参政党は「江戸」に戻れというけれど……家族観は歴史の実態無視?
■論壇時評 政治学者・谷口将紀
イスラエルの軍事行動が止まらない。6月にイランを空爆し、今月は停戦案を協議するハマス代表団を標的にカタールを攻撃、ガザ市への地上侵攻にも踏み切った。
イラン空爆について、国際政治学の秋山信将は、明示的に核兵器を保有せずとも製造可能な技術的状態を維持することで潜在的核抑止力を確保するイランの「核保有しぐさ」戦略が破綻(はたん)したことを指摘する(①)。国際政治経済学の鈴木一人によれば、米・イラン協議が進展するなか、イランにウラン濃縮能力が残る可能性に不満を抱いたイスラエルが、妨害を目的に軍事攻撃を開始した(②)。これに対し、北朝鮮の核開発には同様の攻撃を行わない米国の二重基準のため、今回の攻撃は結果として北朝鮮を「成功事例」として浮かび上がらせてしまう危険があるとの指摘は重い。
谷口将紀さんによる月1回の「論壇時評」。第6回の今回は、イスラエルが続ける軍事行動の影響から、参政党躍進の背景にある中間層の「反乱」の背景まで、計11個の論考を紹介します。
従来以上に危険なイスラエルの覇権
ホロコーストを経験した民族がなぜ攻撃を続けるのか。この問い自体が誤りだと毎日新聞の大治朋子はいう(③)。国民の大半がユダヤ教徒のイスラエルでは「反ユダヤ主義の被害者」という自己認識が広く共有される。首相のネタニヤフは、ハマスやイランをナチスと同列に位置づけ「反ユダヤ主義」として描き出すことで「犬笛」を吹き、国民の被害者意識を刺激し、攻撃容認の世論を形成する。
英国際戦略研究所のハサン・…