死んだらスマホはどうなる? 家族を困らせない「デジタル終活」
サブスクやスマホ、クラウドに個人の資産や思い出が集約される今、もしもの時に家族が困らない備えが不可欠。電子機器のロック解除や口座照会などを想定したパスワード共有やアカウントの無効化、預貯金口座の付番など“デジタル終活”の要点をわかりやすく解説する。 【関連画像】パスワードを修正テープで隠す ※日経トレンディ2025年10月号より。詳しくは本誌参照 日常的に使っている動画配信や漫画読み放題などのサブスクサービス。もし、自分自身に病気や認知症、突然死など「万が一のこと」が起きた場合、契約はどうなるのだろうか。ほったらかしのまま契約が継続されれば、思わぬ“損”をしてしまうことにもつながりかねない。 そうした重要なアカウント情報やデータを生前整理しておく「デジタル終活」が注目されている。背景には「スマホなどのデジタル機器にユーザーの経済活動の記録が蓄積されていく一方で、本人の死後には残された家族がパスワードロックを解除できず、葬儀や相続手続きに必要な情報の確認が困難となるという現状がある」とデジタル終活に詳しい弁護士の伊勢田篤史氏は話す。 故人のスマホのロックを解除できない場合、例えばサブスクの利用状況についてはクレジットカードの決済履歴を一つ一つ調べて調査する必要がある。しかし、カード利用明細がペーパーレス化されたことで、遺族はカード会社に連絡して明細を取り寄せなければならなくなった。さらに、各種サブスクの解約手続きも一筋縄ではいかないことが多い。こうした多大な負担を遺族にかけないためにも、下で説明している「スマホのスペアキー」を用意しておくなど、ログインパスワードを家族に共有しておくべきだ。 【準備1】スマホ・パソコン(難易度★) ログインパスワードを家族と共有 緊急時に自動通知するサービスも 残された遺族が故人のスマホにログインできるかどうかで、その後の情報収集の難易度は大きく変わる。ただ、パスワードを今すぐ教えるのも気が引ける。そんなときはパスワードをメモに書き出して修正テープで隠す「スマホのスペアキー」がお薦めだ。いざという時にパスワード情報を家族に通知するサービスもある。