「馬鹿じゃ」で10万円、「見た目からしてバケモノ」は30万円 法務省が初公表した侮辱罪の“相場”
●「感情的にならず、容姿をいじるような言動は控える」
「カッとなって書き込んでしまった」「これくらいは許されると思った」。そんな軽い気持ちが、数十万円の罰金という重い結果を招きかねない。 清水弁護士は「事例集は文言だけがピックアップされているが、判決では前後の文脈や状況、加害者属性なども考慮される」ことに注意が必要だと指摘する。 また「刑事事件になっても科料は9000円から30万円程度で、かつ刑事事件の罰金は被害者に支払われるわけではない。民事で開示請求した場合も裁判費用を踏まえると、経済的には被害者の負担は大きいことも事実」(同)といい、実態にあわせて法改正を重ねていく必要があると話す。 最後に清水弁護士は「表現の自由があるとは言え、一歩間違えたら、刑罰法規に抵触してしまうかもしれない。ご自身の身を守るためにも、感情的にならず、暴言や容姿をいじるような言動は控える必要がある。特にネットでの発言には注意が必要だ」(同)と警鐘をならした。
弁護士ドットコムニュース編集部