Jリーガーからバス会社に「飛び込んだ」數馬正浩さん 運転手経て国家資格に挑戦中
Jリーグの横浜F・マリノスで活躍したサッカー選手はバスの運転手になった。今は運行管理者の国家資格を目指している。「まず飛び込んでみる。そうしたら何かが見えてくる」。仕事のない時期も経験した元Jリーガーは、乗客を安全に送り届ける仕事にやりがいを感じている。(聞き手 小川記代子) 運行管理は、運転手の健康状態や酒気帯びの有無の確認などを行う点呼業務、労務管理、バス遅延時の運行調整など、バスや営業所の運営がスムーズにいくようにする仕事です。運行管理の責任者である運行管理者は国家資格で合格率が3割強。ただ今、挑戦中です。 《平成25年に京王バス南(現京王バス=東京都府中市)に入社。令和4年まで9年間は運転手を務めていた》 入社し、大型2種の免許を取らせてもらいました。運転手はお客さまの命を預かっている。その責任を背負い、目的地までしっかり送り届けることばかりを考えていました。お客さまから「(運転が)良かったよ」なんてほめていただくこともあり、励みになりました。 《子供のころはサッカー一筋。中学生で横浜F・マリノスのアカデミーに入り、高校卒業の平成13年、トップチームに昇格した》 第2節でスタメン出場しました。ちやほやされて、好きなことを仕事にできて、調子に乗っていた。試合に起用されなければ「何で自分を使わないんだよ」と不満を抱く。使ってもらうために何の努力もしていないのに…。今は「必要とされる人間になりたい」と考えて働いています。サッカー時代もそう考えられれば、もう少し長く選手でいられたかもしれません。 《ベガルタ仙台にレンタル、そのまま完全移籍。17年、契約満了で地域リーグの新潟のチームに移る》 Jリーガーだったのは4年間です。新潟のチームでは収入が激減しました。当時、すでに妻と子供が2人いたので、焼き肉店や日雇いのアルバイトをしていました。JFLへの昇格を目指してかなわず、20年にサッカーをやめました。 《妻の郷里、静岡で引っ越し作業やスーパー、上京し、宅配便…。3人目の子供も生まれた》