三谷幸喜さんスペシャルインタビュー
三谷大河3作品が勢ぞろい!
脚本家・三谷幸喜による、大河史に残る名作たちが一堂に!
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新選組!
幕末日本で誠の名に集った
9/29(月)17時 配信スタート!
若者たちの青春群像劇 -
真田丸
家族愛にあふれた次男坊・真田信繁
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徳川家康も恐れた武将の激動の生涯 -
鎌倉殿の13人
源頼朝にすべてを学んだ男・北条義時
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新都鎌倉で繰り広げられるパワーゲーム
三谷幸喜さんに聞く!
放送から約20年ごしの配信となる「新選組!」をはじめ、3作をふり返っての思い、いまだからこそ伝えたいメッセージとは?
放送から約20年、待望の配信となる「新選組!」。いまのお気持ちは?
「いよいよ観られる!」という嬉しさが、素直な気持ちですね。
皆さんが待ってくださっていたとしたら、ぼく自身も同じ気持ちです。
「真田丸」(2016年)「鎌倉殿の13人」(2022年)と大河は3作に携わっていますが、最初の「新選組!」は、脚本家としての人生が変わった作品だと思っています。
3作とも思い入れが深いし、どれが一番とは言えないけれど、やっぱり1本目の大河ドラマは大きな節目。あんなに長期間の、史実に沿ったドラマを手がけるのも初めてでしたから。そして、いまも自信を持って皆さんに観ていただけるものができたと思っています。だから、この作品をもっと広く観てもらえるといいなと、ずっと願ってきました。
「鎌倉殿の13人」「真田丸」そして「新選組!」と、雪解けのように配信が解禁になって、いよいよ出揃うのは感無量。周りの方から「『新選組!』はまだ?」と聞かれることも多かったけど、ぼくが決めることじゃないから辛かった。ようやく今回、様々な条件を整えていただいての配信だとすれば、力になってくれた方に(誰だか知らないんです)心から感謝したいです。
じつは逆風も多かった「新選組!」を、いまこそ素直に楽しめる機会に
おすすめの見どころといえばですね、「とにかく素直な気持ちで、邪念を捨てて、楽しんでいただければ、全編見どころといえるでしょう」でしょうか。
というのも、放送当時は、さまざまな批判もあったんですね。
熱狂的に好んでくださる視聴者もいましたが、ぼくの記憶だとおおむね評判悪くて(笑)。新選組はテロ組織だとか(絶対違う)、どうせ三谷は軽いコメディしか書けないとか(多少は合っている)。逆風が吹くなかでの放送だったと記憶しています。
先取りしていた「オールスターキャスト」
まず、“大河らしくない”キャスティングでした。放送当時は「誰だこの人は?」みたいな、見慣れない人たちもたくさん出ている印象だったと思います。
でも、よく覚えているんですが、当時ぼくは「20年後見返すとオールスターキャストになっているはずだ」と、公言していたんです。そして、いま、ね、その通りになったでしょう。
それはちょっと誇らしいというか、自慢していいんじゃないかな。
もちろん役者さんたちの力なんですけども、堺雅人さんや山本耕史くんたちが、現在大河ドラマを支えるほどの俳優さんになっているのはとても嬉しいです。
「おふざけ大河」と呼ばれて
ずっと喜劇を書いていたし、「三谷幸喜」という名前もやたらハッピーな感じがするから、「重厚な大河を書く脚本家じゃない」って世間からは思われていた。奴のことだから、どうせ史実を曲げて、ねつ造して面白おかしく脚色してるんだろうって。「おふざけ大河」なんて声もあったりして。
でも、ぼくは大河を書く上で当時から変わらない姿勢として「こんなに史実に沿った大河はない」と自信を持って言えるくらい、歴史的事実は改変していないつもり。特にこの作品は、毎回原則として1日のできごとに絞ったから、より史実に忠実であることを心がけました。幕末は記録も多く残っていて「何月何日に誰が何をした」なども分かる。事実から逸脱する「絶対あり得ない」という設定はひとつもないつもりです。
たとえば第1回で、若かりし坂本龍馬・近藤勇・桂小五郎が3人で佐久間象山に付き合って黒船を見に行きます。これも、3人とも同時期に江戸にいて、年も近く、関係性としても佐久間象山を通じて知り合いになり得るという可能性のもと描いたシーンでしたが、大河ファンの方から「創作が過ぎる」とかなり怒られました。確かにそんな記録は残っていないけど、彼らが絶対に一緒に黒船を見ていないという記録もないわけで。これが例えば、桂がこの時期、長州に戻っていたという記述がどこかに残っていたら、ぼくはこんな風には書かなかったと思う。でもやはりインパクトは強かったみたいで、そのせいで「そんなわけはない、三谷は適当に史実を曲げて書いている」というイメージが生まれてしまった。不徳の致すところです。
あれから月日が流れ、ぼくも大河ドラマを3作執筆させてもらいました。あの頃よりは少しは、「こいつ、ひょっとしたら、真面目に書こうと思えばできるんじゃないか」みたいに思われている気もするし、俳優陣や作品をとりまく状況も、変わりました。というわけで、いまこそ余計な先入観なく、観てもらえるんじゃないかと、勝手に考えています。
若手俳優たちと変えた、新しくてリアルな新選組の姿
このドラマでは、新選組そのもののイメージも変えたかったんです。
20年前は、新選組が「テロリスト集団」と思われがちな風潮があったんです。実際にはテロリストを取り締まっていた側なんですが。今でこそ正しい認識が定着していますが(たぶん)、放送当時は国会で、テロリスト集団を大河の主人公にするのか、と批判されたりもしました。びっくりです。
また以前は、映像化される場合、近藤勇は、三船敏郎さんや平幹二朗さんのような50代の年配の大御所俳優さんが演じるのが定番でした。
でも、彼らが江戸から京都にあがったときはまだみんな20代。結局、新選組の物語って20代後半〜30代前半の5年間の話なんです。だから、実際の彼らの年齢に合う俳優さんにやってもらいたかった。あえて若い人たちを起用していただいたから、それだけでだいぶ新選組のイメージが変わったんじゃないかなと思います。もちろん配役はぼくだけの意見ではなく、プロデューサーと考えた結果です。そして力のある役者さんを集めてくださったNHKさんにも感謝。多くの人の力が結集されて、「新選組!」はリアルで新しい新選組像を築けたんだと思います。
これから「新選組!」に初めて出会う、あるいは出会い直す方へのメッセージ
第1回で、佐久間象山が、若い近藤勇たちに語るセリフがあるんです。
このセリフは、象山の言葉とされる文献をもとに書いたものです。
「人は、生まれてから最初の十年は、己のことだけを考えればよい。
そして次の十年は家族のことを考える。
二十歳になってからの十年は生まれた故郷(くに)のことを考える。
そして三十になったら日本のことを考える。
四十になったら世界のことを考える。
(…)今はその多摩の田舎のことだけ考えればよろしい。
ただし、十年後、日本のことを考えなければならなくなった時に、正しい判断ができるよう、今から勉強しておくのだ」
世界に羽ばたくその時のためには、10代・20代から世界を知らなくてはならない、と象山は語るのですが、「新選組!」というドラマはこの言葉に尽きるな、と思うんです。この佐久間象山のメッセージが、作品を通して、いまの若い人たちにも伝わるといいなと思います。
ドラマの中でも、まさに10代・20代の時間を丁寧に描いていました。
多摩に暮らす彼らが、何をしていいかわからない、何のために生まれたのかもわからないけど、素敵な仲間たちと日々楽しく生きている。その時間をしっかり描くことで、のちの悲劇の深さも浮き彫りになっていく。新選組といえば京都で勤皇の志士と戦う印象が強いので、放送時は「早く京都行け」とイライラした視聴者も多かったみたい。でも前半の牧歌的な時代があるからこそ、後半の京都時代でのシリアスすぎるほどシリアスな展開が効いてくる、そう計算して書いていました。
なのでこれから見る皆さんには、「なかなか京都に行かないけどさ、絶対前半飛ばしちゃダメだよ」と言っておきたい。倍速もなしです(笑)
「望むように生きられない」主人公たちが輝く、三谷大河の3作品
意図したわけではないんですが、大河を3作書いてみて共通する部分があって、どれも「本来望んだ人生とは違う人生を生きなければならなかった人たちの話」なんですよね。
近藤勇、真田信繁(幸村)、北条義時。
みんな、思い描いたようには生きられなかった。けれど、成り行きで歩まざるを得なかった道で、それでも懸命に生き、結果、歴史に名を残す。そこがぼくには魅力的なんですよね。
もちろん初志貫徹で「こう生きるんだ」と決めた道を全力疾走するヒーローもカッコ良いんです。けれどそうじゃなくて、自分の思いとは関係なく、周りからの要請や人の期待に応えるために一生を費やした人たちに、ぼくはシンパシーを感じます。
この3作に、自分を重ねたり、勇気づけられたという声をいただくことも多いのは、そんな主人公たちの姿が、現代を生きる皆さんにも通じるのかもしれません。どの時代も、ヒーローより、そうじゃない人の方がはるかに多いですから。
それと、これは偶然なんですけど、3人とも次男なんですよ。
何の意図もないんですけれど、不思議な縁というか、因縁だなと思いますね。
「新選組!」そして他の2作も、ぜひこの機会に観ていただけたら嬉しいです。
三谷大河3作品は
で!
新鮮なキャスト陣、胸を打つ名シーン、軽妙かつ人間味あふれる会話劇。
現代に通じるリアルな葛藤も共感を呼び、幅広い層に愛された名作たちを、いつでもどこでも。
見逃した作品、また観たいあのシーン。
3作イッキ見もおすすめです。
新選組!
(2004年放送) 主演:香取慎吾幕末、京都の治安を守り、新選組として幕末を駆け抜けた近藤勇と仲間たち。時代に翻ろうされながらも最後まで未来を信じて生きた幕末の志士たちの青春を描く。
9/29(月)17時 配信スタート!真田丸
(2016年放送) 主演:堺雅人戦国時代最後の名将・真田幸村。その本名を、真田源次郎信繁という。好奇心にあふれ、冒険を好み、戦国の世を駆け抜けた真田信繁は、いつしか、覇者・徳川家康をも恐れさせる伝説の武将となった--。天才の父、秀才の兄の背を追いかけながら、故郷に住む家族と共に乱世を生き延びていくために、迷い、悩み、苦しみながら成長していく、家族愛にあふれた次男坊・信繁の物語。
今すぐ作品を視聴する鎌倉殿の13人
(2022年放送) 主演:小栗旬平家隆盛の世、北条義時は伊豆の弱小豪族の次男坊に過ぎなかった。1180年、頼朝が挙兵するとこの無謀な大ばくちに乗った北条義時は頼朝第一の側近となり、平家を打ち破った鎌倉幕府のかじとりを担う。やがて三代将軍・実朝が没し源氏の正統が途絶えたとき北条氏は幕府の頂点に!都では後鳥羽上皇が義時討伐の兵を挙げる。武家政権の命運を賭け義時は最後の決戦に挑んだ─。三谷幸喜が贈る予測不能エンターテインメント!
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