マツキヨ・ダイコク・ドラッグイレブン…スギ薬局も九州進出、博多駅前にひしめくドラッグストア

読売新聞9/25(木)15:45

マツキヨ・ダイコク・ドラッグイレブン…スギ薬局も九州進出、博多駅前にひしめくドラッグストア

博多駅近くにオープンしたスギドラッグ(25日午前、福岡市博多区で) 【読売新聞社】

 JR博多駅(福岡市)一帯で、ドラッグストアの集結が進んでいる。国内の利用客だけでなく、福岡空港に近い立地でインバウンド(訪日客)の需要も多く見込めるためだ。25日には中部地方を地盤とする大手企業が九州1号店をオープンし、競争に一段と拍車をかけそうだ。(浜崎大弥)

訪日アジア客に狙い、300m圏内に

 博多駅東側の筑紫口から約200メートル離れたビル1階に25日朝、「スギドラッグ博多駅東店」が開店した。愛知県に本社を置くスギホールディングス(HD)が九州に初めて設けたドラッグストアで、調剤機能は持たないが、24時間営業で医薬品や食品など約1万点をそろえており、営業開始直後から次々と客が訪れた。

 同社が狙いを定めるのが、アジアからの訪日客だ。筑紫口には福岡空港国際線ターミナルとの直通バスが発着する停留所があり、店舗は乗降客の目に付く場所にある。店内には福岡の土産物などを陳列し、中国語や韓国語で接客できる店員も配置した。

 運営するスギ薬局の岡淳一・都心営業統括部長(43)は「福岡の訪日客で特に多いと見込まれる中国人や韓国人の購買データを分析し、訪日客需要を意識した品ぞろえにした」と話す。

 同じ筑紫口側では、全国で「ダイコクドラッグ」を展開するダイコク(大阪市)も、コロナ禍後の訪日客の回復を見据えて2023年12月に出店している。

訪日客の6割「ドラッグストアで買い物」

 博多駅はJR九州の路線だけで乗車人員が1日12万人以上と九州で最も多く、もともとドラッグストアが目立つエリアだ。業界最大手ウエルシアHD(東京)が駅ビルなどに「コクミンドラッグ」を複数出店しているほか、一帯にはツルハHD(札幌市)傘下の「ドラッグイレブン」、全国チェーンの「マツモトキヨシ」などもあり、半径約300メートル圏内に10店以上が密集している。

 さらに近年、ドラッグストアを支えているのが、訪日客の旺盛な需要だ。観光庁がまとめた24年版の「訪日外国人の消費動向」によると、訪日客が滞在中の買い物場所としてドラッグストアを挙げた割合は約6割で、空港免税店や百貨店とほぼ同じだった。

地場企業も訪日客に熱視線

 訪日客の勢いを取り込もうと、地場企業も工夫を凝らしている。

 調剤薬局を中心に九州・沖縄で約120店を運営する大賀薬局(福岡市)は今年1月、ドラッグストアの博多口店を刷新。品目数を1・5倍に増やし、韓国人客らに人気が高い健康食品や美容マスクなどを重点的にそろえた。海外のインフルエンサーを招いて発信してもらった効果もあって来店客に占める訪日客の割合が約4割から約6割に上がり、国内客と逆転した。

 同店の指方宏之店長(48)は「需要を的確に捉えた品ぞろえと、訪日客が安心して買い物できる環境を整え、さらなる取り込みを図りたい」と話している。

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