「沈黙は共犯だ」━。
ユダヤ人の医療従事者たちが、イスラエルによるパレスチナ自治区ガザ地区でのジェノサイドに抗議する書簡を公開した。
独立系メディアZeteoによると、書簡には400人を超えるユダヤ人の医師などの医療従事者が賛同している。
「戦争における不慮の事故」ではない
「ガザでのジェノサイドを終わらせる」と題する書簡の冒頭では、「医学や公衆衛生、その他の関連分野に携わるユダヤ人の専門職として、イスラエルによるガザのパレスチナ人に対するジェノサイドを前に、沈黙を続けることはできない」と述べている。
イスラエルによりガザの人々が飢えさせられ、爆撃され、医療や住まいを奪われているにも関わらず、「多くの同僚や医療機関はいまだ反対していない」と指摘している。
さらに2023年10月以降、「イスラエル政府はガザを破壊するための意図的な作戦を展開してきた」と言及。6万4000人以上のパレスチナ人が殺害され、そのうち8割以上を民間人が占めていること、医療従事者やジャーナリスト、人道活動家たちも標的にされていることなどを挙げ、「これらは『戦争における不慮の事故』ではない。市民や生活インフラを標的とした軍事戦略の予見可能で意図的な結果であり、何十年にもわたる残虐な追放と占領の結果だ」と批判した。
その上で、世界中の医療従事者たちに、イスラエル政府のジェノサイド行為を非難することなどを呼びかけた。
加えて、「イスラエルへの批判やパレスチナ人への連帯を封じ込めるための、『反ユダヤ主義』という非難の武器化を拒否する」ことも求めている。
ガザで活動したことがある署名者の一人、アリス・ロスチャイルドさんはZeteoに対し、パレスチナ人に対するイスラエルの暴力について長年発言してきた自分のような人々を「滅ぼす」ために、「反ユダヤ主義だ」という非難が武器として使われてきたと語った。
国連人権理事会の調査委員会は9月16日に報告書を発表した。この中で、イスラエルがパレスチナ自治区ガザ地区のパレスチナ人に対してジェノサイドを行っていると認定している。