労働集約型産業
労働集約型産業とは、人間の労働力に頼っている業務の割合が多い産業を指す
労働集約産業では多くの労働力が必要になるため、1人あたりでは生産力が低く賃金が安くなる傾向にあります。
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労働集約型産業
- 大人数で少量生産です。
- 体を使った労働が中心です。
- 肉体的に疲れます。
- 勉強量は少なくて済む傾向があります。
- 年収が低い傾向があります。
- ただし、高度な技能職は高年収になることがあります。
- 生産性の向上が難しく、年収の上限が低い傾向があります。
資本集約型産業
- 少人数で大量生産です。
- 設備を使いこなす労働です。
- 中程度の勉強量が必要です。
- 年収は中程度の傾向があります。
- 比較的、生産性を向上させやすいので、年収の上限が中程度の傾向があります。
知識集約型産業
- 知識を使いこなす労働です。
- 精神的に疲れます。
- 多くの勉強量を必要とする傾向があります。
- 年収が高い傾向があります。
- ただし、知識やスキルが未熟だと、年収が低くなります。
- 生産性を向上させやすく、年収の上限が高い傾向があります。
知的集約型産業であるITエンジニアでは、基礎を身に着けるための勉強をした後、
- 週当たりの勉強時間1.4時間 年収300万円台
- 週当たりの勉強時間1.8時間 年収500万円台
- 週当たりの勉強時間1.9時間 年収700万円台
- 週当たりの勉強時間2.6時間 年収1,000~1,400万円台
- 週当たりの勉強時間3.7時間 年収1500~万円以上
労働集約型から資本集約型に進むと、賃金が増えます。
日本の農業
江戸時代の農業と比べれば、現代の日本農業は、農業機械を使うので資本集約型産業(機械が増えた)といえます。
しかし、アメリカと比べると、日本は機械化や自動化が十分に進んでおらず、労働集約型産業(機械が少ない)と見なされます。
アメリカの農業は「少数の農家による大規模化」が着実に進んでいることがわかります。
大規模化によって農業従事者の数も減少を続け、農業従事者は、近年では全人口のおよそ1%となっています。1農場当たりの農家の数はわずか1.5人です。
アメリカは少人数で大量生産をし、安く売ってしっかりと利益を出しています。
大量生産をしているので、世界の食糧庫と言われています。
イスラエルは砂漠の国でもありながらも実は世界有数の農業立国でもあり、食料自給率は100%に近く、自国で自給するだけでなくヨーロッパを中心に多くの農産物を世界中に輸出しています。
そのイスラエルの農産物(加工品を含む)の輸出額は2,541億円(2007年)であり、これは日本の農産物輸出額とほぼ同水準でありますが、人口700万人のイスラエルは四国より少し大きい程度の国土であり、農業従事者の数も40分の1未満であります。水が豊富で豊かな土壌に恵まれた日本とは異なり、イスラエルは国土の60%が乾燥地帯に属し、水資源に乏しい国であるのにも関わらず、農産物に関しては日本の50倍もの生産性を持っているともいわれています。
サービス業
ニューヨーク連邦準備銀行の分析によりますと、1995年からアメリカなどの先進国の生産性が向上している最大の要因は、IT、通信業界の発達だと結論づけています。そのITが最も活用されている業種が、実はサービス業です。1995年以降、ほかの先進国の生産性が大きく向上して、日本の生産性が置いていかれている理由のひとつは、日本のサービス業がITを十分に活用できていないからという結論が導き出されています。
他国のサービス業ではIT化が進み(資本集約型が進み)、結果、生産性が向上して大きな賃金上昇を実現させました。
https://www.news-postseven.com/archives/20201229_1623982.html/3東京某所にある中堅メーカーでは、労働者の味方であるはずの「労働組合」が社内失業者の巣窟と化し、会社の中核を占める中堅や若手社員との対立が激化しているという。
ITスキルをつけるための勉強会とか、若手が管理職社員にパソコンなどの使い方を教える講習会を何度もやってきたんです。社外のスクールに行く場合は、授業料の補助まであった。なのにほとんどのベテランはボーッとしているだけ。早期退職の話が出た時、暇なベテラン達が一斉に労組に入り、社員をクビにするなと運動を始めたんです
彼らが辞めないと、若手の給料は増えない。金にならない彼らが辞めないと新たな人件費を捻出できないため、新たな人材を連れて来られず、会社は痩せ細るばかり
物流
日本のトラックは、先進国の多くのトラックとは異なり、取り外し可能なトレーラーを有していない。段ボール箱は標準化されておらず、例えばオレンジを出荷するのに400種類ものサイズがある。
「日本では物流業界の標準化が非常に遅れている」と、流通経済大学で配送システムを研究している矢野裕児は話す。「パレットのサイズは標準化されていないし、製造業者や卸売業者は標準化されたデータ共有システムを使用していない」。
統一性がないため、貨物の積み下ろしは手作業で行わなければならない。他国ではフォークリフトで行われる作業が、日本ではトラック運転手によって行われているのだ。
手作業 → 労働集約型
フォークリフト → 資本集約型
経済が発展して、資本集約型産業や知識集約型産業に人が集まりだすと、労働集約型産業において人手不足が起きます。
大阪外食産業協会(会員企業560社)の井上泰弘副会長(60)に、業界の実情などを聞いた。
飲食業は労働集約型で、他の産業に比べて給料が低く、人気の業種だとは言いにくいです。多くの人が休む時間に店を開ける必要もあって人手の確保は簡単ではなく、すでに何年も前から外国人スタッフなしで店を回していくのは難しい状況になっています。
経済成長(労働集約型産業 → 資本集約型産業)
機械の導入などにより資本集約化が進めば、一人当たりの生産量(労働生産性)が向上して、経済成長が起きます。
GDP(国内総生産)とは国内の生産量の事で、労働者全体における生産量の合計です。
一人当たりの生産量が増えると、賃金も上昇します。
経済成長と投資家
マネーサプライと密接な関係にある名目成長率に対し、実質成長率はむしろ労働、資本、生産性などによって左右されるという違いがある。
お金の量を増やせば、名目GDPが増えます。
- インフレなど、物の値段が上昇すると名目GDPが増えますが、実際の生産量は増えていません。
- 経済を原始的に考えると物々交換です。
- みかん1個100円とりんご1個100円が交換されていた場合、名目GDPは200円です。
- 物価が上昇してみかん1個1000円とりんご1個1000円が交換されるようになった場合、名目GDPは1000円です。
- 名目GDPは上昇しましたが、豊かさで言えば、みかん1個とりんご1個のままで、生産量が同じなので豊かになっていません。
- このみかん1個とりんご1個というのが実質GDPです。
- 実質GDPでは物価上昇の影響を取り除くので、物価上昇後の実質GDPは200円です。
実質GDPの場合は、労働、資本(機械や設備など)、生産性(技術進歩)が影響します。
投資家が企業に出資することで資本(機械や設備)が増え、投資家が研究に出資をすることで生産性(技術進歩)が向上し、経済が発展します。