イスラエルによる攻撃でパレスチナのガザ地区の人道状況の悪化が深刻になる中、ことし7月以降、フランスが、また、イギリスとカナダも条件付きで、パレスチナを国家として承認する方針を相次いで表明しています。
岩屋外務大臣は記者会見で、今月22日にアメリカ ニューヨークでの国連総会にあわせて開かれる、イスラエルとパレスチナの共存に向けた国際会議に出席するとした上で、今回のタイミングではパレスチナの国家承認を見送る方針を明らかにしました。
そして19日、イスラエルとパレスチナ暫定自治政府の外相と相次いで電話で会談してこうした方針を伝えたほか、アメリカのルビオ国務長官とも電話で会談し、イスラエルに対して一方的行為の即時停止を強く求めていく考えを改めて伝えました。
岩屋大臣は「イスラエルと将来のパレスチナ国家が共存する『二国家解決』に何が資するのか熟議を重ねてきた。イスラエルが『二国家解決』実現への道を閉ざすようなさらなる行動をとる場合には、わが国として新たな対応をとる」と述べました。
岩屋外相 パレスチナの国家承認 見送る方針を明らかに
パレスチナの国家承認をめぐり、岩屋外務大臣は来週の国連総会のタイミングでは日本政府として承認を見送る方針を明らかにしました。その上で、イスラエルが和平への道を閉ざすような行動に出た場合は、新たな対応をとる考えを示しました。
イスラエル外相「日本の責任ある決定に感謝」
イスラエルのサール外相は19日、日本の岩屋外務大臣と電話で会談したと発表しました。
このなかでサール外相は、岩屋外務大臣がパレスチナの国家承認を見送る方針を明らかにしたことについて「日本の責任ある決定に感謝する」としています。
アメリカ国務省「日本の判断こそ私たちが望むもの」
アメリカ国務省のヒューストン副報道官は19日、NHKのインタビューに応じ「日本の判断こそ私たちが望むものだ。現時点で二国家解決を検討しないという判断を私たちは支持する」と評価しました。
その上で「パレスチナの国家承認をすることは逆効果であり、和平に向けた交渉を妨げることになるだろう。イスラム組織ハマスを武装解除するのではなく、勢いづかせるようなことをしたくないし、そのような各国の行動も見たくない」と述べ、現時点でのパレスチナの国家承認はこの地域の安定につながらないという立場を強調しました。
ヒューストン氏は、日本政府の発表に先立って、アメリカとの間でやりとりがあったのかどうかについては明らかにできないとして、「インド太平洋地域のみならず、世界中の平和のために、今後も日本と連携していく」と述べました。
イスラエルとパレスチナの二国家共存による和平を推進する首脳級の会議は、国連総会にあわせて今月22日に開かれる予定で、フランスなど複数の国が新たにパレスチナを国家として承認する方針を示しています。