが積もって行き、どうして良いか分からないまま、日々を悶々として過ごした。 ☆ 5月の連休を利用して、遠方に就職していた幼馴染が帰省して来たのは、ちょうどそんなタイミングだった。 彼は、私の話を聞いて、あきれた様子で言った。 「お前が行った医者って、個人病院ばかりやろ。なんで大きな総合病院に行かんの?」 「ちゃんと設備の整ったところできちんと検査してもらったら、何か分かるかも知れんやろ。」 うーん、まぁ確かに言われてみればそうなんだけど・・・   当時の私は、大きな病院に不信感を抱いていたので、そういう発想自体を初めから除外していた。 ☆ 私は、中2の時に怪我をして近場の総合病院に行ったことがある。 その怪我がちょっと特殊で、外科医が3人も居たのに、あーでもないこーでもないと話合うばかりで、何の処置も出来ずに時間だけを無為に過ごしただけだった。 そのうち、急患が入り、3人ともそっちに向かったので、私はやむなく他の病院を探すことにした。 父親の車で移動中、マジ痛くて、気を失いそうだった。 結局、私の怪我を処置してくれたのは、個人でやってる小さな診療所の先生だった。 ☆ そんな事があって以来、私は大きな病院に不信感を持ち続けた。 設備ばかりが大げさな、実力の無い医者の集まり・・・そんな印象が私の大病院像として定着していた。(本当に申し訳無いが;) ☆ しかし、幼馴染が一生懸命説得してくれたので、私は行って見ようかなと思った。 ・・・そう、機材を使わなければ分からないこともある。機材さえ使えば分かることもあるはず・・・ そう思うと、希望が見えてきた気がした。

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