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この大学を卒業するとどんな力が身につくのだろうか?/専門性も具体性も見えない大学案内パンフレッ...

2025/9/17

この大学を卒業するとどんな力が身につくのだろうか?/専門性も具体性も見えない大学案内パンフレット/武雄アジア大学。

新設大学の広報において最も重要なのは、「この大学で学べばどのような力が身につき、どのような将来に結びつくのか」を受験生やその保護者に明確に示すことだ。

しかし、武雄アジア大学の案内パンフレットを読む限り、その点が極めて曖昧である。

武雄アジア大学は「観光・地域マネジメントコース」と「東アジア・メディアコンテンツコース」を掲げている。パンフレットには「観光を活かしてまちづくり」「SNSを活かして国際発信」といったキャッチコピーが並ぶが、具体的にどのような専門性が養われるのかは全く伝わってこない。受験生の立場に立てば、「ここで学べば何ができるようになるのか」が見えないのである。

「現場主義」「地域研究に基づく」といった言葉は並ぶが、カリキュラム例を見る限り「コンテンツツーリズム論」「東アジア・メディア演習」などの科目名が羅列されているにすぎない。体系的な実習や必修インターンシップといった具体的な実践教育の仕組みは示されていない。これでは「実践力」という看板が空疎に響くだけである。

時間割と称して3年生の1週間が記されているページがあるが、専門性を高めるはずの3年次においても韓国メディア論、音楽地域づくり論、韓国ビジネス論、実践韓国語と体系のない、バラバラな学びを提供するようだ。とりあえず揃えた教授陣で授業をするとこうなるのだろうかと推察するところ。

そして、「未来」と称して示される進路例には、広告代理店、メディア企業、公務員、データサイエンティスト、まちづくりコンサルタント、イベントプランナー、博物館、美術館などが一挙に並べられている。

あまりに範囲が広く、武雄アジア大学の学びとどのように結びつくのかも具体的には示されていない。言い換えれば、大学自身が自らの教育の出口戦略を整理できていないことの表れである。

しかも、このようなよくわからない大学に、武雄市が13億円もの公費を投入してしまったことを思うと、暗澹たる気持ちにならざるを得ない。市民にとっては、教育の中身とそれが地域にどうプラスの効果をもたらすかの保証がないまま、巨額の税金が投じられたことになる。

武雄アジア大学のパンフレットは「ふんわりとした希望的観測」に終始し、専門性も具体性も見えない構成となっている。これでは受験生とその保護者に対して魅力を示すことは難しく、むしろ不安を与えるだけだろう。

自分自身が受験生であれば、入学金・学費が無料だったとしても選ばない。

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著者

こんどう けんじ

こんどう けんじ

選挙 網走市議会議員選挙 (2019/04/21) [当選] 1,142 票
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肩書 人材開発株式会社CEO/DXコンサルタント/公共交通アドバイザー
党派・会派 自由民主党
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