ジャーナリスト長井健司さん 最後の映像 何者かが改ざんか

2007年にミャンマーで当時の軍事政権に抗議するデモの取材中に銃撃され、死亡したジャーナリストの長井健司さんが最後に撮影していた映像について、長井さんが所属していた会社の代表らは、何者かによって改ざんされ証拠の隠滅が図られた可能性が高いと明らかにしました。

長井健司さんが銃撃を受けたときに使用していたビデオカメラとテープは、おととし、ミャンマーのメディアを通じて遺族の元に返還されました。

返還されたビデオカメラとテープ

テープには、長井さんが銃撃された時に撮影していたはずの場面が含まれておらず、長井さんが所属していた会社がテープの製造元などに依頼して映像や音声を詳しく分析していました。

その結果について、24日、APF通信社の山路徹代表らが会見を開き、「映像は真っ黒な画面で意図的に上書きされていた」と述べ、何者かによって証拠隠滅が図られた可能性が高いと明らかにしました。

その根拠として、映像は途中で突然、黒い画面に切り替わっていて、映像の信号を調べたところ、その部分だけ波形が異なっていたことが分かったということです。

APF通信社 山路徹代表

山路代表らは、テープを別のカメラに入れ、黒い映像で上書きしたとみられるとしています。

長井さんの死を巡っては、日本政府などが至近距離から撃たれたとみている一方、ミャンマーの当時の軍事政権はデモ隊への威嚇などを行う中での偶発的な事故だったと主張しています。

山路代表は「長井さんが最後に何を伝えたかったのかどうしても明らかにしたい」と述べて、今後、映像の復元を目指すとともに、ミャンマー側に対して事件の真相解明を求めることにしています。

愛媛県今治市出身の長井健司さんの妹の小川典子さんは、今治市の自宅からオンラインで会見を聞きました。
会見後、妹の典子さんは仏壇に手を合わせて、調査結果について報告していました。

妹の小川典子さん

典子さんは「事件から18年となる中、兄のことを忘れずに真相究明にあたってくれてありがたい気持ちでいっぱいです」と話していました。

一方で「上書きされたことはわかっても映像の中身は解明されずあまり判然としない気持ちもあります。今後、行われる解析で新たな発見につながってほしい」と話していました。

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