ウエストサイドストーリー。
ミュージカルに詳しくない人でも大抵は知っているくらい
超メジャーかつ名作なこの演目を少年隊が演じる日が来るとは。
そもそもジャニーズ事務所はジャニーさんが
野球チームを組んでいた少年達とWSSを観て感動し
いつかこういうミュージカルをやろうと立ち上げたというのは
有名な話で、ジャニーさんの40年来の夢が叶った訳だ。
しかもジャニーズ事務所のミュージカル路線というのを
一番忠実に守ってきたグループによって初上演。
そりゃーもうジャニーさんは嬉しかったことだろう。

だけど少年隊ファンには評判は芳しくなかった。

話題満点。作品としては間違いない。

1月に制作発表、5月に初顔合わせ、充分な準備期間。

実力派の共演者。世界的演出家による本格派舞台。

少年隊ファンがずっと望んでいたことではないか。

それなのに評判がイマイチなのはなぜか



それが「PLAYZONE」での上演だったからだ。



改めて解説するまでもないが一応ストーリーは


NYのウエストサイドには対立する2つの不良チームがある。

貧しい白人のジェット団とプエルトリコ移民のシャーク団。

日頃から小競り合いを続けてきた2組だが、早く決着をつけたい。

ジェット団のリーダー・リフは兄貴分でありかつてジェット団を

率いていたトニーに助太刀を依頼する。トニーは既に更生し

真面目に働いていたが、その夜のパーティーには顔を出すと

約束する。パーティーにはシャーク団のメンバーも来ており

そこでも一悶着あるが、シャーク団のリーダー・ベルナルドが

連れてきた妹・マリアはトニーと出会うなり恋に落ちてしまう。

翌日ジェット団とシャーク団は決闘になるが

マリアに頼まれたトニーは喧嘩の仲裁に駆けつける。

しかし、そこでベルナルドが誤ってリフを刺し殺してしまい

逆上したトニーはベルナルドを殺してしまう。

仲間のチノからそれを聞かされたマリアは激しくショックを受けるが

トニーを拒絶できず二人でこの街から逃げようと決める。

しかしマリアからの伝言を頼まれたアニタはジェット団に

乱暴され、マリアは死んだとの嘘をトニーに伝えてしまう。

自暴自棄になったトニーは夜の街に飛び出し、

そこで死んだと思っていたマリアと再会するのだが・・・



私が初めて自腹を切ってチケットを買った舞台は「MYSTERY」だが
少年隊以外の舞台で初めて買ったチケットとなると
劇団四季のWSSだった。MYSTERYと同じ年のことである。
初めて観る本格的なミュージカルの舞台。
プレゾンは楽しかったけど、やっぱりアイドル舞台で
話云々より私には「ニッキ、カッコイイドキドキ」というのがまず第一で
舞台自体に感動とかいうのはなかった。
一方、WSSは純粋に感動して泣いてしまった。
話自体もドラマチックな悲劇だし
全ての歌が名曲で、全てのダンスが素晴らしく

私は完全にWSSの虜になってしまい

ビデオを借り、サントラCDを購入してその世界に浸った。

その後数々のミュージカルを舞台で映画で見てきたが

私にとってのNo.1ミュージカルは未だWSSのままだ。




WSSの映画は幼い頃から時々テレビでやっていて
親が見たりしていたけど、曲は何曲か聴いたことがあるものの
ちゃんと話を通しで見たことが無かったので

改めて映画を見てみたら、J・チャキリスがカッコよくて

おそらく映画を先に見ていたらベルナルドのファンになって
いただろうというくらい映画ではナルドのキャラが立っていた。
でも舞台では最初にあの印象的な決めポーズがあるものの
その後そんなに踊っているという印象がなく
むしろリフがいっぱい踊っているんだなぁと思ったのが
その時の感想。で、リフとナルドは一幕で死んじゃったので
え?主要人物がこんなに早く死んじゃうの?
じゃあ2幕にはトニーしか出ないんだ
と思いながら観ていた。
なんでこんなことを考えながら見ていたかといえば
雑誌とかラジオとかでいつかは僕らもWSSが出来たら…
ということを少年隊自身が語っていたので
もし彼らがやるなら、誰がどの役をやるのがいいのかな
などと想像していたからだ。

でもその主な役は
トニーは主役で2枚目だし全編通して出ているけど
歌は沢山歌うものの踊りは皆無
ベルナルドはスマートでセクシーで
カッコイイ役だけど
出番は少ないし踊りも思ったほどは多くないので
オイシイ役のイメージが一人歩きしてる
リフは実は一番踊っていて歌もそこそこあるんだけど
一般的イメージが地味なのと何しろ出番が少ない
どれをとっても一長一短があるのだ。
そういえばヒガシがいつだったか、かなり昔

「いつかベルナルドをやってみたい。でも

『COOL』と『JET SONG』をやる為にはジェット団なんだよね」

とか言っていたことがあった。

本人達にも難しい選択枝だったのだろう。

それで私が勝手に考えていたのは
3人が日替わりで全部の役をやるということ。

プレゾンならそういう突拍子もないこと出来そうだったし、
そうすれば日によっては歌がいっぱい聴けるし
日によっては踊りがいっぱい観れるし

日によってはとにかくカッコイイ役ができるということで
それぞれのファンがみんな満足できるのでは?
と思ったりしていたのだった。

しかしいざ現実にWSSが上演できるとなったら

それは不可能なので、誰がどの役か組み合わせを色々

シュミレーションしたりしてみた。



かくして実際に発表された配役は

一番なさそうと思っていた配役だった。

トニー=東山。ベルナルド=植草。リフ=錦織。

ぶっちゃけて言うとニッキは割と

どの役やってもそれなりに嵌ると思ったんだけど

カッちゃんとヒガシはダンスと歌の得意分野から考えて

逆のイメージだったのだ。

その場合ニシキとヒガシの役は逆でも可なんだけど。

だから私の予想では

トニー=植草。ベルナルド・リフ=東山・錦織(可変)

だったのだ。

これはどんなモノになるんだろう。

期待と不安が入り混じった気持ちで初日を待った。



そして初日の幕が開き、少年隊のWSSを観た。

話の展開はわかっているので、少年隊がそれを

どう演じているのかだけが評価ポイントだった。

トニーはマリアが一目で恋に落ちる2枚目でなければならない。

だからヒガシはその点で最初から条件をクリアしている。

劇団四季で初めて見たときのトニーは山口祐一郎さん。

背も高くスマートで年の割に若々しく典型的な二枚目

そりゃ一目ぼれもされるわなと思ったのに、

映画で観たとき、私はR・ベイマーのトニーを

全くカッコイイと思えず、なんでマリアはこの人を?

兄ちゃんの方が全然カッコイイのに・・・と思ってしまったので

ヒガシの2枚目好青年ぶりは役に説得力があってよかった。

カッちゃんはダイエット頑張ってまずは見た目をセクシーな

ベルナルドに近づけて、あのポーズもかなり頑張っていた。

そしてニシキ。

WSSのダンスはバレエが基調となっているから、

基本に忠実で技術があり柔軟な踊りを踊るニシキが

一番踊りの多いリフってのは妥当な選択だったんだと思う。

ニシキが、というより少年隊が「COOL」をやったのは

レッツゴーヤングだったかでかつて見た事はあったけど

こうして本物をニシキ達で観られる日が来るなんて感無量。

そりゃ色々と言いたいこともあるんだけど、

「Prologue」「Jet Song」「Dance At The Gym」

夢見てた名曲をニシキが踊ってくれている。

それだけでもう、もう・・・キラキラ



他の出演者、敬称略させていただくが

島田歌穂はさすがの歌の上手さだった。

多分音域は普段の彼女よりも高いんだと思うけど

私は彼女のエポニーヌが大好きで何度も泣かされたので

無条件に彼女の歌には心揺さぶられる。

マリアにあってたかっていうとちょっと微妙なんだけど(^_^;)

私は宝塚には詳しくないので

香寿たつきはこの時初めて知った女優さんだった。

これまたアニタの肉感的な感じにはちとどうかなってとこだけど

歌と、そして何より踊ったときの姿勢がさすがにカッコよかった。

WSSの中で私が一番感情移入しているのがアニタなので

「AMERICA」「A Boy Like That」は見所だった。

だって一番気の毒な人なんだもん。恋人は殺されるし

それなのに憎むべき敵へ使いっぱしりさせられて

挙句そいつらに乱暴されるって・・・(T_T)

赤坂はこの時初めてその舞台での演技を観たけど

さすがに東宝はじめ数々の舞台を踏んできただけのことはある。

歌が思いのほか上手かったし、踊りもけっこうイケる。

見せ場の面では実はアクションは一番オイシイ役なんだよね。

ジェット団だから踊りはいっぱいあるんだけど

リフは途中までしか踊らない「Jet Song」も最後まで踊ってるし

何より「Gee, Officer Krupke!」は舞台版の場合メインとなる。

そして当然生きてるので最初から最後まで出演している。

うーらーやーまーしーーーい!!

しかしリーダーが死んじゃってるのに呑気にクラプキ巡査を

からかってオチャらけた歌を歌ってるジェット団、

リフって可哀想な奴・・・汗

アツヒロは2年ぶりのプレゾン。チノは歌がなく台詞も少ないので

ちょっとアツヒロを使うのは勿体無い気もするけど

暗さを秘めた感じは良かったんじゃないかな。

なんか今年のプレゾンのMCで

「アツヒロはWSSの時もずっと植草を睨んでて

同じチームなのにシャーク団には内紛があるんだなと思った」

とかニシキが言ってたと、どなたかのレポで読ませていただいて

あの攻撃的なリフが敵チームの人間関係を観察してる図が

頭に浮かんでなんだか可笑しかったわ。

でもさ、アツヒロがチノだとカッコよすぎて

何も敵に恋しなくたって身近にめちゃめちゃ二枚目がいるじゃない

ってマリアに言いたくなってしまうよな。

それから、シルビア・グラブが6年ぶりにプレゾン登場。

6年前は無名だったのに

今やすっかりミュージカル界の第一線で活躍してて

こういう凱旋も嬉しい限り。

斉藤晴彦さん渡辺哲さんもベテランとして場を締めていて

本当にいい共演者にも恵まれて、いい舞台になったと思う。




じゃあ私はプレゾンWSSに満足してるかっていうとまた別問題で

1つにはやはりこれはプレゾンでやって欲しくなかったって事。

最初はこういう形態をこそ望んでいたんだよ、私も。

少年隊がアイドルじゃなく実力派舞台俳優として評価されて

一般のお客さんも来てくれるミュージカルになることを願ってた。

でも、途中からプレゾンは本当にその名の通り

少年隊とファンが遊ぶ場所

少年隊によって楽しませてもらう夏祭りといった風に変わって、

最初はなんだかそれに不満だった私も

それじゃあMCやアドリブや共演者弄りなんかも含めて

楽しければいいや、っていうかもうそっちで楽しませてって風に

気持ちが変わっていったのに、今更がちがちのミュージカルを

プレゾンでやられても・・・ってのが正直なトコだった。

これがプレゾン以外に更にWSSもやるっていうんだったら

多分ファンはみんな懐は苦しくなるけど喜んだと思う。

でも、プレゾンっていう少年隊とファンとの文字通り遊び場で

アドリブはおろか、カーテンコールさえも決められたとおりにしか

できないという本当に型にはまったミュージカルを見せられては

ファンの気持ちが不完全燃焼だったとしても仕方ないと思う。


それと、やっぱり

もっと早くに演じて欲しかったんだよね。
四季のWSSは初見以来何度も観たけど
その度に、大人に理解されない不良少年少女の話なのに
何でこんなに年いった人たちばっかりなんだろ。
ああ、少年隊が演ればずっとピッタリなのに

と思っていたのに
いざ少年隊が演ったときには
その時の四季の役者さんたちより年上だった・・・汗

できれば20代、遅くとも30代前半だったら

ビジュアルも躍動感も全然違っていたと思うのよ。

その分歌にしてもダンスにしても技術力は向上してるんだけど

反面スピード感とか瞬発力はどうしたって落ちてくるしね。

でもこの前ちょっと調べてみたら
ジャニーズの大先輩で

プレゾンWSSも観に来てくださった飯野おさみさん

私が最初に観た時点のWSSで既に40歳を越えていた!!
更にその後も飯野さんはリフを演じている!!!

なんだ、じゃあ少年隊全然問題ないじゃない。

4ヵ月後に嵐の3人もやったりしたから実力的なものはともかく

見た目が彼らのほうがあってて良かったなんて話をきくと

やっぱり若くなきゃダメなの?とか思ったけど

そんなことないんだよね。

要は日頃の鍛錬と心構えだよな。

でもって勿論外見を若く保つこと、これ最重要ね。(^▽^;)

飯野さんなんて、40そこそこの頃よりも

それ以降の方が明らかに若い。
心掛け次第で外見なんていかようにも変わるんだから

私はこれからにも期待しているよ。

そしたらまた少年隊のWSSを観てみたいな。

プレゾン以外の舞台としてね。




夏海



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