農林議員
https://president.jp/articles/-/91011?page=2農林水産大臣は記者会見で、「生産者の方々にとっては、やはり備蓄米を出すことになれば、せっかく米価が高いところまで上がってきて、生産コストを賄え、将来に明るい兆しができた。そこで、国が在庫を出すことについては、反発もあるかもしれません」と述べている。
農林水産大臣が備蓄米の精米処理に言及した中で、「私はコメは買ったことはありません。支援者の方々がたくさんコメを下さる。
農協(JA、農業協同組合)
加入する農家の一人一人に議決権があり、農家によって組織される組合で、農家の権利を守る為に活動をしています。
通称:農協〈のうきょう〉
農業者(農民又は農業を営む法人)によって組織された協同組合
組合員が一人一票の議決権を持つ。
役員や総代に選出される権利。
臨時総会を開く請求権。但し、正組合員の1/5以上の同意が必要。
組合の事業を利用する権利等。
専業農家と兼業農家に議決権を公平にしたことで、効率的な農業の推進が妨げられてきたという意見もある。
JAは愛称(Japan Agricultural Cooperatives)で、正式には農業協同組合。JAは全国に527あり、組合員数は1020万人(2023年度)という大規模な組織です。
JAがコメの減反政策を支持してきたと言われていて、それが価格高騰の一因になったほか、
農協法の組合員一人一票制のもとでは数のうえで圧倒的に優位にたつ兼業農家の声が農協運営に反映されやすい
JA全中は規模の小さい兼業農家の利害を代弁し、政治に圧力をかけることが多かったからだ。
足元ではJAを通さない大規模農業者も増えてきた。
減反政策
生産過剰状態のコメ生産量を消費量に合わせることで米価を維持し、コメを作ると赤字となる状態の発生を抑制させる農業政策である
日本農業の問題は、非効率だということです。特に、米が際立っています。農家の7割もが米を作っているのに、農業の2割しか生産していません。これは、米農業が、たくさんの非効率な生産者によって行われていることを意味しています。
なにもなければ、米だけ特に非効率になってしまうことはなかったはずです。政策による人為的な力が働いたからです。政府が農家から米を買い入れた食管制度のもとで、1960年代以降、政府は農家所得向上を目的として、米価を上げました。米価が高いので、コストの高い、零細な規模の農家が、米生産を継続してしまいました。また、機械化が進んだため、1ヘクタール規模の農家では、年間30日ほど働くだけで、米は作れてしまいます。こうして、平日は工場や役場などに勤務して、週末だけ農作業を行うという兼業農家が多くなりました。
兼業農家の人が土地を手放さないため、専業農家の人たちが、農地を集めて規模を拡大し、コストを下げて、収益を向上させることが、困難になりました。米価を上げたことは、本職がサラリーマンの兼業農家に米作りを続けさせ、農業だけで生きて行こうとする専業農家の経営を苦しくしてしまったのです。
減反政策をやめれば、零細規模の兼業農家がコメ生産から退出し、土地生産性の高い専業農家に土地が集約されます。これにより供給量は増加し、米価は下がります。
1971年からおよそ50年にわたり実施されてきた減反政策は、米の生産過剰を抑制し、価格維持を図るうえで一定の効果を上げてきました。しかし、その一方で農家の競争力低下などの課題も指摘されてきました。
減反政策が長期にわたって続いたことで、農家は補助金による安定収入を重視しがちになり、市場での競争力や技術革新が停滞した経緯があります。
「主食用米以外への転作に補助金を出す、事実上の減反政策をやめればいいのです。減反をやめて、米価が下がれば、高コスト体質の零細な兼業農家は米作をやめて、農地を貸したほうが得になります。
一方、農地を借りる主要農家は規模を拡大でき、コストが下がる。その結果、収益が上がるので、農地を貸してくれた元兼業農家に支払う地代も増える。みんながハッピーになるわけです」
土地利用型農業の収益が低いのは、都市地域と農村地域の線引きである土地利用規制(ゾーニング)が不徹底であるため農地の大規模かつ虫食い的な転用がされてきたこと、高米価政策によって零細農家が滞留したこと、画一的な減反面積の配分のために大規模稲作のスケールメリットが発揮できなかったこと、減反政策が単位面積当たりの収量の向上を阻害したことなどの政策の失敗によるところが大きい。
減反で米価を高くすることで兼業農家を維持した。これで農協は力を維持し、農林族議員を輩出できる。また、組合員の兼業収入や農地の宅地転用による利益がJAバンクに預金され、これを元に米国の金融市場で〝稼ぐ〟という構図が実現した。
小規模農家、零細農家、兼業農家は減反で高く米が売れる + 補助金が貰える
小泉進次郎農相
政府備蓄米の放出を巡り、6月にも5キロあたり2000円台で店頭に並べる方針を明らかにした。
カズレーザーが「2000円台が適正価格と考えていくと、今後もこの値段で市場が回るのが適正か。そうなると小規模農家は経営が厳しくなり、
規模の経済
事業規模が大きくなればなるほど、単位当たりのコストが小さくなり、競争上有利になる効果のことである。
規模が大きくなると、面積あたりの労働時間はいっそう減少する。
コメのような土地利用型農業では、次の図のように、規模が拡大すると大型機械で効率的に作業・生産できるので、コストは下がる。所得は売り上げからコストを引いたものなので、規模拡大によって所得は増加する。大潟村の1戸あたりコメ所得は1,400万円である。
都府県の平均的な農家である1ha未満の農家が農業から得ている所得は、ゼロかマイナスである。ゼロのコメ作所得に、20戸をかけようが40戸をかけようが、ゼロはゼロだ。しかし、30haの農地がある集落なら、1人の農業者に全ての農地を任せて耕作してもらうと、1,600万円の所得を稼いでくれる。これをみんなで分け合った方が、集落全体のためになる
減反補助金を負担する納税者、高米価を強いられる貧しい消費者、取扱量減少で廃業した中小米卸売業者、零細農家が滞留して規模拡大できなかった主業農家、なにより輸入途絶時に十分な食料を供給されない国民、一部の既得権者を除いて、全てが農政の犠牲者だ。
NHKスペシャルは農地の耕作放棄が問題だとするが、農家以外の出身の若者が友人たちから出資を募ってベンチャー株式会社を設立し、農地を取得して農業を行うことを農地法は認めていない。農地法が農業の後継者を農家以外から求めることを禁じているのだ。
JA農協は、株式会社は農地を転用して利益を得るとして株式会社の農地取得に反対する。しかし、農地面積は1961年に609万haに達し、その後公共事業などで約160万haを新たに造成した。770万haほどあるはずなのに、430万haしかない。日本国民は、造成した面積の倍以上、現在の水田面積234万haを凌駕する340万haを、半分は転用、半分は耕作放棄で喪失した。膨大な農地を転用して莫大な利益を得たのは農家だし、その利益をウォール街で運用したのはJA農協である。農業村は自分たちの利権を株式会社に奪われたくないのだ。
農業機械のレンタル
農協は本業が赤字、金融の利益で穴埋め
全国の農業協同組合の8割で農業関連事業が赤字
収益を支えているのは金融と共済だ。
金融を手掛ける信用事業が3億4900万円、共済事業が2億3400万円の黒字となった。この結果、全体で2億9800万円の黒字を確保した。
概算金
「概算金」とはコメ農家がJAから受け取る前払い金のことです。
JAは農家からの委託を受ける形でコメを市場で販売しています。
ただ、売上金の支払いまで一定の時間がかかることから、農家の資金繰りを支えようと概算金の仕組みが始まりました。