健屋花那さんがお医者さんだったの話2(お気持ちの話と今抱えている医療の問題を多くの人に知ってもらいたいコト)
前回の記事につきましては、沢山の方にお読み頂きました。
今も賛否あれ、色々と沢山の内容を(単純な悪意も含め)受け取っております。
前回の記事↓
前回の記事の「意図」としては、当該の方が「医師免許」を持っていることを開示したことによる今後の活動に対して「控えていただきたいこと」や、あくまで現状考えられる「医療制度」に基づいた内容におけるあくまで「可能性」としてありうる問題点を個人的ながら列挙させていただいた次第です。
つまるところ、「今後の方針」と申し上げる形が正しいものでしょうか?今後気を付けていただければ、私個人としてはとても嬉しいな、と言った気持ちで記事を書かせていただきました。
(イメージするなら、時間というものに焦点を当てた際、前回の記事は矢印が未来に向かっていくものだと思ってください。今回の記事は逆に、過去に向けて、過去に関する内容になります)。
私は彼女のアンチではありませんし、医者の端くれです。人を救う事を生業としています。だからこそ・・・だからこそ・・・。
当該の彼女をボコボコに叩いて、彼女のVtuberとしての人生、ないしは最悪医者としての人生まで奪いたくないと、本当に心から強く思っています。それだけはまず前提として分かっていただいたうえでこの記事をお読みいただければ嬉しく思います。
「じゃあこんな記事書くなよ」と言った事はその通りかもしれません。只、今回の記事のメインといたしましては、「医師免許」を持っていることを明確に発言した現在、結果的に「過去に爆弾発言となるのではないか?」と言った内容を、「医者という同業者の立場から、可能な限り、可能な限り炎上しないよう、そして可能な限り弁解等考えられる出来る行為によって過去を清算し、今後改めてVtuberとしての活躍や、医者としての活躍を同業者としてして行っていただければ嬉しい」という事から書くに至りました。
同じ「医師免許」持ちとして強く思っています。
これは、私の本心です。頑張ってほしいのです。
例えば、今回私がこれについて言及しなかったとして・・・、彼女が今後軌道を修正し改めて頑張って行き、もっともっと沢山の方に見られることになったり、ファンの方がさらに増え、色々と活動の幅が更に広がったりという事になった際、過去に記録として残っている「発言」を面白おかしく掘り返され、より一層強く「非難」された時、それは計り知れない衝撃になるのではないかと考え、今回出来る限り穏便な内容に、炎上せず、過去の爆弾ととらえかねない発言を指摘させて頂こうと思い、書かせていただいた次第です。
可能な限り「炎上しないように」書かせていただく文章ではありますが、内容が内容ですので、燃え広がり、最悪の果てには一般的な多くの人たちの目につくレベルのニュースになる可能性もゼロではないと思っていますし、その結果何かしらの「法的な規制(医療業界の規制の強化や、配信業における配信の是非や規制など)」などが今後入る可能性も「ゼロ」じゃないと思っています。只、後述するように「失敗に対して寛容である社会であってほしい」という個人的な願いの内容も含め、書かせていただいた次第です。
出来れば、この記事を読んでくださった方にお願いがあるのが・・・、どうか読んで「感情的」に彼女を批判することはおやめいただければと思うのです(私がじゃあそれ出来る、過去にできたのかと言われたら、未熟故難しいところもあるので私が言える権利は全くないのですが・・・どうかお願いです。そう努めるつもりで、読んでいただければ嬉しく思います。)
今回のケースで、例えば最悪の形(彼女の引退などにつながるなど)になったとして、私は生涯ファンの方に恨まれたくはありません。私も私の人生がありますし、ある日突然刺されたり、射撃されて死にたくはないです(医者にヘイトが集まり、殺されてますよね。自分もその仲間入りはしたくないです。)
(当該の彼女ご本人や、ご家族の方、所属企業の方が仮にこの記事を読まれることがあれば、引退や解雇、と言った事は出来る限り避けて、改善のチャンスを提供してほしいと強く思うのです。失敗から立ち直れる社会であってほしいと思う、私個人の強い願いです。勿論当該のご本人がこの文章を読まれるとするならば、本当に心から、心から「真摯」に受け止め、頑張ってほしいのです。殿さま商売というか、人をナメる驕りたかぶった商売は特にファン層・お客を相手にする商売であれば人はついてきません。お客様は神様、というのは言い過ぎですが、驕り高ぶりすぎるのも、良くはないと思うのです。しっかりと受け止め、成功というものにだけ注視し、全力で血反吐を吐いても頑張ってほしいのです。そうすれば、きっとうまくいくのではないかと思いますし、本当に私はそれを心から応援しているのです。)
だからこの記事を書くにあたり、相当悩み、書くか逡巡しましたが、彼女の今後の活躍を心からお祈りしているからこそ、それこそ「良かれと思って」かもしれませんが、書かせていただきました。部外者の私の今回の記事からも、Vtuberという業界の自浄・浄化作用やコンプライアンスの徹底も強まれば、と思います。そうあれば心から嬉しく思います。
私は「東京湾に浮かんで」死にたくありませんし。改善につながればと思って、書かせていただく次第です。
(Vtuber業界というより推し活界隈は、私もそれ関係で引用リツイート等でボコボコにされたりした経験が過去1度ありますが、推しに対して「全肯定」でなければいけないという風潮について、常々疑問を持っています。発信者が人間である「Vtuber」であればなおの事、発言の一つ一つに色々な感情をいだくファンもいらすでしょう。それこそ濃淡あれどネガティブ感情100%からポジティブ感情100%まで。
そこでネガティブ感情のツイートをしたりすれば袋叩き、「これはどうなんだ?」と言ったような心配するようなツイートをすれば「杞憂」と一蹴して問題にも取り上げない、と言った謎の文化があると思っています。業界の自浄作用が、こういった特殊な文化形態で落ちているのではないかと考えるのです。ファンであったり、お金を落とすのであれば、誹謗中傷は論外ですが推しのサービスに対して「ココは良くなかったのではないか?」と自分の意見を発言することは「許されるべき」だと思うしそれが結果的に次の改善につながるかなと思ったりするのですが、それを許さない文化・・・というのは、どうなのだろうと話がそれてしまいましたが思っています。ただ、それがVtuber界隈・推し活界隈の文化なんだ、と言われれば私は「郷に入る」つもりでそれに従いますが、これはあくまでガッツリ文化に触れている身分ではない私の、率直な意見です。)
・・・。
重ねて申し上げる形となりますが、医者として個人的に思う気持ちは出来る限り排除して(人間である以上そういった気持ちは排除しきれない事はご理解ください)、書こうと思っております。
そしてとてつもなく「前提の内容」が多くなることを予めお伝えさせていただきます。特に「現行の日本の医療制度が抱える問題点」を若輩でありますがお話させていただきたいと思っています(この点についてはあくまで私の個人の意見となりますので、医者全体の総意とは異なるかもしれません。その点については予めご了承いただければと思います)。
「そんな話をするなら、健屋花那さんをダシにするなよ」というのは「その通り」かもしれません。
只、今回の記事を書くにあたり「必要だ」と思ったので記載させていただくことをお許しいただければ、私としてはとてもうれしく思います。
(実際、膨大な前提があって初めて、彼女の過去の発言等に触れることが出来るというものも含め、とても前提が長くなりますが、知見を広げるためにも多くの方に現状の医療等について読んでいただければ、私はこれ以上嬉しい事はありません。)
ここまでが既に長いですが序文となります。
〇改めての「前提」
信じてもらわなくても全然かまわないですが、私は医者(消内)です。
只若輩で、駆け出しもいいところの人間です。
そんな自分でも個人的に感じることは、特にTwitterをやっている多くの医者は日々Twitter(X)で同じ科同士、あるいは違う科同士、間違った医療情報を流している人に対し凄い噛みついたり、日々レスバをして常時小競り合いをしているような集団ということです(医クラ)。ただ、それにはしっかり理由があるのだと思っていて、自分の培ってきた「知識」「技術」「倫理」に一家言持っているからこそおこるものだと思っています。
Twitterで有名じゃないドクターの先生や、SNSをやっていない先生であっても、一家言を持っているのはあると思います。殆ど多くの医者は自分の医者としての信念について「一家言」を持っていると思うのです。
一つ言えるのはそういった「常に小競り合い」をしているような中でも、やはり同じ「医師免許」を持つものに対し、よっぽど道理を外れない限りキッチリと仲間意識を強く持っていると感じるのです。真摯に医療に向き合っている人であれば、互いに助け合うといったような矜持のようなものを、大なり小なり医者というものは同業者の医師免許を持っている人たちに抱いていると思います。
同期や知り合い、大学同期に対しても、私はリスペクトしています。
だからこそ、私も当該の彼女と同じように、「医師免許」を持つものとして、彼女が今後多方面で活躍していってほしいという気持ちは、本当に強くあります。
だからこその「担保としての医師免許」所得は賢い選択だと思います。
医師免許を持っているからと言って「医者にならなければならない」という義務は実のところはありませんし、一つの「人生における安全担保」としてのモノとしてとらえてもらっていいのだと思っています。実際その点において、「Vtuberとしての活躍を頑張りたいけど、不安定だしそもそも『デビュー』出来るかわからない世界でデビューしても成功するかは分からない運や実力主義の世界」という視点から見ても「万が一の時は医者をやれば良い」と言った担保として免許を所得しておくことは、人生を進めていくことにおいて、非情に「賢い」選択であると私自身は強く思うからです(私の人生の教訓として、「選択肢は多い方がいい」というものにもその点は合致します)。
その点において、私は彼女は前回の記事で「初期研修してないと良いな」と書きましたが、多分なされてないのかな、と個人的には思うのです。初期研修の意義というものは、知識もありますが、何より前回の記事でも書かせていただいた「侵襲行為が出来るかどうか」というものが重要になります。
病院実習と初期臨床研修医の大きな違いの一つとして挙げられるのは「医療行為」を直接患者さんに出来るという事です。実習時は「医師免許」が無いので、身体に針を刺したりと言った行為は出来ません。
医者の業界は、知識もさることながら「手技」という所謂職人芸のようなものが強く必要とされます(私の専門でいうなれば、カメラ(内視鏡)が最たる例でしょうか)。これに関しては現場に出て、場数を積んでいくしかありませんし、やらなければドンドン抜けて行ってしまうものでもあると私自身も強く痛感するものであります。
採血・ルート確保とかから始まりPICC、CV留置、Aline確保・・・気管挿管etc..
そして各科の専門分野…
初期臨床研修をハイポ(:ハイパーの対義語)な形で仮に終えていたとして(兼業の是非については前回の記事に書いてあるため割愛いたします)、その後専攻医に(流石になっていないと思います。なっていると公言されましたらまた別途記事を書かせていただく予定です)ならず、Vtuber業務に専念していたとしたら、医療のブランクはVtuberの活動が長くなれば長くなるほど「大きく」なりますし、身体から医療知識、そして手技のスキルは抜けていくと思います。
臨床研修終了後、補助輪無しで運転を始めるわけです。
(簡単に例えるならば医師免許は「自転車に乗る権利」であって、初期臨床研修制度というものは自転車の補助輪のようなものだと思ってください。臨床研修終了後に補助輪無しでこげるようになった後、数年以上1回もこがずに過ごし、いざ数年のブランクを経ていきなり補助輪無しで自転車をこぐことができるでしょうか?出来るかもしれませんが、難しいしリスクは大きいですよね。そういう感じです。だからブランクがあるよりも、復帰時に補助輪付きから開始できる方が安心だよねという事です。)
私はそういった点から見て、「賢い彼女であればそういう点に思い至らないか?」と考えたら、「思い至らないはずがない」と思ったのです。
そういった面から見ても、彼女は本当に聡明で、リスクヘッジが出来ていると思っており、そういった点から「恐らく初期研修はしていないのではないか」と思うのです。
(慇懃無礼という表現が今回正しいかは分かりませんが、彼女が賢い賢いと書くことについて、かえってバカにしているといったふうに受け取られるかもしれませんがそれは誤解で、彼女の今までの活動をこの界隈において浅学な私が彼女の経歴を勉強・参照させてもらう限り、私よりも数倍頭の良い方なんだろうなと本心から思い書かせていただいております。バカにしている意図で「賢い」と言っているわけではない事を念頭に置いていただければと思います。)
★一人の医者を養育するのに税金も使われているんだから奉仕しろと言ったご意見もあるかと思います。それについては、あくまで「感情的」な話になってしまうので私は批判できないかな、と思います。この件について彼女を批判してしまえば、じゃあ「保険診療をサッサと辞めて、美容診療に向かうヤツも同じく批判されてしかるべき」という事にもなると思いますし、「直美(ちょくび:初期臨床研修終了後にそのまま美容へ行くこと)という言葉が流行る現在において、私はそういう意味では彼女を責めることはできないですし、世間の人たちもするべきでないというスタンスでいます(気持ちは勿論分かっているつもりです)。
〇現行の医療と医者の生活について
簡単ではありますが、私の視点から見た現行の医療における問題点とかをお話したいと思っています。これについては私の個人の意見になりますが、普段Xで活動されている先達のドクターの方たちや同期と思われる方がこぞってお話されている内容なので、多くのドクターの方から否定される内容ではないかな、と思いつつ話します。
〇激務で多忙で普通に過労死が隣り合わせの世界
自分のジンクスとして・・・いやなジンクスですが、初期研修時以降、毎年1人・・・過去に世話になった指導医(オーベン・チューベン)の先生ないしは同期、後輩・・・の中から1人、過労で亡くなられたり、自殺してしまう方がいるというジンクスがあります。辛いんですよね、激務です。ホント、ホント・・・。とんでもなくブラックなのです。
どうして医師免許を所得した直後から過労死ラインが一般の方に比べ2倍になるのだろう・・・と思いながら、生活をしています。
初期臨床研修後には、色々と専門科に入っていき専攻医となりますが・・・。
色々と大変な制度が沢山あります。
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通常業務に加えて・・・(通常業務:病棟管理、外来、処置(専門科毎違う)等)
〇当直:平日であれば、夜17時半くらいから翌日朝8時半まで、その病院を「守る」役割をすること。病棟患者を診る「病棟当直」や救外を担当する「救急当直」、内科系をメインに見る「内科当直」だったり外科系をメインに見る「外科当直」とか、全部見る「全科当直」とか、D学病院とかだと各科がそれぞれ当直する「単科当直」とかいろいろありますが、基本的に平日は夜、人員が減った状態で入院患者の対応や急患対応を行います。ちなみに基本科によりますが、多くの科では翌日そのまま(一睡もできなくとも)勤務です。30~40時間連続勤務?でしょうか。疲弊します。休日の場合も同様に持ち回りで交代制で対応します。
〇オンコールシステム:家には帰っても良いけど、夜間病院から電話がかかってくる可能性があるシステム。電話には出なければならない為熟睡は出来ない。また電話内容によっては、病院へ夜中3時だろうが出勤が必要になる。病院へ出勤とかになった時は数千円位の手当てが出れば嬉しいかなと言った感じ。待機料は多分基本無い(あるところあります?)。熟睡は出来ない。ちなみにそのまま朝になったら通常勤務開始。
〇抄読会:最新の論文とかの勉強会。若手担当が多い。最新の論文を読んで、パワポとかにして解説して勉強会を行う(科毎に開催頻度は違う)
〇J-Oslerとかの症例登録(これは内科のみ)←専門医所得に必要
〇学会発表とかへの準備
↑と言ったような内容が、当たり前のよう降りかかってくるのが臨床研修後の医者の生活(急性期病院)です。主治医制であればなんだかんだ休日も様子だけ見に行ったりしますし(むろんお賃金は出ない)、バカみたいに労働時間が長いだけで、その分賃金が貰えているといった感じで・・・、時給換算すると悲惨なことが殆どだったり・・・。そんな過酷な中、我々医者は普段労働しているわけです。
キツイです。私は特に、「少しでも眠りたい」人なので、一睡もできなかったときの翌日のパフォーマンスは如実に落ちるし、不整脈は出るし、確実に命を削っている中何とかやってます。
そういう現場の医者の頑張りがあって、実際医療ってもう医療崩壊してるんですけど、我々がホントにバカみたいに働くことで、何とか「医療崩壊」していないように見せかけているだけだと思ってるんですよね。
ホント・・・。ホントに・・・きついです。当直やオンコールで元々不眠症でしたが悪化して本当に眠れないし・・・。そんな多忙の中、後述する「訴訟」とか、我々医者に対しての「ヘイト」が高まっているんです。本当に、本当に、きついです。だから、これ以上「医者」へのヘイトを高めてほしくないっていう気持ちもあって、この記事を書こうと思い至ったのもあります(前回の記事も)。
多くのDrって、もう「自分が医者であること」という矜持・プライドを最後の軸に頑張っている方が多いのではないでしょうか?少なくとも私自身はそうです。この見出しは、今回の件に特に不要かもしれませんが、多くの方に医者の労働環境、現場のツラさを知っていただければと思い書きました・・・。
次項へ続きます。
〇過去の失敗から学んで次に生かせる社会であってほしいと望むコト
人間、失敗って絶対しますよね。大なり小なり。私も、小さなことから大きい事まで、今まで生きて来て・・・多くの失敗をしました。後悔もありますし、いろいろな方に迷惑をかけてしまったな、と思うコトはとても多くあります。
誰しも失敗することはあると思います。その規模の大小にかかわらず。
だから、「一つの大きな失敗」というものを仮にしてしまったとしても、それで「人生おしまい」と思わず、リカバリーに徹すれば復帰できる・挽回できる世界であってほしいと、個人的に強く思うのです。
私自身、若輩故・・・というのは言い訳になりませんが、前回の記事を書いた後、多くの悪意ともとれる内容にさらされ、それに対してムキになって(煽り耐性が低かった)、その悪意の攻撃をしてきた方に対してXにて煽るようなツイートを繰り返してしまった部分もございます。
ただ、止めてくださった優しい方もいらしたり、そういった方たちの助け、そして自身の内省を含め改めて「良くない事をしてしまったな」と思い、Xで見られていた方に対して「謝罪」をし、反省して次からはそういった事が無いように努めようと思っています。
今でもそういった私の発言を魚拓にとり、鬼の首を取ったかのようにDMや攻撃的なリプライを送ってくる方もいらしますが・・・。
そういった、「失敗」があっても、「反省し次に生かせる」のであればそれが許される社会であってほしいな、と強く思うのです。
(むろん人を何人も大量に殺してしまうなど、取り返しのつかない失敗は勿論あると思います。人道的・・・と申しますか、あくまでこの地球上に生きる人類が持つ「倫理」に反しない・「倫理」の範疇に収まる失敗であれば「許されてほしい」と思うのです。)
中々そういった「失敗を受け入れられるかどうか」で言われると、個人的に本邦日本と言った国は「そうじゃないかな」と思うところは強くあります。
「1度ないしは数度の失敗で、その人の人生を追い込んでしまう」という傾向があるかなと思うのです。只、そうではあってほしくないなとあくまでこれは医者抜きで、個人的に強く、本当に強く思っていることです。
だから後述する問題についても、当該の彼女がしっかり改めていけば、そこから又しっかり成功の道を歩んでいけるようになってほしいなと強く思う次第です。
〇「後医は名医」という話(前提)
この見出しは、次の見出しの「医療関係の裁判」に関係します。前提の前提と言った感じになりますね。
我々の業界では、「後医は名医」という言葉があります。これは「結果」がすでに出たときにその一連の医療行為を振り返る際、リアルタイムで携わった医師の判断に比べて、結果から判断する医者の方が「診断精度」が高くなるよねと言ったものをどちらかと言えばバカにする「蔑称」のような感じの言い回しです。
何故か?について書き連ねていきますね。
例えば、夜間の救急外来のシチュエーションを例に挙げてみましょう。
2次救急病院とかであれば、病院にもよりますが救急専門医の先生ではなく、我々のような救急を専門としない科のDrが交代で当番制で救急当直を持ったりします。(1次救急も同様のところが多いと思います)。
時間外で夜間、ないしは休日であるとしたら、専門の先生が常に全員そろっているという事は病院にもよりますが、あまりないかなと言った印象です。
また当然ですが、平日日中に比べ救急外来の看護師さんの数も少ないですし、検査技師さんの人数も少なかったりします。
病院によっては、夜間に血液検査(L/D)の結果が出ない病院もあるかもしれません。あるいはL/Dの結果の内特定の項目が出ないという事もあるかもしれません。CTやレントゲンは撮影できるけれど、MRIは撮像できないといった事もあるかもしれません。
通常時に比べて「ごくごく限られた」医療資源・人的リソースになるわけです。
そういった事を前提に念頭に置いて・・・急患を外線PHS(ピッチ)で受け入れたとしましょう。前回の記事にも書いた通り・・・患者さんは「症状(頭痛・腹痛・胸痛・めまい・しびれ等)」を中心に搬送されてきます。患者さんの額(おでこ)に「私の病気は〇〇です」と言ったような機能は人間には搭載されていないのです。
だから、我々は患者のエピソード(これは時によりあてにならない事も多い)や既往歴や併存疾患・喫煙歴・飲酒歴等の問診に加え身体診察、画像検査、採血検査等を行い・・・複合的に、多角的な視点から、「時間と勝負しつつ(←大事)」「その時点で考えられる診断」をし、最善と思われる治療行為に当たります。
★CTを撮影したような際は、放射線科の先生に「読影依頼」というものをたいてい出します。放射線科の先生は画像読影のプロですから、我々よりも詳しく所見を述べたりしてくれます。只夜間や休日は不在の事が多く、基本的に読影依頼は翌日以降(ないしは休日明け以降)に出ることが基本です。
つまり救急外来のリアルタイムでは「我々」自身で読影をし、異常所見がないかチェックする必要があるのです。
朝から働いていて一睡もできていなかったり、同時に何台も救急車が並列で来て、それを1人で数人の患者を並行して診たりすることもあると思います。そういったときに「完全に正しい判断が出来るか」と言われると、「確実ではない」と言ったのが現実だと思います(私達も限界があります)。
ただ結果として患者さんが良い転帰をたどってくれれば、そのまま問題無く波風立たず過ぎることが多い印象ですが・・・。
例えばこれで患者さんが「不幸な転帰」をたどった場合、患者さんやそのご家族は我々に少なからず「陰性な感情」を抱きますよね。それで問題になったりするわけです。
そして、諸々の結果、最終診断がついた後・・・読影のレポートなどもついた後・・・振り返りとして後医に当たる医者が「あの時はああすべきだったね」とか、「~~~~だよね?」と指摘することがあります。無論これは指摘することは問題ではないのですが、「時間という概念に追われず」、「読影レポートなど専門の先生の読影結果」や「当時出ていなかったL/D」などを含めて、じっくり考えて(じっくり考えられるという点がポイント)「指摘」するという点で、リアルタイムで診断を下したその時の当直医よりも当たり前ですが「診断の精度」は高くなる事が考えられますよね。
これが「後医は名医」というものです。結果から逆算して「良くなかった点」を洗い出しているのです。無論洗い出すという事は悪い事ではなく、次につなげるという意味で必要な行為でもあります。医者の成長にもつながります。
只、これで無下に「ファーストタッチした医者」を叩くことは基本してはならないという事なのです。
だって、その時にやれることをしつくして、「最善だ」と思われることをしたまでなのですから・・・。
これがファーストタッチした医者と、後医に該当する医者が逆の立場だったら、どうなっているか「分かりません」し。
そういった現場のリアルタイムの「不確実さ」の中で、現場の診療に直接あたる医師は過重労働でフラフラだろうが全く患者が止まず眠れていなくても頭をフル回転させながら治療をしているのです。ファーストタッチの診療に当たった医師は逆算ではなく、時間の経過と共に診断をしているわけですからね。
只、今問題の「訴訟・裁判」においては、「結果」から司法は判断している印象を強く受けます。その為「後医は名医」的な観点から司法は我々をさばいているのではないかと考えているのです。
そこが問題になります。次項に続きます。
〇医療関係の「お気持ち裁判・お気持ち判決」と医療と司法の視点の差異による確執
この内容は、次の見出しにある「乳腺外科医事件」に繋がる前提の内容になります。又現在医者が抱える大きな問題の1つでもあります。読んでいただければ嬉しく思います。
前見出しからの続きではありますが・・・司法の方たちは「後医は名医」的な視点から判決を下している印象を強く受けます。
「~~~~できていたはずだ」「~~~~していなかったのは見落としだ」と言ったように、過去を逆算的に、「時間が十分あり」「既に潤沢にあるデータ」を元に、「結果」から逆算して「~~~~すべきだった」と言ったような問題点を指摘し、医療者に「過失がある」として賠償金の支払いなどを命じたりしているわけです。
後は「同意書」を病院側・医者側が取り、十分な説明をし同意書にもサインを頂いたにもかかわらず「説明が足りていなかった」として病院が敗訴している症例もあります。そういった形で、我々は司法になかば「お気持ち」のような形でボコボコにされている印象です。
直近で言えば、九州大学病院の心臓手術がありました(オンポンプオフポンプ)。↓
こんな感じで、2025年現在、司法と医療現場における「考え方の相違」があり、そこら辺のすり合わせがまだできておらず、一方的に医者と病院がタコ殴りにされている現状があるのです。
(むろん司法側に携わる人は「司法」の領域にのっとった考え方をしており、その考え方が我々医者の考え方とはベクトルが全く異なるという点から、そういった事を引き起こしているのではないかと個人的には考えています。司法は上述した通り、「後医は名医」的な視点から物事を判断しているといった印象です。むろんそれだけではないと思います。)
(そして現状そのすり合わせができてない以上、当分は医療従事者に対してのお気持ち訴訟判決が出続けるのは続くかな、と思っています。問題なんですけどね・・・。そのおかげで急性期医療から離れる先輩とか、沢山いますし・・・)。
〇訴訟リスクに常に怯えながら医者は勤務しているコト
普通、犯罪とかしなければ「訴訟」ってされないですよね?
我々医者は違います。しっかり患者さんのためを思い、全力を尽くしても「訴訟」されることがあります。それも常に。常に常に常に可能性があります。
そういった訴訟が常に脳裏にチラつきながら、高額な医賠責保険に加入し、それでもあきらめず日々困った患者さんたちに対して全力を尽くすわけです。
普通「訴訟」されたら、メンタル結構削られますよね?自分が悪いことしたのであればまだしも、「患者さんのために」全力を尽くして仕事をしたのにもかかわらず、「訴訟」されたら、相当キツイと思います。メンタル面もさることながら、周囲から「訴訟されたんだ」とか、本名報道されようものなら近所の目、家族への迷惑もありますよね。そういったリスクを抱えながらも、我々は医療行為に当たっているのです。上述したように、満足した賃金も貰えない中、そういった高ストレス下に置かれながらも、矜持や医者であるプライドだけを最後の軸に、急性期医療に携わる勤務医、多くの患者さんを診る開業医、人生の終末期の患者さんを多く看取る療養病床の先生たちは頑張っている訳なのです。
そういった医者たちに対して、「コロナ禍で医者は不当に金を儲けた(実際どこも赤字ですし医者とかの給料には反映されません)」とか、「ワクチンなんて意味のない行為だったんだ」とか「マスクなんてしなくてよかったんだ」とか、「反ワクチン」だったりとか、本当に多くの事で、ここ数年元々医者に対しての当たりが強い風潮が、加速度的に高まってきたなと感じます。
これほどまでに頑張っているのにもかかわらず、ここまでの仕打ちを受け、訴訟に怯え、何なら銃で撃ち殺されたり、刺殺されたりまでする始末。そして普通に過労死が隣り合わせ。そんな世界でも、現行の日本の医療制度が崩壊していることを崩壊してないように見せかけるために、馬車馬の如く、GPSで監視されながら働いているのです。
これ以上、これ以上・・・我々に重責を増やしてほしくない、という面は強くあります。本当に・・・。
〇2016年に起きた「乳腺外科医事件」
これは我々医者がたぶん最も「忌々しい事件だった・決して繰り返してはならない」と思う内容です。
今回の「根幹・核」となるような前提です。どうか集中してお読みいただければと思います。後述する内容が「この見出しに大きく関わる『可能性』があるという事を頭に入れてお読みいただければ嬉しいです。
分かりやすく簡潔にまとまっているサイトがここしかなかったため、参考に載せました。
参考程度に読んでくださればと思います。
2016年に、乳腺外科医の先生が、Aという乳がんの患者に対し手術を行いました。その術後に乳腺外科医の先生が当該Aの病室を訪室し、あろうことかAの(手術部位ではない)左乳房を舐め、その場で自慰行為をした、というものです。只これは一種の「術後せん妄(一時的な意識障害で当該行為は行われていないとされる)」であると考えられ、第一審では無罪判決になりました。
その後も揉めに揉め、第二審では逆転「有罪判決」となったのです。そして、2025年3月にようやく、第二審が無効となり、結果的に乳腺外科医の先生の無罪が確定した、という事件がありました。
せん妄について:Googleで検索すればすぐHitしますが・・・。
★完全に正しい例とは思いませんが、簡単に申し上げるとすれば一過性の「夢遊病」のようなもので、幻覚というものや、幻聴、ここがどこなのか等の見当識の障害などを一過性に認めるものです。基本的にこれは一過性で、その後就寝等され、起きた後に「覚えていない」事が多いです。
本当に悲しい事ですが、この事件によって当該の乳腺外科医の先生は大幅な差別を受けたり、仕事に影響をきたしたほか、「息子」が有罪判決の後に電車に飛び込み「自殺」し亡くなっています。本当に痛ましい事件です。
★この事件を繰り返してはならないという点は当たり前です。そして我々医者は、少なくとも99.9999%の医者は・・・業務中において、「邪な気持ち」を持つことは無いと考えています。そういった倫理観を医学生の内に徹底的に教育されますし、遅くとも初期臨床研修という期間にそういった倫理観は完成するはずです。ぶっちゃけ、目の前の患者さんの「困っている事」「症状」の原因究明や解決に必死で、そんなこと業務中に「頭にそもそも浮かばない」と思います。そういった医者の「倫理観」があるから、あったからこそ今回のケースで最終的に無罪になったのだと思います(他証拠等も不十分とかも含み)。結果的に当該乳腺外科医の先生の人生が凄い不幸な転帰となってしまった事は、本当に口惜しい事ですが・・・。絶対にこれは繰り返してはなりません。
この事件は「二度と」繰り返してはならないというのが、我々医者の中での「共通事項」です。似たような類似の事件が今後起こったとして、それが「有罪」になろうものなら、我々はもう医療行為そのものが「できなくなる」かもしれません。本当に、本当に繰り返してはならない事件なのです。
〇ここまで前提として入れていただきたい現行医療の内容
ここまで滅茶苦茶長くなりましたが前提です。
以下、過去の発言についての内容に言及させて頂こうと思います。
〇インターネットに「性的嗜好(嘔吐への性的嗜好)」の話を流してしまったこと。(問題だと思います)
これは仮に、いずれこの先どうなるかは分かりませんが、健屋花那さんが「医者」として働くことがあった際、その時に問題になるかもしれない話題です。これはちょっと爆弾かもしれません。
#健屋花那検定 第五問
— 健屋花那💉💘にじさんじ「僕なんかいなくても」歌ってみた (@sukosuko_sukoya) August 8, 2020
健屋花那は嘔吐フェチで有名ですが、そのきっかけとは一体なんだったでしょう?
健屋花那さんは配信にて「嘔吐フェチ(嘔吐行為に対しての性癖嗜好がある)」と公言されております。
性癖嗜好についてさらけ出す分には「問題ない」というのが私の見解です。
普通の一般的な目線から見て、人間である以上性癖嗜好というものはあっておかしくないものですし。
(内々の数人の談義とかで、漫談のように性癖を晒したりするとかそういうシチュエーションであれば、共有されるのはその参加メンバーだけだと思いますし、そういう小規模で「拡散」のない内容であれば、大丈夫ではある内容だと思いますが・・・)。
問題は・・・。
〇インフルエンサーと「医師免許持ち」として多くの人に発信してしまっている事
インフルエンサーとして、多くの人に「私は性的嗜好がこうです」と話している点がまずあります。これは「インフルエンサー」単体では問題にならないかと思うのです。というか多分問題にはならないと思っています。
只、「医師免許」を持っているという事を開示してしまった後・・・の爆弾の1つが、これに該当するかと思うのです。(今後医師として働く上でです)
〇前見出しの「乳腺外科医事件」との関連の可能性
前見出しにあったように、我々医者の中で忌まわしい忌むべき事件として「乳腺外科医事件」があります。アレ以降(かどうかははっきりエビデンス取れませんが)、医療行為を行ったりする際に相手が若い女性であれば特に「同性看護師さん」を必ず同席させるようになりました。それ位影響力が大きいのです。
もし、健屋花那さんが今後、「医者」として活動していくことがあるなら・・・、インフルエンサーとして「多くの人」に「性的嗜好」が知られており、「嘔吐行為に対して性的嗜好を抱く」という事が知られていることは医者としての業務においてとんでもないリスクになると考えているのです。
それは何故か、と申し上げますと・・・。
まず一つの例に、主症状が「嘔吐」で、大変つらい思いをしている患者さんが来院された際、担当した医者が健屋花那さんであったとして、患者さんがそれに気づき、嘔吐フェチであることを知っていたとしたら「嘔吐で辛い症状で受診したにもかかわらず、担当してくれた医師から好奇な目で見られた」として医者という存在に「不信感」を抱く可能性があります。
また、そのような医師に一度でも診察を受けると、他の医者も同じように扱ってくるのではないかと、他の医師にまで不信感を抱くきっかけになりうる可能性があります。
次の例では、例えば健屋花那さんがとある患者さんの治療行為のために仮に同席者を入れたうえで病室を訪室したとしましょう。その患者さんが前見出しに書いたようななにがしかの「せん妄(夜間せん妄、ICUせん妄、術後せん妄等)」で「嘔吐をしているところを見て自慰行為をしていた」という事で健屋花那さんを「訴訟」したとなったとき・・・、既に「嘔吐フェチ」であることが知られている以上、同席者が居るとは言え、裁判の争点の1つに「広く知られてしまっている性的嗜好」があげられる可能性があります。「同席者もグルだった」とか、そういった色々な争点が出る可能性も十分考えられますよね。
それで先程挙げた「乳腺外科医事件の類似事件」として立件され、それに対してただでさえ現在医療現場・医者・病院に当たりの強い司法が「有罪!」と言って判決が確定しまったが最後、医療業界に激震が走り、我々医者はもう「医療行為」できなくなるのではないか、という懸念があります。
そうなったら、この国の「医療」というものは本当に「終焉」を迎えると思います。判例で「前例」が出来るという事は、似たような訴訟が増えるという事、そしてそれに対して我々医療従事者が「敗訴」することが増える事が懸念されるわけです。
乳腺外科医事件は「刑事裁判」です。賠償金どころか、「懲役刑」が課される可能性があります。そういう意味でも、この点は非常に問題であると考えています。
早急に撤回し、企業であるにじさんじ様も含めた何らかの「撤回に当たる行為(弁明・謝罪等)」が必要なのではないか?と思うのです(お手数をおかけして申し訳ありません。でも必要だと思うので記載します)。
(無言アーカイブ消去や、切り抜きされた方へ消してもらうよう依頼するというのは最悪手だと思います。何らかの公的な発言をし、削除するべきであると考えています)。
これが世間に大きく周知され大問題になって、仮にこのような「訴訟」が「万が一」起こって、それでさらに万が一「有罪判決で確定」して刑事罰となった場合・・・。どれだけ医療業界に大きく大ダメージを与えるか(致命傷です)を考えて、この問題について受け止め、考えていただきたいと思っている次第です。
あくまで「可能性」の話にすぎませんが、起こらないとは言えません。
冒頭に書かせていただいた通り、今後改めて活動方針を一新しより活躍して行ってほしいと思うからこそ、ファンが増えれば増えるほど「そこをつつかれる」可能性が高くなるため、今のうちに何とか対応していただければ、炎上リスクの回避にもつながるのではないかとわたくしは個人的に考えている次第です。
〇「胃カメラ(上部内視鏡検査)」の触手プレイ発言
この点については、「大丈夫かな?」「多分問題にはなるかと言われるとそこまでガチガチにならないかな(可能性はゼロではないと思うけれど)」と言ったのが個人的な結論です。理由を述べますと・・・。
まずは当該動画と切り抜きのURLについて張ります↓。
健屋花那さんの当該動画を拝聴いたしましたところ、あくまでこの発言は「健屋花那」さんが「胃カメラ(上部内視鏡検査)」を受けたときの感想であって、動画本編該当箇所や切り抜き本編にもありますが、「患者さんに対しての胃カメラを見て、そう思うことは無いよね」って発言をされているので、問題ないかな?と思います。
実際、よく私は漫画家さんとかが「病院受診した:医療レポート漫画」みたいなものをよく患者さん視点の参考のために見ますが、内視鏡検査に対して「触手ってこんな感じなんだ」と同じような意見を持たれていたレポ漫画を読んだことがあります。受け手の発言となるので、大丈夫かなと思うのです。
そういう意味でも、↑の発言につきましては、あくまで「患者として内視鏡検査を受けたときの感想」であるため、特段問題ないかな、と個人的には考えています。しっかり「患者さんのを診ている時はそう思わない」とキッチリ発言されているところも、好印象でした。勿論下手な印象操作で無理やり訴訟・・・と言ったような感じになることは健屋花那さんが医者として活動するようになったとして、無いとは言い切れませんが、このケースは問題ないのではないかな、とあくまでいち医者としては思います。
〇産婦人科(ギネ)における「尊厳がない」発言
※まず前提として、私は「男」です。産婦人科における「内診」については、学生実習の際や研修医のローテで「産婦人科」を回った時に見学させていただいた位で、強く自分の意見を申し上げることはできないという点は予めご了承いただければと思います。
実際現場を見た限りでは、「内診行為を受ける患者さん」は大変だろうな・・・と言った印象を私は強く受けました。自分が女だったら、「されたらいやだな」と男の自分さえ思う事なので、必要に応じてそういった検査をしなければならない女性は大変だと思います。
只、当該動画を拝聴する限りでは、「自身が内診台に乗せられた際に行われたときの感想」であり、自身が患者に対し「内診行為」をしたことを話し「尊厳が破壊される行為だよね」と言ったような形で述べているわけではないので、これも個人的には、炎上することは無いのかなと思います。
まあ避けた方がいい発言であったかと言われたら、そうかもしれません。
ただ「尊厳破壊」の話はコメントの内容を拾っただけなので、その点も含め炎上には至らないかなと私個人は思います。
〇解剖実習について(この点が今回一番問題かもしれません)
〇前提として:解剖実習(ご献体を解剖させていただくこと)は医療従事者における、医学生、医者における「聖域」であること
医者を現役でやっている人間であれば、「解剖実習」は本当に絶対不可侵の「聖域」であると考えている方が多いと思っています。
最近では、美容外科の先生がご献体の件で大炎上しましたよね。
あの時は普段小競り合い耐えない医クラが全員手を取って、一丸となって大批判をしていました。本当に・・・本当に・・・聖域なんです。
医学生において、第一の関門、それが「ご献体を解剖させていただく解剖実習」だと思います。医学生における「通過儀礼」のようなもので、あの実習を通して「自分は医者になるんだな」と言った自覚が改めて強く芽生えるのではないかと私は強く思います。「解剖する」ではなくて、「解剖させていただく」のです。恐らくどこの大学も、実習の開始と終了時に黙とうをすると思いますし、それだけ本当に、ご献体の方に感謝をするのです。実習が終了したら、ご献体の方たちのお葬式に参加させていただき、深い感謝を捧げます。そうして、「医者としての倫理」観をまた一つ獲得するのだと私は考えています。本当に、汚してはならない、本当に・・・汚してはならない絶対的な「聖域」なのです。私の大学は、「ファミレスとかの人がいるところで解剖実習の話は絶対にやめろ」と固く徹底されていました。実際、どこの大学も多分「解剖実習の内容」については一般の方がいらすような場所での発言は固く慎むよう言われているのではないかと思います。それ位聖域なのです。
公共の電波、一生残るインターネットの海に感想を放流する等、論外だと思うのです。本当に・・・本当に再三になりますが・・・それ位「聖域」で汚してはならない領域なのです。
他学部で「見学」に来たり、看護師さんも実習を見たりするところがあるらしいですが、「解剖させていただける」のは我々「医学生」だけです。
本当に、尊重しなければならない領域なのです。本当に・・・聖域なのです。
〇ご献体として提供してくださる方たち
大学によって色々な団体があらすかと思いますが、有名なところでは白菊会などの団体の方が活動してくださっています。大学や担当団体によって、細かな差異はあると思いますが、恐らく共通していることは、「本人の意思がある事」、そしてその患者の方が旅立たれた際、「家族に該当する方が誰一人反対しない事」「謝礼など金銭の類は一切発生しない事」という事があると思います。
本当に「医学の発展」「これからを担う医者の卵となる医学生たちの為」だけに、本当に「善意」だけで、自分の身体を提供してくださるわけです。
それも、家族の反対が一人でもあればいくら患者さん本人が献体を申し出てもご家族の意志が尊重される事になります。つまり、旅立たれた患者さんだけでなく、そのご家族の「無償の善意」によって、ご献体を解剖させて頂けているわけです。だからこそ、だからこそ本当に「不可侵領域」の「聖域」なのです。だからこそ・・・・・・本当に、公に、気軽な気持ちで、「~~だった」とか話すのは本当に、リスクが高い上、他医者目線で見れば「とんでもない行為」であるわけです。
〇だからこその「聖域」
ここまでの見出しを読んでくだされば、どれほど我々にとって「ご献体を解剖させていただくこと」が重要で聖域なのかが分かっていただけると思います。本当に、本当に人の無償の善意で成り立っているものなのです。ご献体として対象に選ばれた方は、ご家族のもとにかえるまでに数年を要したりします。そういった多くの・・・ご家族への負担、つらさを考えれば、とてもではありませんが、「簡単に話す内容ではない」と思ってくださると思います。
この後述する発言があって、献体希望であったけれどやっぱり嫌だ、と思う方が居てもおかしくありません。それ位、それ位慎重で尊く、尊重しなければならない領域の話になるのです。学生時代にぽろっとこぼす人はいるかもしれませんが、免許を取っている人間が、そういった発言をされるのは個人的には強くいただけないです。
〇当該動画と問題の話
当該動画↓
切り抜き↓
当該の動画を拝聴いたしましたが、「献体」ではなく「ご献体」です。
確かに実習自体はとても大変です。それはそうです。匂いがキツイとか、それはそう思っていても発言するべきでないです。これはご献体に対しての冒涜と取れてもおかしくありません。非常に問題です。本当に問題です。
・・・。ホルマリンのにおいがついて本当に早く帰って洗いたかった、と言った発言についても、本当に仮にそう思っていても、インターネットの波に流してはいけない内容だと強く思います。「どこから解剖した」とか「~~に近い感じ」とか、そう言った事も、一般の方を含めた不特定多数の方たちに向けて話す内容ではありません・・・。
総じて、「ご献体として提供してくださった方」「そしてそのご家族の方」に対しての「冒涜行為」とだと受け取られてもおかしくないと思います。
私はこの動画を一度途中で中断しました。見ていられなくて。それ位、それ位慎重にならなければならない領域なのです。面白半分に、雑談の1個のネタとして提供するべき内容ではありません。決して、決してです。
この問題が掘り起こされることは大変な問題になると思います。
可及的速やかに、これについては性的嗜好の話同様、何らかの声明を出し、弁明・謝罪等の行為が必要なのではないかと思っております。
〇まとめて
今回のケースで、医師免許を持っているという事を正式に表明した当該の彼女の過去の発言において、出来るだけ「炎上しないよう」に問題点を淡々と中立的な立場からお話させていただいた次第です。
重ねて、本当に再三申し上げる形となりますが、私は彼女がこれからVtuberとして、もっともっと成功していってほしいと思っています。
多角的に、いろんな方向で活躍していってほしいという気持ちはしっかりあります。同じ医師免許持ちとして。
だから、過去の失敗となるようなことも許し、次に進んでいけるよう、本当に心からそれを願って、今回の記事を書きました。
また沢山の私にダメージが来るようなコメントが来ることは想定しています。ただ、それでも・・・全肯定でというより・・・問題点は同業者として淡々と指摘させていただき、そこについて何らかの修正を当該の方・所属する企業の方にしていただいて・・・それで、改めて彼女が上手く今後もVtuberとして活躍していってほしいという事を望み、今回の記事を書かせていただきました。
大変長文になり、お見苦しい点等多々あるかと思います。
稚拙な文章である事、本当に心からお詫び申し上げます。どうか、彼女がこれからも成功の道を歩んでいけるよう、私は本当に心からお祈りしておりますし、どうか、この記事を読んだ方も批判的にならず、うまく咀嚼して噛み砕いて飲み込んで、彼女の活躍を応援していただければ、私も嬉しく思います。
そして、医療の話を長ったらしく前提に話してしまった事、重ねてお詫び申し上げます。
現状の医療が「どういったものなのか」。これについては私個人の意見ではありますが、色々と非医療従事者の方も含め知ってもらいたいところではありますし、長くなりますが前提として話させていただいた次第です。
我々も苦労して、決して患者さんを「意図して傷つけたい」と思って治療しているわけではない事を、心に刻み込んでくれれば、私はとてもうれしいです。
医療の問題についても、知見を広めてくだされば、私はとてもうれしく思います。
どうか、世界が優しく、失敗が許される世界でありますよう・・・。
執筆者:2-Low
1つだけ知っててほしい話があります。 大手のまとめサイトがV界隈のネガティブ記事が好き過ぎるという点です。 実際の炎上ネタもありますが、ごく一部の事情をよく分かっていない人が否定的なコメントを残しただけの話でも「炎上」と記事にされたりすることも多いです。ファンは実情を理解してい…
記事拝見させて頂きました。 気になる点が幾つかあったので 挙げさせて貰います。 ・医療従事者で彼女の事を知っている人間が恐らく少なからず居るのに、「何故今まで何も問題提起されなかったのか」という考えには至らなかったのか。 ・乳腺外科医事件の事で御自身も述べていましたが、その様…
解剖実習の件についての懸念は理解できましたが、嘔吐フェチの件については正直行き過ぎた要求なのではと思いました。 まずこの記事を受けて健屋さんがフェチ発言の撤回と謝罪の声明を出したとして、それによって将来訴訟された際司法が判断を変えるものでしょうか。 発言のリスクを自覚しリスク回…
一通り拝読させていただきましたが、読んだ感想は「ただ単に不要な燃料を投下して健屋花那という存在を燃やしたいだけ」という人にしか感じませんでしたね パッと見いかにも健屋花那という存在に対して活躍を願うというテイで書いていますが、この文章を投下する時点で炎上してほしいとしか思えない…