<ユースク> ひらがなの『を』、発音は『O』と『WO』のどっち?
2022年11月24日 05時05分 (11月24日 05時05分更新)
最近、テレビで「『を』は『O(お)』と読む」と知り、生まれてからずっと「WO(ぅお)」と発音してきた私はびっくり。でも、歌手は「あなた『WO』〜」などと歌っていませんか? パソコンで「を」は「WO」と入力することなどが影響したのでしょうか? 愛知県一宮市の主婦(54)
日常の会話にも頻繁に出てくる「を」。他人の発音を気にしたことこそないものの、当然のように「O」とは全く別の発音だと思っていました。ところが、取材班が行ったアンケートからは意外な結果が…。発音の差には何が関係するのか、探りました。(高田みのり)
分析1 意見真っ二つ
「ひらがなの『を』、発音は『O』と『WO』のどっち?」。まず同僚に聞いてみると意見が割れた。
生まれてこのかた名古屋市民の記者F君(28)は「『WO』ですかね」。一方、関西在住歴30年超のYカメラマン(50)は「『O』やろ」と一刀両断。三重県育ちのFカメラマン(55)も「O」と答えたが、東京で育った長女(25)は「『WO』。高校の古文で習った」そうだ。白熱する議論を聞いていた先輩記者Sさん(34)が言う。「困ったら広辞苑でしょ」。ページを繰ると、解説にはこうあった。
「平安中期までは『う』に近い半母音<W>に母音<O>を添えた<WO>だったが、現代では『お』<O>と同じに発音する」
ちなみに記者は「WO」派だ。他の人はどうだろうか。7〜9日にユースクでラインの友だちにアンケートした。回答者は2032人。「WO」1093人(53.8%)、「O」939人(46.2%)だった。
意見はさまざま。愛知県の60代男性は「小学校で『WO』と習ってから、それが普通だと思っていた」。一方、大学で国語の文法を学んだという岐阜県の30代女性は「『を』は本来、『O』と発音すると習った」。状況に応じて使い分ける人も一定数いた。愛知県の60代女性は「人と話す時は『O』、カラオケで歌う時は『WO』」という。
分析2 性別・年齢別でも半々
きれいに意見が分かれたため、より細かく、回答者の属性ごとに調べた。性別および年齢別に、回答をそれぞれ%で算出した(ただし、回答数が20人を下回った属性は「*」をつけ、参考値とした)。
結果はまたも「WO」が過半を占めたが「O」との差はごくわずか。最も差がついた「10〜20代」群でも「WO」と「O」は6対4にとどまった。アンケートでは「『O』と思っていたが、80代の父は『WO』だと言う。世代によって違うのだろうか」(岐阜県の50代女性)との疑問も寄せられたが、結果はそうでもなさそうだ。
分析3 地域別に調べると…
ここまでくれば、何が発音を分けるのかを突き止めたい。そこで、回答を地域別に集計してみると、これまで過半を占めてきた「WO」が少数派に転じる県があった。岐阜と三重だ。
「O」は岐阜で58.7%、三重では63%と多数派。三重県の50代女性は「『WO』という読み方をする人もいるんですか!?」と驚き、岐阜県の50代女性も「周りは『O』がほとんど」。反対に滋賀は「WO」が8割超を占め、地域ごとの発音の差が顕著になった。
国の言葉は、国に聞くのが一番。文化庁国語課の担当者によると、「内閣による告示(『現代仮名遣い』、1986年)の中に、(古文に出てくるような)歴史的仮名遣いとの対照表があり、そこでは『を』の発音を『お』と示している」という。
さらに、「O」と「WO」のように、かつては区別された発音も江戸時代ごろから区別されなくなってきた経緯も教えてくれた。その上で「今は地域差が大きい状態です」。「O」と「WO」、あなたの周りはどちらでしょうか?
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