ソウル中央地方裁判所は18日、殺人の容疑で裁判にかけられている病院長のユン某被告(80)と執刀医のシム某被告(61)の初公判を開いた。この日、ユン被告とシム被告側の弁護人は「公訴事実を全て認める」と述べた。
一方、中絶手術を受けた20代のクォン某被告側は、「中絶目的で施術を依頼し、胎児が死亡したことは正しいが、殺人を共謀した事実はない」とし、「胎児がどのように死亡したのかは知らず、故意はない」と殺人の容疑を否認した。
病院に患者を紹介・あっせんしたブローカーのハン某被告とペ某被告も容疑を全て認めた。
裁判部は被告人らの大部分が容疑を認めているため、11月13日に開かれる2回目の公判を最後に裁判を終了させる方針だ。
捜査結果によると、シム被告は昨年6月25日、クォン被告に対し帝王切開手術をして胎児を出産させた後、あらかじめ準備してあった医療用シーツをかけて冷凍庫に入れる方法で殺害した。
当時の診療記録簿にはクォン被告の健康について「出血および腹痛あり」などと虚偽の内容を記載し、胎児が死産したかのように装った。この手術日にはCCTV(防犯カメラ)も設置しなかった。手術の事実が物議を醸すと、胎児の死産証明書を虚偽に発給し、火葬代行業者などにも見せた。
ユン被告は数年前に入院室・手術室・回復室を閉鎖する許可を得たにもかかわらず、2022年8月~2024年7月に入院室3室と手術室1室を運営し、中絶患者だけを入院させていたと調査された。シム被告は1件当たり数十万ウォン(数万ウォン)の謝礼を受け取って中絶手術を執刀した。
この期間、ブローカーを通じ中絶を望む妊婦527人を斡旋され、14億6000万ウォンの手術費用を取得し、ブローカーは3億1200万ウォン(約3億3000万円)の利益を得ていた。
現行の母子保健法では妊娠24週を超える中絶は違法だ。しかし2019年4月に刑法上の堕胎罪に対する憲法不合致決定が下されたことで処罰規定はない状態だ。
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