SNSで政治家になりすまし投資を呼びかける「偽アカ」続出…「気味が悪い」「信頼に関わる深刻な問題」
SNS上で、政治家になりすます偽アカウントが全国で続出している。国・地方議員、首長の写真や投稿内容を丸写しして本人を装い、閲覧者に投資を呼びかけるメッセージを送る手口で、詐欺被害につながる可能性がある。政治家の信用を悪用しており、専門家は国民の政治不信を招く恐れを指摘する。(後藤茜、原聖悟) 【写真】なりすましについて注意喚起をする長島昭久衆院議員のアカウントの投稿=長島氏のインスタグラムから
顔写真やプロフィル、本物をコピー
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福岡市の富永周行市議(51)は8月下旬、知人からインスタグラムのメッセージを見せられ、目を疑った。「自分」が経済不安を煽り、投資を促す外部サイトを紹介していた。身に覚えがなかった。
送信元のアカウント名をよく見ると、自分が使っている「tominaga」ではなく、「tominoga」だった。顔写真、プロフィル、投稿内容は本物がコピーされ、見分けがつかない。事業者に通報してから停止されるまで約2週間かかった。注意喚起などの対応に追われ、「気味が悪い。私を信頼してくれる人たちを私の顔と名前でだますことが許せない」と憤る。
偽アカウントを知らせた同市の会社員(49)は、富永氏と誤認し、フォロー。勧誘メッセージで偽物と気づいた。藤さんは「本物そっくりで、連絡が来たら本人からだと思ってしまう」と話した。
政治家全体に広がっている可能性
偽アカウントによるなりすましは、著名人が被害に遭っている。今年の参院選では複数の候補者で見つかった。これが政治家全体に広がっている可能性がある。
読売新聞の調べでは、福岡市議会(定数62)では5月以降、所属政党問わず富永氏含め少なくとも市議7人がなりすましに遭っていた。ほかにも昨年から東京都議、大阪府議、長崎市議など各地の地方議員で確認した。三重、福井、福岡、鹿児島などの県知事でもあった。
自民党の長島昭久衆院議員(63)(比例東京)は参院選期間中から、インスタグラムで複数の偽アカウントを作られた。長島氏の事務所は確認の度にSNS事業者に偽アカウントの停止を要請している。事務所は「信頼に関わる深刻な問題だ。停止させたくても要請しかできない」と語る。