過激な論争に発展してしまう「特殊事情」

 一方で、日本国内では「BABYMETALはヘヴィーメタルと言えるのか」「NHK紅白歌合戦への出場は是か非か」など多くの論争を生んできた。そのたびにファンとそれ以外の人たちが激しい意見を交わす応酬が繰り広げられてきた。その背景には、BABYMETALをめぐる特殊な事情があるという。

「BABYMETALの誕生は、そもそもアイドルグループの派生ユニットだったことから、生粋のメタルファンからはしばらく“イロモノ”としてみられていました。しかし『神バンド』と呼ばれるバックミュージシャンの卓越した技術はコアなメタルファンにも認められ、かつ、まったくのメタル素人だった女性メンバーたちがその音楽性を吸収しながら、唯一無二のパフォーマンスを見せていく姿は多くの人の共感を呼びました。メンバーの脱退や活動休止、それにまつわるドラマもファンは共有していることから、特に思い入れが強い。湯川氏の発言は、そうしたファン心理に無自覚なまま、アイドル的な見かけや演出に焦点を当てたため、『的外れ』『努力や音楽性を軽んじている』と受け取られた側面が大きいと思われます」(音楽関係者)

 今回の湯川氏らの発言をめぐる議論は、結果的にBABYMETALが築いてきた独自の魅力に、改めて光を当てる機会になったのかもしれない。

(泉康一)

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