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2025/06/23

【インタビュー】柏市が全国初の悩みAIチャット相談を導入した背景と成果

花の前に立っている女性

AI によって生成されたコンテンツは間違っている可能性があります。

千葉県屈指の商業都市として発展を続け、積極的に市民のQOL向上にも取り組む柏市。限られた財源・職員数の中、テクノロジーを活用した相談支援の革新に取り組んでいることでも注目を集めています。その取り組みの1つが、ZIAIの傾聴AIアルゴリズムを搭載した悩み相談AIチャットシステムの導入。市民は、スマートフォン等で24時間365日いつでも悩みを相談でき、AIが傾聴した上で必要に応じて専門家に橋渡し。相談のたらい回しを防ぎ、「誰かに悩みを聴いてもらいたい」という切実なニーズの時間的制約を廃した画期的な取り組みです。市民の利便性向上と相談業務の効率化の両立を目指して、テクノロジーを徹底的に活用する先進都市 / 柏市の取り組みに迫ります。

重層的支援体制整備事業の開始

ーまずは悩みAIチャット相談を導入された背景について教えてください。

柏市では令和4年から重層的支援体制整備事業(以下:重層)を開始し、ぞれぞれの属性に合わせた相談窓口に加えて「福祉の総合相談窓口」を設置しています。ただ、「福祉総合相談」を掲げていても、行政の相談窓口につながらない人が多数いらっしゃいます。誰かに相談することは勇気がいることであったり、どこに相談したらいいかわからないなど、理由はさまざまだと推測しますが、窓口を設置するだけではつながることが難しい課題認識がありました。

一方で、相談件数は年々増える傾向にあります。全ての相談に相談員だけで解決することが難しくなってきており、福祉の分野においても効率化を図らなければならないと感じていました。どこの支援機関も人手不足の課題を抱えており、十分な人員を常に確保し続けることが難しくなってきています。

ー柏市は属性ごとの相談支援機関のスキルが高く、充実していると評判ですよね。

ありがとうございます。市内におよそ60カ所もの相談窓口があり,相談員が両手を広げて受け止めてくれています。柏市は約43万人の人口になりますが、この規模に対して、窓口の数やあり方について適正かどうかという疑問を持つ場面もありました。

ー窓口が多いのは良いことに聞こえますが、何か課題があるのでしょうか?

はい、相談窓口が多いことは良いことです。しかし、市民の方にとってどの相談窓口に行っていいのかわかりづらいというデメリットもあり、専門外の相談においては「たらい回し」が発生する原因にもなってしまいます。福祉分野の担い手不足の状況は今後も続くことが考えられますし、窓口があっても相談員がいないのでは、支援が必要な方に十分な対応ができません。

ー相談者が気にするのは、自分の悩みに対応してもらえたかどうかですからね。

おっしゃる通りです。それに加えて、行政窓口への相談にハードルの高さを感じてそもそも相談しない市民の方が多くいることも課題のひとつでした。これらの課題を何とかできないかと考えていたところで、ZIAIさんを紹介していただきました。

ー2023年当時、どの自治体も行っていなかった取り組みに挑戦された決め手は何だったのでしょうか?

柏市の福祉政策課は、政策を検討する課でありながらも多くの事業を担っており,熟す仕事が多い部署です。しかし,重層を開始したことをきっかけに、福祉分野の新たな事業にチャレンジをしてみることの大切さを感じました。時代は本当に変化していて、その時々に応じて本当の意味での市民の方のためになることをしなければならないと、色々試行錯誤しながら業務を進めてきました。ZIAIさんの傾聴AIを活用した新たな相談窓口モデルも、「属性を問わない相談支援」を大きく前進させる可能性を感じたから、というのが大きいです。

ーチャレンジ精神が背中を押したんですね。

はい、あとはZIAIさんにお話を伺った際に、「まずは実証実験でも良いからやりましょう!」と言っていただけたことも大きかったです。実証実験からなら、もしダメだったとしても挑戦する価値があると考えました。

電話をかけている女性

AI によって生成されたコンテンツは間違っている可能性があります。柏市 福祉部福祉政策課 高橋氏

若年層の利用が最多。行政の手が届きにくい市民の受け皿に

ー実際に実証実験を行ってみていかがでしたか?

まずは市民からの相談数と満足度が非常に良かったです。ZIAIさんから事前に話は聞いていたので予想はしていたんですが、実際にAIに相談する人の数や利用者の評価の高さ、ポジティブなコメントを拝見する中で、受け皿が広がったのは明白でした。3ヶ月間で2,348件、満足度も80%を超えましたから。

(参考)https://ziai.io/news/kashiwasi2

ー年齢層や相談内容についてはいかがですか?

若い方がこれだけ利用するというのも大きな驚きでした。今まで拾えていなかった層の悩みがこれほどあるのかと。相談内容を見ると、本当に深刻な悩みもあれば、ただ単にネガティブ感情の吐き出し口として利用しているケースもあります。全体の約30%がリピーターだったことから、「誰かに話を聴いてもらう」ことが必要とされていることが明確になりました。この発見は大きかったですね。

ー市民からの反対や、職員からAI活用に関するリスクについて何か話がありましたか?

それがネガティブな反応は一切ありませんでした。私たちとしても、「何かあった時のリスク」とか、「相談窓口は人がやるべき」みたいな話が少なからず出てくることも想定していたのですが。

ーそれは意外ですね。

むしろ、市民の方に使っていただく中で「傾聴AIすごいですね、これは高齢者の孤独・孤立対策にも活用できると思いますよ!」という前向きなアイデアをもらうことの方が多かったです。先進的な取り組みとして色んな自治体関係者に紹介させていただいても、「この活用方法は面白い」、「自分たちもやってみようかな」というポジティブな反応ばかり。当初の不安はこの実証実験で全て払拭できました。

ー本格導入された結果はいかがでしたか?

2024年4月〜12月の集計ですと、相談件数が6,137件、総対話時間が2,879時間、総ターン数が79,677回と当初の予想通り10代から60代以上の方まで幅広く市民の受け皿として機能しました。特に、10−30代の利用が過半数を越え、年代別ですと40代が最も多く相談してくださいました。

ーなにか予想外だったことはありますか?

意外だったのは若年層だけではなく、30〜40代のような働き盛りの方々にも多く利用いただいたことでした。実はこの世代、行政の手が届きにくい年齢層でもあるんです。個別の相談窓口ではなくとも、そういう方々が家族の悩みや仕事の悩みなど誰にも言えないことを話せる場をデジタル空間上に作れたことは良かったなと思います。

白いバックグラウンドの前に座っている女性

AI によって生成されたコンテンツは間違っている可能性があります。

受け皿の拡張、そして次の相談窓口へ

ー今後はどのような取り組みを進める予定ですか?

まず一つは、より多くの方に知っていただき、利用していただくことですね。特に設置している相談窓口の手が届かない深夜や早朝など、ネガティブな気持ちが強まる時間帯にこそ活用してほしいですね。

ー今回も夜間の利用が多かったのでしょうか?

そうですね、約6割の相談が営業時間外の利用でした。また、今回寄せられた79,677ターンの傾向や感情分析を行ったZIAIさんのレポートによると、深夜から早朝にかけて長期対話率や文字数が増えたことに加え、極端にネガティブ感情が増加していました。

人が対応できない時間帯でも、傾聴AIに話すことで自分の頭が整理されることで気持ちがすっきりしたり、一人で抱え込まなくて済むようになれば、一つ大きな成果だと思います。

ーせっかく受け皿があるので、多くの方に使っていただきたいですね。

はい、行政ができる範囲の中で、誰かにつながる第一歩、必要な支援を届けるための入り口として、悩みAIチャット相談は大きな可能性を持っていると思います。

ー特に柏市では単身世帯が急増しているというデータもありますからね。

そうなんです、社会的孤独のリスクを抱える方が増えています。そのような方々にとって、人と話すことはハードルが高くても、AIとなら会話ができるかもしれません。実際にこの1年でもそのような方の声をたくさん聞いてきました。そこから次の相談窓口につながる仕組みをつくっていければと思っています。

ー高橋さん、今回はありがとうございました!

ありがとうございました。

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