トランプ氏、「国連が問題作り出す」と批判 総会演説
(CNN) トランプ米大統領は23日、ニューヨークの国連本部で開かれている国連総会で演説し、「国連は問題を解決しないばかりか、実際には往々にして新たな問題を作り出している」などと批判する一方で、自身が大統領1期目に実施した政策や現在の取り組みなどの成果を強調した。また、気候変動の脅威を完全否定し、パレスチナ国家の承認はイスラム組織ハマスへの「褒美となる」などと一部の国の動きを牽制(けんせい)した。 【映像】「縄で縛られたバイデン氏」の図 トランプ氏の投稿が物議 トランプ氏は新たな国際的な取り組みとして、人工知能(AI)活用の認証システムを通じた生物兵器禁止条約(BWC)の発効を米政権が主導すると明らかにした。 演説では米国の取り組みへの言及も多く、演説の序盤では不法入国の抑制など自身の1期目時の成果や、最近行われている中南米の海域での麻薬密売カルテルの取り締まりや米都市部での犯罪対策などを強調した。 関税については、トランプ氏は米国の「主権と安全保障」を守るためのメカニズムとして活用していると述べた。「貿易ルールを破った」国々がルールを守った国々に悪影響を与えているとも指摘した。 トランプ氏は気候変動絡みで太陽光や風力といった再生可能エネルギーは化石燃料よりも高価だと主張し、「グリーンエネルギー詐欺」だと揶揄(やゆ)した。ただ、米国では再エネは電気代を下げるのに貢献している。トランプ氏は気候変動の脅威を否定し、「世界に仕掛けられた史上最大の詐欺」と呼んだ。 演説の冒頭に原稿を表示する「テレプロンプター」が作動しないハプニングがあり、その前には国連ビル内のエスカレーターの故障に遭遇したこともあって、トランプ氏が国連に対してあからさまに皮肉を言う場面もあった。