2025/6/24
【血税13億円は負担しろ、その一方で住民との対話は拒否/武雄市と学校法人旭学園の姿勢から見えてくるダブルスタンダード】
武雄アジア大学誘致の是非を様々な角度から検証・発信している住民グループ「武雄アジア大学を考える会」の皆さんから相談があり、その内容に唖然としました。
詳細をお伝えしますので、最後までお読みいただければ幸いです。
武雄アジア大学を考える会の皆さんは昨年6月以降、武雄アジア大学を巡る様々な懸念を解消するために、オンライン配信も含めて広く考えを募る完全公開型の意見交換会の開催を企画していたそうです。
日程も、場所も、すべて武雄市と旭学園の都合に合わせます、という幅広なスタイルで、武雄市および旭学園へと要請を継続していたにもかかわらず、約1年にわたって明確な答えがないまま、最近になって両者から「出席を拒否する」との回答があった、というのです。
まずは、その回答内容のメールを原文のままご紹介します。
=以下引用=
武雄市企画政策課のXXです。
ご連絡いただいておりました、貴団体主催の意見交換会について旭学園に問い合わせをしていた結果以下の回答がありました。
————
【旭学園回答】
大学設置認可申請におきましては、これまでも文部科学省から審査スケジュールにおける場面ごとに「大学設置認可においては、審査の過程で申請者の責任により、審査に係る情報が第三者に漏洩し、審査に影響を及ぼす事態となった場合には、その時点で審査を終了される場合がある。」と口頭指導を受けています。そのため、大学設置認可申請に係る情報については極めて慎重に取り扱う必要があり、審査に万全を期すため、「武雄アジア大学を考える会」の意見交換会には出席することができません。
————
市としましては、市民からのご要望についてできる限りご対応させていただきたいと考えておりますが、市単独での出席では、意見交換会へ出席される皆様からのご質問等に対し十分な回答ができないと考えております。
旭学園が出席できないのであれば意見交換会への出席は難しいと判断しております。
武雄市 XX
=引用終わり=
この回答メールをお読みいただけるとわかるとおり、旭学園は「文科省の口頭指導」を理由に説明を拒否しました。武雄市も「旭学園が出席できないなら十分に答えられないので出ない」として、住民との対話そのものを放棄したのです。
ここで疑問なのは、この要請は文科省への認可申請前の頃から為されていたにも関わらず、今になって審査中であることを口実にして拒否するのは不可解。
もうひとつの疑問は、文科省の審査中でも旭学園は既に高校生を対象にした大学説明会を佐賀県内各地で何度も開催していること。
さらに、旭学園のウェブサイト(2025年4月25日掲載)ではこうも明記されています。
小長谷有紀学長予定者が『杵島ライオンズクラブ』にて大学を紹介。「このような熱心な聴衆がおいでの説明会・講演会のお誘いにはぜひ応えていきたい」と希望しています。
高校生やライオンズクラブ向けには説明会や講演会を行うのに、13億円の税負担を背負うことになる地元住民からの対話要請は拒否。
おかしな話です。
そして、13億円の支出を決めた武雄市がその説明責任を放棄しているのも大きな問題です。「旭学園が来ないなら、市も話さない」という姿勢は、税金の使い道を行政が自ら説明しない、行政の基本原則に反する態度。
そもそも、小松政市長が「僥倖」とまで表現し、前のめりでこの大学を誘致してきた経緯を住民は明確に覚えており、今になって説明を避けるのは違和感しかありません。
武雄アジア大学誘致問題に関する「いびつな構図」に、多くの方々が疑問を持ち、ついには国会で質問主意書が提出される事態にまで発展しました。
旭学園も武雄市も、血税を使うことの重みと、地域住民の真剣な声に今こそ向き合うべきです。
住民との対話から逃げ続けて、果たして「良い大学」が作れるのでしょうか。
文科省は、住民の声に向き合わない学校法人をどのように評価するのでしょうか。
そして、そのような学校法人を地域に招き入れてしまった武雄市の責任はいかに。
8月には武雄アジア大学の設置認可の可否が明らかになるようです。
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