はじめに:なぜアップグレードが必要なのか
Windows PowerShell 5.1を起動すると、以下のメッセージが表示されるようになりました:
Windows PowerShell
Copyright (C) Microsoft Corporation. All rights reserved.
Install the latest PowerShell for new features and improvements! https://aka.ms/PSWindows
このメッセージは「最新のPowerShellをインストールして新機能と改善を手に入れよう!」という意味で、Microsoftが新しいPowerShell 7への移行を推奨しています。
重要な変更点(2020年から2025年)
PowerShellの2つのバージョン
現在、Windowsには2種類のPowerShellが存在します:
- Windows PowerShell 5.1(従来版)
- Windows標準搭載、開発終了、セキュリティ更新のみ
- 実行ファイル:
powershell.exe
- インストール先:
C:\Windows\System32\WindowsPowerShell\v1.0\
- PowerShell 7.x(最新版)
- クロスプラットフォーム対応、活発に開発中
- 実行ファイル:
pwsh.exe
- インストール先:
C:\Program Files\PowerShell\7\
最新バージョン情報(2025年9月現在)
- PowerShell 7.5.2:最新の通常版(2025年6月リリース)
- PowerShell 7.4.11:LTS(長期サポート)版(2025年6月リリース)
- PowerShell 7.6.0-preview.4:プレビュー版(開発中)
現在のPowerShellバージョンを確認する方法
ステップ1:Windows PowerShellを起動
- キーボードで「Windows」キーを押す
- 「powershell」と入力
- 表示された「Windows PowerShell」をクリック
ステップ2:バージョンを確認
以下のコマンドを入力してEnterキーを押します:
$PSVersionTable
表示例(Windows PowerShell 5.1の場合):
Name Value
---- -----
PSVersion 5.1.19041.4894
PSEdition Desktop
PSCompatibleVersions {1.0, 2.0, 3.0, 4.0...}
BuildVersion 10.0.19041.4894
CLRVersion 4.0.30319.42000
WSManStackVersion 3.0
PSRemotingProtocolVersion 2.3
SerializationVersion 1.1.0.1
PowerShell 7のインストール方法(3つの方法)
方法1:winget(推奨・最も簡単)
wingetはWindows 11および最新のWindows 10に標準搭載されているパッケージマネージャーです。
手順:
- 管理者権限でWindows PowerShellを起動
- スタートメニューで「powershell」と入力
- 「Windows PowerShell」を右クリック
- 「管理者として実行」を選択
- インストール可能なバージョンを確認
winget search Microsoft.PowerShell
結果例:
名前 ID バージョン ソース
---------------------------------------------------------------------
PowerShell Microsoft.PowerShell 7.5.2.0 winget
PowerShell Preview Microsoft.PowerShell.Preview 7.6.0.4 winget
- PowerShell 7をインストール 最新版をインストールする場合:
winget install --id Microsoft.PowerShell --source winget
LTS版を指定してインストールする場合:
winget install --id Microsoft.PowerShell --version 7.4.11
- インストールの進行状況を確認
- ダウンロードとインストールが自動的に進みます
- 「インストールが完了しました」と表示されたら完了
方法2:MSIインストーラー(サーバーや企業環境向け)
MSIインストーラーは、サーバー環境や企業環境でインストールプロセスを完全に制御したい場合に最適です。
手順:
- GitHubのリリースページにアクセス
- ブラウザで https://github.com/PowerShell/PowerShell/releases にアクセス
- 最新版(Latest)を探す
- 適切なインストーラーをダウンロード システムに応じて選択:
- 64ビットWindows:
PowerShell-7.5.2-win-x64.msi
- 32ビットWindows:
PowerShell-7.5.2-win-x86.msi
- ARM版Windows:
PowerShell-7.5.2-win-arm64.msi
- 「設定」→「システム」→「詳細情報」
- 「システムの種類」を確認
- 64ビットWindows:
- ダウンロードしたMSIファイルを実行
- インストールウィザードの手順 a. ようこそ画面
- 「Next」をクリック
- 「I accept the terms in the License Agreement」にチェック
- 「Next」をクリック
- デフォルト:
C:\Program Files\PowerShell\7\
- 変更不要であれば「Next」をクリック
- ✅ Add PowerShell to Path Environment Variable(PATHに追加)
- ✅ Register Windows Event Logging Manifest(イベントログ登録)
- ✅ Enable PowerShell remoting(リモート機能を有効化)
- ✅ Add ‘Open here’ context menus to Explorer(右クリックメニューに追加)
- ✅ Add ‘Run with PowerShell 7’ context menu for PowerShell files
- 「Install」をクリック
- 管理者権限の確認が表示されたら「はい」を選択
- 「Finish」をクリック
方法3:Microsoft Store(最も簡単だが制限あり)
手順:
- Microsoft Storeを開く
- スタートメニューから「Microsoft Store」を起動
- PowerShellを検索
- 検索ボックスに「PowerShell」と入力
- インストール
- 「PowerShell」(Microsoftが公開)を選択
- 「入手」または「インストール」をクリック
インストール後の確認と初期設定
インストールの確認
- 新しいPowerShell 7を起動
- スタートメニューで「pwsh」または「PowerShell 7」を検索
- アイコンが黒い背景のものが新しいPowerShell 7
- バージョンを確認
$PSVersionTable
正常な表示例:
Name Value
---- -----
PSVersion 7.5.2
PSEdition Core
GitCommitId 7.5.2
OS Microsoft Windows 10.0.22631
Platform Win64
PSCompatibleVersions {1.0, 2.0, 3.0, 4.0…}
PSRemotingProtocolVersion 2.3
SerializationVersion 1.1.0.1
WSManStackVersion 3.0
Windows Terminalでの設定(推奨)
Windows Terminalを使用している場合、PowerShell 7をデフォルトに設定できます:
- Windows Terminalの設定を開く
- Windows Terminalを起動
- 「Ctrl + ,」キーを押すか、タブ横の下向き矢印→「設定」
- 既定のプロファイルを変更
- 「スタートアップ」→「既定のプロファイル」
- ドロップダウンから「PowerShell」(pwsh.exe)を選択
- 「保存」をクリック
起動時のメッセージを非表示にする(オプション)
Windows PowerShell 5.1の起動時メッセージを非表示にしたい場合、-NoLogoオプションを使用できます:
Windows Terminalの場合:
- 設定(settings.json)を開く
- Windows PowerShellプロファイルを見つける
- コマンドラインを以下のように変更:
"commandline": "powershell.exe -NoLogo"
PowerShell 7と5.1の共存について
PowerShell 7はWindows PowerShell 5.1と並行して実行できるように設計されています。
使い分けのポイント
- PowerShell 7を使うべき場合:
- 新しいスクリプトの作成
- クロスプラットフォーム対応が必要
- 最新の機能を使いたい
- パフォーマンスを重視
- Windows PowerShell 5.1を使う場合:
- 古いスクリプトとの互換性が必要
- 特定のWindows管理モジュールを使用
- Active Directory管理など
実行ファイルの違い
# Windows PowerShell 5.1を起動
powershell.exe
# PowerShell 7を起動
pwsh.exe
自動更新の設定
PowerShell 7.2以降はMicrosoft Updateをサポートしており、Windows Updateを通じて自動更新が可能です。
Microsoft Updateを有効にする
MSIでインストールした場合、再インストール時に以下のオプションを有効にします:
msiexec.exe /i PowerShell-7.5.2-win-x64.msi ENABLE_MU=1
トラブルシューティング
問題1:wingetが使えない
エラーメッセージ:
'winget' は、内部コマンドまたは外部コマンド、操作可能なプログラムまたはバッチ ファイルとして認識されていません。
解決方法:
- Windows Updateを最新にする
- Microsoft StoreからApp Installerをインストール
- それでも使えない場合はMSIインストーラーを使用
問題2:実行ポリシーエラー
エラーメッセージ:
このシステムではスクリプトの実行が無効になっているため...
解決方法: 管理者権限でPowerShellを起動し、以下を実行:
Set-ExecutionPolicy -ExecutionPolicy RemoteSigned -Scope CurrentUser
問題3:古いモジュールが動作しない
一部のWindows PowerShell専用モジュールは互換性の問題があります。
確認方法:
Get-Module -ListAvailable
解決方法:
- Windows PowerShell 5.1を並行して使用
- 互換性モードを有効化:
Import-Module -UseWindowsPowerShell ModuleName
まとめ
PowerShell 7へのアップグレードは、3つの簡単な方法で実行できます:
- winget(最も簡単・推奨)
- MSIインストーラー(企業環境向け)
- Microsoft Store(制限あり)
PowerShell 7は高速で、新機能が豊富で、クロスプラットフォーム対応しているため、アップグレードする価値があります。Windows PowerShell 5.1も並行して使用できるため、安心して移行できます。
参考リンク
最終更新日:2025年9月15日
以下の記事は2020年時点の内容ですが、進化の状況を把握するため残しておきます。
WindowsにあるPowerShellを起動すると、
「新しいクロスプラットフォームの PowerShell をお試しください https://aka.ms/pscore6」という表示がされるので、メッセージにあるURLにアクセスして新しいものを導入することにしました。

現在のバージョンを確認するためには下記のコマンドを入力します。
$PSVersionTable

それで前述のURLにアクセスします。
ページが表示されたら右上に「PowerShellのダウンロード」という青いバナーがありますのでこれをクリックするとGitHubのダウンロードページに進めます。
しかし、今回は説明を読みながらにしたいのであえてページ中央付近の
「Windows への PowerShell のインストール」というリンクをクリックします。

次のページでは「インストーラー パッケージをダウンロードする」という項目にある、「GitHub のリリース」のリンクをクリックします。

GitHubのページに進んだら、上にあるプレビュー版にはしないので画面を下にスクロールしてリリースされたものをダウンロードします。GitHubに来る前、先ほどのマイクロソフトのページにある「MSI パッケージのインストール」という項目でダウンロードするファイル名は
PowerShell-<version>-win-<os-arch>.msi
となっていると書いてありました。
ですので「PowerShell-7.0.3-win-x64.msi」をクリックしてダウンロードします。

ダウンロードが完了したらファイルを実行して指示通りに進めていきます。途中にあらわれる「Optional Actions」につきましては初期値のままとして次に進みます。


インストール完了後はPowerShell7(x64)が追加されています。
背景が青から黒に変更されたみたいです。
また前のバージョンも残っています。

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