【「鬼筆」越後屋のトラ漫遊記】天下人・岡田監督の前に現れる「30秒ルール」 アレンパ達成への鍵となるか

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球審に抗議する阪神・吉田義男監督。右は柏原純一(1986年4月6日撮影)

■86年の二の舞いは禁物

30秒ルールは12球団公平なルールであって、阪神にとって得も損もない…とはいえます。しかし、阪神にはルール変更で痛い目に遭った過去があります。それは今と同じ状況、つまり日本一に輝いた1985年の翌86年に突然、導入された「新ストライクゾーン」ですね。

この時、「アマチュア野球では、ストライクゾーンの高低に関してだけボールの全部が、打者のそれぞれの固有の打撃姿勢をとったときの脇の下から膝頭の上部までの間を通過したものとする」とルールが改正。プロ野球でも突如、低めのストライクゾーンが〝拡大〟されました。真弓、バース、掛布、岡田らダイナマイト打線で日本一に輝いた阪神の攻撃力は、新ストライクゾーンによって一気にそがれたのです。86年は結局、60勝60敗10分けで3位。リーグ連覇も日本一の夢も消え去りました。

阪神が強くなると、突然のようにルールが変わる。当時、そんな思いで新ストライクゾーンを捉えていた記憶があります。何度も球審に抗議する吉田義男監督の怒りの表情が鮮明に思い出されます。捕手がワンバウンドで捕球した直球が「ストライク!」。そんなアホな…と何度思ったか。

なので、来季から導入予定の30秒ルールや、その後の罰則規定の導入時期などは十分に注視しておかなければならないでしょう。岡田采配、岡田監督のサイン一つで縦横無尽につながった阪神打線が、30秒ルールの厳格化でリズムを狂わせられないのか。対応を考えておくべき事案だと思います。逆に言うと、それぐらいしか今の阪神には死角が見当たらない、といえるのかもしれません。何事にも備えあれば患いなし…でしょう。

■植村徹也(うえむら・てつや) サンケイスポーツ運動部記者として阪神を中心に取材。運動部長、編集局長、サンスポ代表補佐兼特別記者、産経新聞特別記者を経て特別客員記者。岡田彰布氏の15年ぶり阪神監督復帰をはじめ、阪神・野村克也監督招聘(しょうへい)、星野仙一監督招聘を連続スクープ。

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