ちょっと追記しておきたい。
自分はAI生成イラスト自体を否定する立場ではない。そうではなく、この新居浜市消防本部とポスター業者のやり方のような、拙速な社会実装を批判してるつもり。
高校の美術部の生徒は「こういうボランティアの話があるんだけど」と部活顧問の教員にもちかけられたらまず断れない。そこには当然ながら権力勾配があるから。部活顧問は批判されるべきだろう。
また、一般的に言って、未成年である高校生が、自分の絵が生成AIのガイドイメージにされることの是非をジャッジできる成熟はない(著作者人格権の行使についてや生成AIイラストの是非については大人でさえ喧々諤々言い争っているのだ)。保護者の承諾はあったのだろうか。
従来この手の児童生徒制作自治体PRポスター、マナー啓発ポスターの類の枠組みには、PR主体と制作者に「ある種の対等な関係性」があったと考える。つまり、PR主体にとっては「未成年層への啓発効果」であり、また「子供目線からの大人に対しての啓発効果」などもありえよう。制作側である児童生徒にとっては「図工・美術および社会学習」の一環であり、さらに採用者においては自分の絵が採用される名誉や喜びという大きな実利があった。それがあるから良い競い合いが生まれていただろう。
しかし今回のこのケースではこの「対等な関係性」を崩すものであるというのが自分の認識だ。生徒が消防署に取材をして作画した最新式の消防車がi2iによって旧型の消防車の描写に生成されてしまったという話もみかけた。なんともお粗末だし、生徒にとってアンフェアだという思いが拭いきれない。