遅くなりました、申し訳ない
そして今回もFAの紹介です
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さようならリナさん
oota様より頂きました!
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天儀DROシー
なんだこいつ(射撃しながら、チィ、ヨケヤガル!
oota様より頂きました!
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リナせんぱああああああい!
蝦蟇様より頂きました!
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真機楼様よりジグ先輩です!
凛々しいですね!
これで三人娘揃って嬉しいです!
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朽木様より私服の清楚なドロシーちゃんのFAをいただけました!
ありがとうございます!
これは清楚・・・・・・・せいそ!!
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朽木様よりいただきました!
・・・・こんなやつに喧嘩売るんですか?
除外されたやつが戻る効果の指定がわかりにくかったので付け加えました
メインデッキを手ずからシャッフルする。
そうするとカードの引きがこなれて、無作為化が進み、偏らない手札になる。
そんな理論的な話。
丁寧にシャッフルをするとデッキに気持ちが伝わって引き運がよくなる。
そんなオカルトの話。
これをどちらもしたのはドロシーだったか。
「ふふっ」
昔のぼくはそんなオカルトを信じなかった。
いや、今(いま)でもあまり信じてはいない。
あの”入院と悪夢”があるまではLifeはただのカードゲームだと思っていた。
力のあるカードが存在するなんて思ってもみなかった。
シャッフルが終えて、メインデッキをボードに差し込む。
続けてライフデッキをセットしながら、思考を切り替える。
相手のデッキはゴブリンプラントとブレイバーの混合、<名義貸し>による変則種族両立デッキだ。
ゴブリンでありながらブレイバーであり、ブレイバーでありながらゴブリンである。
いわば二重襲名というべき品物。
おかげでどちらのサポートも受けれる強力なシナジーを得ているが、その状態を維持しているのは茂札くんの言う通り<名義貸し>だ。
これを破壊した場合そのシナジーは断絶する。
あるいは<名義貸し>は場にある片方の種族を参考に共有するのだから、ゴブリンとブレイバーどちらかを除去。名義貸しで宣言されていないほうの消し去ってもいい。まあこれはどちらも展開力に優れて軽量級のクリーチャーだ、難しいというべきだろう。
ゴブリンプラントデッキならば間違いなく<忌み王>はいれているだろう、そうすれば統一種族としてまとまってしまうが、シナジーを切り替えての戦い方は出来る。
そういう意味での踏ん張りも注意する必要があるか。
「よし」
言語化に寄る
想定は事前にしておくに限るが、本番までずっと考えているのは思考のリソースを圧迫するから一度忘れておく。
それより大事なのは相手の、ファイターの打ち筋だ。
どんなデッキを使うか。どんなシャッフルを使うか。土地を残すか土地を使い切るか。クリーチャーと呪文、どちらを優先して出すタイプか。
手つき一つ、視線の動き、喋り方、そこからの好むルーチン、打ち筋を
そうすればどのような相手にでも戦える。
それがぼくの持論である。
「その眼鏡、視力弱いんですか?」
色々と
それにぼくは顔の前で手を振る。
「ん? ああ、裸眼でも日常生活ぐらいは送れるけど、細かい文字とか遠いものを見る時にだけ付けるんだ」
「へえ」
「これでも文学少女でね。本を読みすぎて目が悪くなっちゃったんだよ」
「明かりはちゃんとつけてくださいよ」
「夜ふかしが多かったのさ――と」
あちらもオートシャッフルが終わったようだ。
そろそろ始めようと、横のリナに目を向ける……が、なんか変な顔をしていた。
「どうしたリナ?」
「いや……なんでもないで」
そういっていつも以上に細い目で茂札くんを見てるリナ。
なんだろうか?
「まあ、うん、とりあえず……
「わかってる。彼が手強いってことはね」
油断はしない。
だからこうやって眼鏡をかけて、気合をいれた。
――【リプレイはもう三度終えた】
最低限のインプットは終わった。
あとは実際の盤面を見ながら修整していく。
「お互い、準備はええな?」
「はい」
「いいよ」
「では双方ここより、レディ……ファイトや!!」
フィールドに電気が通る、リナの掛け声と同時にぼくたちは手札を五枚引き抜いた。
――点火。
着火した篝火を思わせる光が、茂札くんのボードに灯った。
先行はあちらからか。
「僕のターン。レディ、アップキープ、メインドローをスキップ。ライフドロー、二枚……土地をセット。ターンエンド」
?
1コスのゴブリンを引けなかったのか。
「ではぼくのターンだ。レディ、アップキープ、メイン・ライフをドロー。土地をセット」
うん、まあまだ動けないな。
「ターンエンドだ」
「では僕のターン。レディ、アップキープ、メイン・ライフをドローして土地をセット」
スムーズな手つきだ。
リナの時でも思っていたけれど、ファイトしなれている。
「2コストで秘宝<幻想少女の
「え?」
おとぎばなし?
「通りませんか?」
「大丈夫、通るよ」
手札を確認するが、無理に対処する状態じゃない。
そもそもまだ土地が足りない。
「では、場にセットされた<幻想少女の御伽噺>の上に【栞カウンター】を一つ乗せて、1ページ目の効果を発動。僕の手札から1枚、カードを裏向きで出します」
そういってボードに置いて表示されたカードは裏向きのまま。
中身はわからない。
「この効果で出されたカードはクリーチャータイプ、コストを持たない2/2のクリーチャーとして扱います」
それに【2/2】というステータスが表示される。
幻想少女の御伽噺の効果、それは手札のどんなカードでも2/2のクリーチャーとして2コストで出せる。
だけじゃない。
「ターンエンドです」
「ぼくのターン!」
<幻想少女の御伽噺>のテキストをぼくは知っている。
多少癖はあるが、”結末”を除けば他のデッキでも一応汎用カードとしては扱える。
扱えるはずだけど、違和感。
「レディ、アップキープ、メイン・ライフをドロー。土地をセット」
出したのは……効率からすれば忌み王か? おそらく
「2コストで
「通ります」
「通らば占拠師の効果で、君の土地一枚をステイ状態にし、固定する! これで沈められた土地はレディフェイズでも戻す事は出来ない!」
既に茂札くんの土地はフルステイ状態だが、そのうちの一枚を指定して縛りをつける。
バトルフィールドとボードによる演出では土地であるカードが海底へと沈んでいく姿が映っていた。
「深海侵略種……コントロールデッキですか」
「知識はあるみたいだね」
そう。これがぼくのデッキ。
相手の土地を封印し、時には破壊したり、コストのアドバンテージを得ながら”波乗り”を持つクリーチャーによって相手を討ち取る。
撹乱的なアグロというべきものだろうか。
その中でも除去や妨害などをいれて、コントロール寄りにチューンしたぼくのデッキだ。
まあ土地がたまるまで動くのが遅いという弱点があるんだけど、そこはプレイングでカバーするさ。
「ではターンエンドだ」
さて、多分次で占拠師は除外されるだろう。
「では僕のターンです」
まあ2点ぐらいなら必要経費だ。
「レディフェイズで一枚だけ土地をレディに」
あるいは推定忌み王を除外して、戻してくるか?
「アップキープ、ドローフェイズでメイン・ライフをドロー」
まあ1ターンの遅延をさせられただけでも十分か。
アドを小さくても刻みつけて手繰り寄せていく。
「
「幻想の少女はうさぎを追いかけて不思議な穴に飛び込んだ、
突然に、ぼくの出した占拠師の足元にぽっかりと暗い穴が開く。
「深海侵略種《アビス・エイリアン》の占拠師を除外」
?
「占拠師が除外されたことによって、そちらの土地の封印は解除される」
水底に沈んでいた土地が浮上し、地上へと戻って来る。
けれど。
「レディフェイズはもう終わっている。その土地は使えないよ」
そういいながら改めて発動したカードのテキストを想起する。
秘宝<幻想少女の御伽噺> コスト(2)
このカードが場に出た時、【栞】カウンターを1個乗せる。
このカードのコントローラーがメインデッキからカードを引いた時、このカードの上に【栞】カウンターを乗せる事が出来る。
1P―貴方は手札からカードを一枚裏向きにして場に出すことが出来る
それは2/2のクリーチャーとして扱う。
2P―クリーチャー1体を除外する。
この効果で除外されたクリーチャーはエンドフェイズ開始時に、場に戻る。
3P―クリーチャー1体に+3/+3の修整をターン終了まで与える
結末―貴方の墓地に置かれた<御伽噺>一つをデッキボトムに戻してもいい
幻想少女の御伽噺を生贄に捧げる
複数の効果を持ち、カードのドローをトリガーに効果を発動していく秘宝カウンターだ。
これ一つだけでも強いと言わざるを得ないが、幾つかの弱点がある。
効果の発動が順番だっていって、使いたい時に効果が発動出来るとは限らないこと。
そして、どんな効果を使っていくか公開情報のために知っているものには動きが
「土地をセットします」
土地を追加。
残り2マナ、忌み王じゃない裏向きクリーチャー。
そろそろ名義貸しと多分ブレイバーを出して強化してくるか。
どう捌いていこうかな。
「2コスト支払い、秘宝<赤ぎれずきんの御伽噺>をプレイ。通りますか」
「うん?! え、ゴブリンでもブレイバーでもない?」
「同じデッキ使うって決まってないですよね? 通りますか」
「いや妨害はないけど」
え、そのデッキ、じゃあそれって。
「<赤ぎれずきんの御伽噺>をセット、栞カウンターが1個乗る。赤ずきんや、おばあちゃんにお届け物をしておくれ――カードを1枚ドローする」
茂札くんがカードをドローする。
つまり。
「ドローしたことによって栞カウンターが追加。歩く、歩く、その渡されたものを投げ捨てる。そんな届ける相手のおばあちゃんなんていないのだから――2ページ目、カードを1枚捨てます」
茂札くんの手札から一枚墓地へと送られる。
やばい。
これ、見たことがある流れだ。
「
「わ、でっかくなったぞ」
「バトル。巨大化したクリーチャーで殴ります」
「ライフで受ける!」
ズシンズシンと大きく見上げるサイズになった熊みたいなシルエットのクリーチャーのパンチが振り上げられた。
うん、これ。
「グリムリーパーデッキだぁあああぐわ!!?」
「ジグぅぅぅぅう!!」
ぼくは5点ダメージを受けて吹き飛んだ。
◆
走る。
走る、走る。
「はぁ、はぁ」
身体が重い。
動くのにいつも邪魔な胸を左腕で抑えながら、走っている。
「はぁ、はぁっ」
――ドロシーさん、大丈夫ですか?
――全く許せませんよね。
「はぁ、はぁっ」
――羽島先輩たちが、問い詰めてくれるって。
――ファイトでお灸でも据えてくれるんじゃないか?
――はは、違いねえ。エウレシス優勝したあの人たちならあんなやつ。
「はぁ、はぁ!」
――昔からろくでもないやつだって思ってたんですよ、俺は。
――ちょっとLifeが上手いからっていい気になってやがって
――ただの一般人が、ドロシーさんにちょっかいかけようなんてねぇわぁ。
「なんで」
なんで、誰もドアの言葉を聞いてくれないんだろう。
階段を駆け下りて、校舎裏へと向かう。
驚いて退いてくれる部活中の人たちに謝りながらも、ドアは足を止めない。止められない。
違う。
違うんです。
”あの人”は悪くない。
リナさん、ジグ先輩と喧嘩なんてしてほしくない。
あの二人なら初対面で人を決めつけるなんてことはしないと信じてる。
信じてるけど、もしもがある。
もしも、あの人が二人と喧嘩になってしまったら。
もしも――ファイトなんてしていたら。
「ッ!」
そう考えるだけで目眩がする。
息切れで泣き言を言い出す足を、手で叩きながら、必死に歩く。
もっと鍛えていれば、運動をしていればよかった。
昔の、身体が大きくなるまでやっていた水泳をしていた時はもっと動けた。辞めなければよかった。
ジロジロ見られる程度でやめるなんてしなければ、Lifeなんて始めなければ。
何度も何度も考えて、今は乗り越えたはずの葛藤が込み上げてくる。
見えてきた。
真新しい建物。
部活のために用意されてしまったバトルフィールドの建物。
そこからは静かで……でも、
「そんなッ! 始まってる!?」
ビリビリと肌を刺激する気配。
間違いないスピリット。
ファイター同士の戦いでのみ吹き上がる生命のきらめき。
脇下から熱。
カードホルダーが反応している。
「――黙れ」
告げた。
静かになった。
うるさいわめきを押さえつけて、扉へと向かう。
多分ジグさんが鍵を持っている、中から閉めていなければ……開いてる!
扉のノブに手をかけて、開く。
中へと、どこか緊張しながら足音を立てないように忍び込んで。
そして……自分は。
「ぇ」
ドアは見ました。
それを。
ぴょん、ぴょん、ぴょん、ひゅーん。
ごろごろ、ごろんごろん。
がんがらがんがら、どんがらがん。
少女が走って跳んで笑って転がって、それだけで物語になるのさ
――可愛らしいお嬢さんや(幻想少女の御伽噺より)