【PR】ドコモのサブスク【GOLF me!】初月無料
goo blog サービス終了のお知らせ 

損失回避

『世界は行動経済学でできている』(2025/2/27・橋本之克著)からの転載です。
「もう使わないもの」が  捨てられない理由

ポイントカードをつくらなかったことへの後悔

人気お笑いコンビ「かまいたち」のネタに「タイムsマシン」というものがあります。
「もしタイムマシンがあって、過去に戻って何か1つだけやり返せるとしたら何がしたい?」という、濱家さんの問いかけから始まります。そこで山内さんは「コンビニのポイントカードをつくる」と答えます。
 最初に「ポイントカードをつくりますか?」と聞かれたときになんとなく断ってしまい、それから毎回「つくりますか?」と聞かれるものの、今カードをつくるとこれまでに得られなかったポイントを損した気持ちになってしまうため、意地を張って結局つくっていないというネタです。
「つくりますか?」とはじめて言われた日に戻って、ポイントカードをつくりたいと、レジで支払いをするたびに思うとのこと(オチはここでは割愛しますが、とても面白いネクなので機会があればぜひ見てみてください)。
 このネタには、まさに行動経済学における「不合理な判断」がうまく表現されています。


「損をしたくない」気持ちが損を生む?

人がポイントを集めたくなる背景には、「保有効果」というバイアスが働いています。

「保有効果」とは、自分が所有する物に高い価値を感じ、手ばたしたくないと感じる心理です。この心理は、123ページで少し触れた「損失回避」とも関連があります。
 「損失回避」とは、人が損失に対して過大に反応し、なんとしてもこれを避けようとする傾向です。
「保有効果」は、自分が保有する物事に対して、手放すことを損、手に入れることを得と捉えたときに生まれる心理です。元は「損失回避」と同じものと考えられます。
 これらの心理を提唱したダニエル・カーネマンは、著書『ファスト&スロー』(早川書房)で、「損失回避」を示すエピソードを紹介しています。
 コイン投げの賭けの実験で、被験者に「コインの裹が出たら100ドルを支払い、表が出たら150ドルをもらえます。賭けをしますか?」と尋ねたのです。
 コインの裹と表が出る確率は、それぞれ2分のIで同じです。そしてもらえる額のほうが多いのですから、賭ければ得をする可能性が高いわけです。しかし実際は、被験者の多くが賭けを断る結果になりました。理由は、100ドルを支払う悲しさのほうが、150ドルを得られる嬉しさよりも大きいからです。
と尋ねたのです。
 
 「スポットライト効果」のところで、限定顧客向けのサービス、希少な商品の限定販売などの例を紹介しましたが、この「限定」という言葉は「損失回避」で買いたくなる心理を生むキラーワードでもあります。

期間限定‥[本日限り○%オフー][今月末までの入会で入会金無料‐ここ地域限定‥「当店限定販売」 「名古屋限定販売」「個数限定」「限定200個のみ販売」 「売り切れ次第販売終了」
このような「限定」を強調したキャンペーンやキヤッチフレーズを見ると、顧客は「限られたチャンスを失う」 ことを「損失」と捉え、これを避けようとする「損失回避」が慟くのです。
 その場の表層的な損失を避けようとするわけですが、無駄なものを買ってしまうことによる「本質的な損失」には目が向きません。結果的に、その商品が本当に必要なのか、本当に欲しいのかを考えずに回ってしまうのです。
このような指失を避けたい心理を逆に活用する事例があります。東京鄒八王子市が実施した大腸がん検査の受診促進策です。
 大腸がんは日本人の死亡者率が二番目に多いがん(令和4年「人口動態統計(鎗定数)の概況」[厚生労働省])であり、その対策として大腸がん検診による早期発見が有効です。
 八王子市では、前年度の大腸がん検診受診者に対して、本人からの申し込みがなくとも自動的に「便検査キット」を送付していました。ところがキットを受け取っても受診しない人がいるため、はがきを送って受診を促したのです。その際の文言を2パターンつくり、実際に受診したかとうかを訓べました。

A 今年度受診すれば。来年度も検査キットがもらえます。
B 今年度受診しないと、来年度は検査キットを送付しません。                       

同じことを言っているのですが、Aでは利得を、Bでは損失を強調しています。その結果、Aの受診資加22・7%ごったのに対して、Hの受診率は29・9%と、損失を訴えた文面のほうが受診率が高くなったのです(*20)。
この広告を非表示にする



サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。

最近の「正しい絶望のすすめ」カテゴリー

バックナンバー