斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

総裁選候補者「こども食堂で居場所づくりの大切さを感じました」、こども食堂の名付け親「居場所作りといいますが、そんな生やさしいものではないです」

自民党の総裁選の候補者が、こども食堂を訪問したのが悪い意味で話題になっていました。

シンプルに、政治家の大人が、子ども向けのNPO主催の食堂で、自分の誕生日を祝われる構図が歪に見えますよね。こども食堂って、誕生日を祝われない子どもも居るので、そこで、一般に裕福とされる政治家が誕生日を祝われるのは、かなりグロテスク。

さらに発展して考えると、主に子どもの貧困を背景として設立されている子ども食堂に、子どもの貧困を放置し続けてきた政権与党の幹部が訪問し、「居場所づくりの大切さを感じました」というように、現状の構造を肯定するように発言したことも引っかかります。

で、これを受けて、自民党の議員がフォローに回っているのですが、自民党が子どもの貧困を維持・拡大させてきたわけですから、火に油になっています。例えば、こちらの投稿とか。

誰が食べに行ってもいいとしても、自民党の幹部が誕生日を祝ってもらうのはかなり歪に見えるはずですが、そうとは思わないんでしょうね。大分、一般の感覚とズレてる。

この議員は、こども食堂が貧困世帯向けではないとはっきり言っていますが、NPO法人 全国こども食堂支援センター・むすびえの調査では、半数のこども食堂が、ひとり親家庭の支援や生活困窮家庭の支援を活動目的として挙げています。

第2回全国こども食堂実態調査結果のご報告|認定NPO法人 全国こども食堂支援センター・むすびえ

自民党は、自助→共助→公助の順番で福祉政策を考えていますから、行政負担の軽い、こども食堂は都合がいいんですよね。だから、一見するとグロテスクな、政権幹部によるこども食堂での誕生日会を、無邪気にやれちゃうし、問題視されることが理解できない。

ちなみに、去年の自民党の総裁選で、当時の候補者の石破さんも、こども食堂には訪問していました。ただ、石破さんの方は、子どもと一緒の写真を撮るようなことはしていませんし、訪問先は、こども食堂の名付け親の近藤博子さんの『気まぐれ八百屋だんだん』でした。レクチャーを受けたらしいので、かなり趣が異なる。

その、近藤博子さんが今年5月に東洋経済のインタビューを受けた記事を一部引用して、この記事を締めます。

「こども食堂から一線を引く」 《こども食堂》の名付け親が決意した背景 ボランティアでできる支援には限界がある | リーダーシップ・教養・資格・スキル | 東洋経済オンライン

地域力、居場所作りといいますが、そんな生やさしいものではないです。そういうことを行政の方も知ってほしい。あなたたちはお仕事ですが、私たちはボランティアだということを忘れないでほしい。こども食堂は行政の下請けではありません。

(中略)

日本の体制って、国民をタダ働きさせるようにできているのではないかと思うこともあります。国民の善意を利用して、これはいいことですから、みんなで頑張ってください。頑張りましょうと。あおってきたんだなと私は思います。