20250921「金次郎像と教科書」
「金次郎像と教科書」というテーマで、冊子を準備している。
はじめに
自民党総裁選(2025年9月)に、高市早苗が立候補している。高市が総理大臣になれば、小・中学校用教科書は激変するだろう。27年前の1997年2月、「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」が発足し、高市早苗は幹事長代理に、安倍晋三は事務局長に就任し、高市は安部とともに旗を振って、「新しい歴史教科書をつくる会(つくる会)」発足(1997年1月)へと導いたように。
2000年には、つくる会は中学校教科書『新しい歴史教科書』『新しい公民教科書』(扶桑社)の検定申請をおこない、2001年検定に合格(4月)し、採択されたのは歴史=0・04%、公民=0・1%だった(2005年、歴史=0・39%、公民=0・19%)。
「つくる会」は2007年に分裂し、扶桑社の教科書事業子会社としてフジテレビが3億円を出資して「育鵬社」を設立し、歴史・公民教科書を出版した。他方「つくる会」を飛び出した人たちは2006年10月に、「日本教育再生機構」という団体を立ち上げ、育鵬社版の教科書採択を各方面に働きかけている。
検定合格後、育鵬社の教科書はシェアを伸ばしていったが(下記一覧表)、2021年版の育鵬社版教科書は採択数を減らし(歴史=1・1%、公民=0・4%)、2025年度版の採択は歴史=0・5%、公民=0・3%へと凋落している。2024年、令和書籍(竹田恒泰ら)による3冊目の歴史修正主義の教科書『国史教科書』が参入してきた。
2024年に検定を通過した9社の歴史教科書のうち3社(自由社、育鵬社、令和書籍)の教科書は、歴史修正主義に基づく「危険な教科書」である。令和書籍の『国史教科書』は2018年から中学校歴史教科書検定に申請し、6年後の2024年に合格した。この教科書はあまりにも復古主義的で、現代の歴史学研究の成果からは大きくずれているために、採択する自治体や学校はほとんどなかった。
石川県内の採用状況
石川県内の公立中学校の歴史・公民・道徳教科書の採択状況をチェックした(下記一覧表)。金沢市、加賀市、小松市の中学校では、2017年度から「つくる会」の歴史・公民教科書が使われはじめ、2025年度では金沢市が離脱し、加賀市と小松市が採択している。
参政党などの右翼排外主義政党の跋扈に加えて、自民党総裁選の結果如何では、「つくる会」系教科書の採択率が再び上昇する可能性がある。注視・警戒を怠ってはならない。

注:『戦後教科書運動史』や、ネット上の各市HP、石川県内の切り抜き帳などから整理したが、万全とは言えない。
目次
第1部
20160700 「道徳から修身へ」(『展望』投稿)――1~
(1)はじめに/(2)明治初期の教育政策と修身/(3)修身と教育勅語/(4)「道徳」復活までの経過/
(5)育鵬社版『道徳教科書』/(6)「学習指導要領」と『私たちの道徳』/(7)まとめ/「資料」(1~4)
20110614 教科書展示会へ行こう――14~
20110619 自由社版歴史教科書の「八田与一」記述について――15~
20150730 金沢市教育委員会議事録分析――16~
20160119 育鵬社版「道徳教科書」を採用させないために――18~
20160212 『13歳からの道徳教科書』を読む(中学校用、育鵬社)について――21~
20160221 渡辺毅の『道徳の教科書』を読む――24~
20160331「道徳教科書」に関して――27~
20160405『中学生の教科書―美への渇き』を読む――28~
20160406『精選 尋常小学校修身書』(八木秀次2002年)を読む――30~
20161201『学校に思想・良心の自由を』を読む――31~
20170420 修身の復活を狙う道徳教科書(『未来』投稿)――34~
20170625「道徳教科書」について考える――36~
第2部
19730200 「大城君を支援しよう」(出島権二)――42~
20130407 二宮金次郎像について――43~
20160411 二宮金次郎と道徳教育――44~
【資料】1973年「二宮金次郎の亡霊」(柴田道子『世界』)(10頁分)――47~
【資料】2012年「金沢の二宮金次郎像」(村本外志雄)(6頁分)――57~
「金次郎像と教科書」というテーマで、冊子を準備している。
はじめに
自民党総裁選(2025年9月)に、高市早苗が立候補している。高市が総理大臣になれば、小・中学校用教科書は激変するだろう。27年前の1997年2月、「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」が発足し、高市早苗は幹事長代理に、安倍晋三は事務局長に就任し、高市は安部とともに旗を振って、「新しい歴史教科書をつくる会(つくる会)」発足(1997年1月)へと導いたように。
2000年には、つくる会は中学校教科書『新しい歴史教科書』『新しい公民教科書』(扶桑社)の検定申請をおこない、2001年検定に合格(4月)し、採択されたのは歴史=0・04%、公民=0・1%だった(2005年、歴史=0・39%、公民=0・19%)。
「つくる会」は2007年に分裂し、扶桑社の教科書事業子会社としてフジテレビが3億円を出資して「育鵬社」を設立し、歴史・公民教科書を出版した。他方「つくる会」を飛び出した人たちは2006年10月に、「日本教育再生機構」という団体を立ち上げ、育鵬社版の教科書採択を各方面に働きかけている。
検定合格後、育鵬社の教科書はシェアを伸ばしていったが(下記一覧表)、2021年版の育鵬社版教科書は採択数を減らし(歴史=1・1%、公民=0・4%)、2025年度版の採択は歴史=0・5%、公民=0・3%へと凋落している。2024年、令和書籍(竹田恒泰ら)による3冊目の歴史修正主義の教科書『国史教科書』が参入してきた。
2024年に検定を通過した9社の歴史教科書のうち3社(自由社、育鵬社、令和書籍)の教科書は、歴史修正主義に基づく「危険な教科書」である。令和書籍の『国史教科書』は2018年から中学校歴史教科書検定に申請し、6年後の2024年に合格した。この教科書はあまりにも復古主義的で、現代の歴史学研究の成果からは大きくずれているために、採択する自治体や学校はほとんどなかった。
石川県内の採用状況
石川県内の公立中学校の歴史・公民・道徳教科書の採択状況をチェックした(下記一覧表)。金沢市、加賀市、小松市の中学校では、2017年度から「つくる会」の歴史・公民教科書が使われはじめ、2025年度では金沢市が離脱し、加賀市と小松市が採択している。
参政党などの右翼排外主義政党の跋扈に加えて、自民党総裁選の結果如何では、「つくる会」系教科書の採択率が再び上昇する可能性がある。注視・警戒を怠ってはならない。
注:『戦後教科書運動史』や、ネット上の各市HP、石川県内の切り抜き帳などから整理したが、万全とは言えない。
目次
第1部
20160700 「道徳から修身へ」(『展望』投稿)――1~
(1)はじめに/(2)明治初期の教育政策と修身/(3)修身と教育勅語/(4)「道徳」復活までの経過/
(5)育鵬社版『道徳教科書』/(6)「学習指導要領」と『私たちの道徳』/(7)まとめ/「資料」(1~4)
20110614 教科書展示会へ行こう――14~
20110619 自由社版歴史教科書の「八田与一」記述について――15~
20150730 金沢市教育委員会議事録分析――16~
20160119 育鵬社版「道徳教科書」を採用させないために――18~
20160212 『13歳からの道徳教科書』を読む(中学校用、育鵬社)について――21~
20160221 渡辺毅の『道徳の教科書』を読む――24~
20160331「道徳教科書」に関して――27~
20160405『中学生の教科書―美への渇き』を読む――28~
20160406『精選 尋常小学校修身書』(八木秀次2002年)を読む――30~
20161201『学校に思想・良心の自由を』を読む――31~
20170420 修身の復活を狙う道徳教科書(『未来』投稿)――34~
20170625「道徳教科書」について考える――36~
第2部
19730200 「大城君を支援しよう」(出島権二)――42~
20130407 二宮金次郎像について――43~
20160411 二宮金次郎と道徳教育――44~
【資料】1973年「二宮金次郎の亡霊」(柴田道子『世界』)(10頁分)――47~
【資料】2012年「金沢の二宮金次郎像」(村本外志雄)(6頁分)――57~
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