「まるでぼったくり」無事故なのに6万5000円…レンタカー会社が"見えない傷"に修理代を請求し始めたワケ
開発元のユーブイアイ社は自社ウェブサイトで、「手動チェックの5倍の損傷を検出」でき、「発見した損傷の請求総額が6倍になる」とうたっている。人間の目では見逃されていた微細な傷まで発見し、それを収益源にする技術として売り込んでいる。 ハーツ側はシステム導入の狙いを、透明性と公平性を高めるためだと説明している。全米日刊紙のUSAトゥデイによると、同社の広報担当者は「この技術でスキャンした車両の97%以上は請求対象となる傷がなく、ほとんどの貸し出しで問題は起きていない」と述べている。 前の利用者が付けた傷なのか、今回の利用で生じた傷なのかをはっきり区別できるため、顧客は不当な請求を受けることがない――と同社は利点を強調する。 しかし、米自動車専門メディアのカー・スクープスが指摘するように、顧客には不安が広がっている。現在このシステムは、アトランタのハーツフィールド・ジャクソン国際空港、ヒューストンのジョージ・ブッシュ国際空港、シャーロット・ダグラス国際空港、フェニックス・スカイハーバー国際空港、タンパ国際空港、ニューアーク・リバティ国際空港の6カ所で稼働している。同誌によればハーツは、年内に100拠点への拡大を計画しているという。 ■3センチ未満の傷で6万5000円 アトランタ空港では、さらに高額な請求事例が発生した。 ある利用者は、ハーツ傘下のスリフティで借りた車を返した直後、アプリで通知を受けた。USAトゥデイ紙によると、運転席側後輪のタイヤにある1インチ(約2.5センチ)の擦り傷をAIスキャナーが検出。縦列駐車で縁石にこすってできるような、ごく一般的な傷だ。 この利用者は、修理費として250ドル(約3万7000円)、処理費として125ドル(約1万8000円)、そして管理費として65ドル(約9600円)、合計440ドル(約6万5000円)の請求を受けた。国際ニュースメディアのIBタイムズ英国版も同じ内訳を報じており、2日以内なら52ドル(約7600円)割引、1週間以内なら32.50ドル(約4800円)の割引を与えるとの通知もあったという。 思わぬ請求を受けたこの利用者は、サポートと連絡を取ろうとした。だが、チャットボットから先に進めず、人間の担当者にはついにつながらなかったという。 異議申し立てを行えば担当者に再審査を求めることもできたが、利用者はそこまで制度を熟知していなかった。通常の「お問い合わせ」リンクからメッセージを送信したところ、返事が来るまで10日もかかったという。時間が経てば割引も受けられなくなる仕組みとなっており、利用者は苦い思いをしたことだろう。 ■ビデオで証拠を押さえても取り合ってもらえない 今年7月下旬、10年来ハーツを愛用してきたという顧客も、予想外の仕打ちを受けた。 ユーザー名「Akkasca」を名乗るこの利用者は、海外ネット掲示板のレディットに、ヒューストンのジョージ・ブッシュ国際空港で車を返した際の出来事を綴った。