ジャニーズ事務所の創業者ジャニー喜多川氏(2019年に87歳で死去)の性加害問題で「ジャニーズ性加害問題当事者の会」に新たにメンバーとして加わった元ジャニーズJr.の大島幸広さん(38)が本紙の取材に、自身の体験を明かした。1998〜2000年に「少なくとも200回、ジャニー氏から性加害を受けた」と証言。Jr.が寝泊まりしていた東京都港区の合宿所だけでなく、近くの高級ホテルにも呼び出され、キスされたり、体をなめられたりしたという。大島さんは、何度も目に涙を浮かべ「今でもフラッシュバックがあり苦しい。自分たちのような被害者を二度とうまないよう政府もメディアも企業も本気でこの問題に向き合ってほしい」と訴える。(聞き手・望月衣塑子)
◆当時はJr.の「黄金期」だった
私が中学2年だった1998年は、ジャニーズJr.の黄金期と言われる。テレビ朝日の「8時だJ」では、芸能事務所「TOBE」現社長の滝沢秀明さん(41)らが活躍していた。
滝沢さんの姿に憧れ、家族の勧めもあり、履歴書を書いて7月に応募すると、8月に突然、ジャニー氏から電話が来た。「NHK来ちゃいなよ。レッスン来ちゃいなよ」
緊張しながらNHKのレッスン場に向かい「おはようございます!」と元気にあいさつをして会場に入った。レッスンを受けているとジャニー氏とみられる男性が近づき「君が大島君?」「はい」と答えると、「YOU、今日うちに来ちゃいなよ」。驚いたが「母親と来ているので」と断ると、ジャニー氏は「ならお母さんと話してくる」といい、母親を説得して帰らせた。
ジャニー氏の車の助手席に乗り、合宿所に向かった。到着すると、そこにいたJr.たちに「誰?」と聞かれ「大島っす」とあいさつした。ドラマに出ていた2人に「いつ事務所に来たの?」と聞かれ「今日です」と答えると「今日の今日で来ちゃったんだ」と驚かれた。
▶2ページ目 大島さんの合宿所での経験やジャニーズ事務所をやめるまでの経緯 を紹介します。性被害に関する記述があります。
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