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架空国家「界隈史」批判

過去を支配する者は未来まで支配する。現在を支配する者は過去まで支配する。

ジョージ・オーウェル

決断力がなく中立に逃げる者は滅びる。

ニッコロ・マキャヴェリ

あらゆる物には歴史が存在する。我々の活動もまた例外ではない。架空世界・架空国家創作は、それ以前から活動する者がいたものの、旧Twitterにおいて2017年頃から定着し、以後活動の幅、多様性を大きく広げていった。我々の創作は、主に旧Twitterでのロールプレイ的活動と、wikiでの詳細設定の執筆という二つの車輪で展開されていた。我々もその一団体に属し、活動していた。

かくして2022年、事件は起こった。我々の利用するwikiが、当時の共同管理人であった「なかなか」によって乗っ取られたのである。彼は他の管理人に断りなくパスワードを変更し、自分だけが管理権を持つようにしてしまった。彼は、一方的な詭弁を弄し、自らの正当性を主張したが、その専横な態度は利用者には全く受け入れられるものではなかった。さらに、荒らし対策と称して利用制限を行い編集できなくし、勝手に他人の記事を差し戻し、我々の創作物を愚弄するページを立てる等の暴挙に走った。我々の創作方針からして、wikiが編集できないことは、自転車の両輪の片方を破壊されるに等しかった。

我々は、彼が属する他の団体に連絡を取り、問題の解決に向けた協力を依頼した。その団体のうちの一つが「架空国家学会:Elysion」、すなわち現在の「架空世界・架空国家創作者連合 ARKADIA」であった。以下当該団体をARKADIAと記す。ここで重要なのは、加害者がその構成員であった以上、ARKADIAは明らかに事件の当事者であったという点である。

しかし、我々の「いつも通り創作活動を行いたい」という単純で正当なる願いは、ついぞ受け入れられなかった。ARKADIAは「外部の問題であり無関係」と自らの明らかな当事者性を否定し、加害者に何の処分も下さなかった。それどころか、「被害者が悪い」との倒錯した論理を振りかざして加害者を擁護する声まで上がり、我々に対する二次的な加害行為が横行した。ところが、彼らには過去に、組織外部での、ARKADIAとは無関係の一連の発言を問題視し、発言者をDiscord上で処罰した前例がある(注)。もしその基準を適用するならば、wikiという創作基盤を奪った今回の行為こそ、より重大かつ直接的な妨害として断固たる処分を下すべきであった。彼らの恣意的で露骨なダブルスタンダードは、責任と倫理の普遍性を裏切るまやかしである。この一件以降、我々がARKADIAと距離を置くことになったのは当然であった。

ところが今になって、ARKADIAの内部で、この事件を彼らの「界隈史」に取り込もうとする動きが見られる。我々はこれを強く非難し、断固として拒否する。この問題はいまだ放置されたまま未解決であり、ARKADIAが自ら責任をもって総括しない限り収束し得ない。それは全ての創作家の自由な活動の根幹に関わる、重大な挑戦そのものだからである。この問題は決して過去の事例ではなく、「今ここで対応すべき現実」として明瞭に存在しているのである。

実際、ARKADIAは表面的には中立的な組織として振舞いつつも、創作に対する悪質かつ暴力的な妨害を行った加害者を構成員に抱え、加害性を黙認しながら、その責任を一切引き受けようとしなかった。そして現在も、当事者であるという事実を頑なに否認し、彼ら自身が行った二次的な加害をも巧妙に客体化することによって、事件を「界隈史」といった言葉で覆い隠し、あたかもそれが「歴史的事例」の一つにすぎないかのように処理しようとしているのである。

この態度は、事件を消費物、すなわち見世物や「界隈的イベント」といった記号へと変換し、被害者の苦痛を「過去の出来事」へと回収し、倫理的応答を断ち切る欺瞞的装置である。単なる事実の整理ではない。それは当事者性を脱ぎ捨て、加害を不可視化し、責任を免れるための虚偽である。語り手の皮をかぶり、自らを「研究者」や「記録者」として位置づけることにより、中立性を装っている。一方で、問題の解決を拒んだ彼らの立場は、全く中立ではない。現在進行形で加害者を庇っている団体によって語られる「界隈史」は中立たりえない。常に彼ら自身の置かれた独裁的で保身的な組織体制、その権力関係に裏打ちされているものである。事実に目を向けず、無責任に居直るこの態度こそ、不誠実さの最たるものであると言わざるを得ない。

次に彼らの態度は、被害者に対して二重の加害をもたらしている。第一に、創作活動を暴力的に妨害したという直接の加害である。第二に、その出来事を「界隈史」という無害な枠組みに封じ込め、被害を「歴史的事例」として再利用することである。被害者の声や苦痛は再び客体化され、記録の材料としてのみ取り扱われる。これにより、被害は忘れられるのではなく、消費される形で矮小化されていくのである。

「研究・記録」の名のもとで責任を回避し、中立性を装って当事者性を放棄することは、歴史の継承とは最も遠い行為である。それは倫理的応答の拒否であり、また責任逃れを学術的言説に偽装する不正直さの現れである。従って、こうした態度は断固として断罪されねばならない。創作の自由を脅かした加害の責任を直視しない限り、ARKADIAによる虚飾の歴史叙述は必死の自己正当化でしかなく、その虚構は被害者に新たな苦痛を強いているのである。

しかるに我々は、彼らの自己弁護の物語に、我々の苦悩や闘争が組み込まれ、消費されることを拒否し、かかるペテンを実行せんとするARKADIAの企てを糾弾する。我々の歩んできた道程は、彼らの暇つぶしの玩具でもなければ、「研究者ゴッコ」の素材でもない。我々の「正史」は、他の何者でもなく我々によって主体的に保持され、相対主義的「界隈史」を通じた加害の再生産に従属することは絶対にない。それは彼らの欺瞞的装置の外部にあり、自らの問題と対峙することのできないARKADIAの介入する余地は、一切存在しない。

2025年9月10日 書記局

(注)当時ARKADIAに参加していたユーザーAが、旧Twitterの鍵付きアカウントで発言した内容を、別のユーザーが公開のDiscord上に晒し、その内容を理由にユーザーAがタイムアウトの処分を受けた事例である。すなわち、ARKADIAは組織の外部でなされた発言についても「問題」として処罰した前例を持つ。

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架空国家「界隈史」批判|表現の旗
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