全身トゲだらけの「パンク系」恐竜、モロッコで発見

2025年9月21日
タグ: 野生生物
アンキロサウルス類の恐竜「スピコメルス」のイメージ図。化石がモロッコのアトラス山脈から見つかった。これまで知られる恐竜の中で、最も雄大な装甲を持つ (C)Matt Dempsey/Handout via REUTERS
約1億6500万年前、現在のモロッコにあたる海岸沿いの平野には、鎧のような硬い装甲と長さ1メートルにも及ぶ巨大なトゲに全身が覆われた恐竜が棲んでいた。研究者が知る中でも他に類を見ない動物だという。

[ロイター]化石が発見されたのはモロッコのブルマーヌ近郊・アトラス山脈。恐竜はジュラ紀のもので「スピコメルス」と名付けられた。体長は約4メートル、体重は1〜2トンと推定され、四足歩行の草食恐竜アンキロサウルス類の中では、これまで発見された中で最古の種となる。アンキロサウルス類は鎧竜で、低い姿勢でゆっくりと動いた。まるで、生きた戦車かのようだ。

 この論文は8月27日に学術誌『ネイチャー』に発表された。研究を主導した英バーミンガム大学の古生物学者リチャード・バトラー氏は次のように語る。

「スピコメルスの鎧は唖然としてしまうほど風変わりだ。これまでに発見された恐竜はもちろん、現生動物や絶滅種を含めても類例がない」

「それぞれの肋骨から突き出す鋭く長いトゲが連なっていた。他の動物では見られないことだ。さらに首回りはゴルフクラブ並みの長さのスパイクが襟巻きのように突き出ていた」

スピコメルスの側面のイメージ図 (C)Matt Dempsey/Handout via REUTERS

 トゲだらけの鎧は、大型の肉食恐竜から身を守る手段、または交尾相手を引きつけるための装飾として機能した可能性がある。

カテゴリ: 医療・サイエンス
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