【独自】「難民申請するために日本にきた」万博交流プログラム中に失踪のエチオピア人女性の独白 難民支援団体「『難民申請したい』と思った時にはとにかく別の目的で国を出なければいけない」
■万博のため興行ビザを得たことで難民認定の申請を思い立ったという女性
一体、なぜ女性は突然、姿を消したのかー。 【エチオピア女性】「私が来日したのは万博が理由ではありますが、本国で迫害の恐れがあり、難民認定の申請をすることを考えていました。万博に来る機会を得て、難民認定の申請をしようと考えました。そのために誰にも話すことなく、持ってきた服やスーツケースすら持たず、着の身着のままで、恐怖の中、逃げてきました」 エンターテイメント活動を行う「興行」ビザで来日した女性。 この「興行」ビザを得たことで、日本で難民認定の申請をすることを思い立ったというのです。 【記者リポート】「大阪の宿泊施設から1人抜け出した後、エチオピア人の女性は、その日のうちに、東京にたどりついていたということです」 当時、所持していたのは数万円程度のお金とスマートフォンだけ。数日は、駅前のベンチで野宿するなどしてしのぎました。 女性はその後、在日エチオピア人たちのサポートを受け、出入国在留管理庁に難民認定を申請しました。 女性に、「迫害の恐れ」とは具体的にどのようなものか聞くと… 【エチオピア女性】「申し訳ありません。はっきりと話すことはできません。私が本国で被るであろうことについては、入管当局に報告しています。プライバシーについて話すことはできません。いまは不安な気持ちです。仕事もしていませんし、日本では自由に活動もできないので」
■去年、107人のエチオピア人が日本で難民申請
エチオピアでは昨今、各地で政府軍と反政府勢力の武力衝突が起きたり、政府に批判的な主張をしただけで、逮捕されたりと、政情がきわめて不安定で去年、107人のエチオピア人が日本で難民申請を行っています。
■万博目的で来日した外国人の難民申請の相談も
長年、難民の支援を行うNPO法人の担当者は、万博やオリンピックといった自国から出られる大きなイベントをきっかけに難民申請を行うことはしばしば起きるといいます。 【難民支援協会・田中志穂さん】「万博の目的で来日された方が相談に来ているのはありますし、万博始まってからそういった傾向はあります」 難民申請の目的を言わずに日本に来ることについては… 【難民支援協会・田中志穂さん】「そもそも難民ビザのようなものはないんですね。『難民申請したい』と思った時にはとにかく別の目的で国を出なければいけない。それが取りやすいものが観光ビザやビジネスビザなど人によって様々だが、それしか難民の人にはやり方がない」
- 535
- 1,139
- 510