米アマゾン、3800億円の支払いで和解 「プライム」で消費者欺いたと米当局が提訴
ニューヨーク(CNN) 米ネット通販大手アマゾンが消費者を欺いて有料会員サービス「プライム」に加入させ、簡単には解約させなかったとして米連邦取引委員会(FTC)に訴えられた裁判で、FTCは25日、アマゾンが25億ドル(約3800億円)を支払う内容の和解を発表した。
FTCの発表によると、和解合意に基づきアマゾンは10億ドルの民事制裁金を支払い、15億ドルは「不正なやり方でプライムに加入させられて損害を被った」推定3500万人の消費者への返金に充てる。
FTC規則違反の制裁金としては、史上最高額になるとしている。
提訴はバイデン前政権下の2023年。審理が始まってからわずか数日間で和解に至った。
FTCのアンドルー・ファーガソン委員長は「アマゾンが巧妙なサブスクリプションのわなで消費者を操ってプライムに加入させ、このサブスクリプションの解約を極めて困難にしていたことを裏付ける証拠がある」とコメントしている。
アマゾンは「プライム会員の登録と解約の両方が明確かつ簡単にできるよう、多大な努力を払っている」との声明を発表。不正があったことは同社も経営陣も認めないまま、FTCの指示に従って変更を行うと表明した。
具体的には、「送料無料は不要」ボタンの非表示や、プライム加入手続きの過程で条件について「はっきりと目立つよう明示」すること、簡単に解約できるようにすることなどが含まれる。
米国でのプライムの料金は月額14.99ドル、年間139ドル。当初は迅速配送のオプションとして始まり、その後コンテンツ配信や食品配達、会員限定サービスなどを提供する一括サービスになった。